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フレキシブルなバッテリーライフを実現する「ウルトラベイ充電池」
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DVDドライブと同様の形状をしたリチウムポリマー充電池
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PCにとって、充電池はそのパソコンをどれだけ長く使えるかという重要な要素を決定づけるコンポーネントだ。もう250年以上も昔に、フランス人のフランクリンが雷雨の日に凧を揚げて、手元の「雷電瓶」に蓄電したというのに、モバイルPCのバッテリー・テクノロジーはいまだに5時間持つとか、7時間持ったなんて情けない話をしているのが現実なのだ。どこかのメーカーがいつでもどこでも空中から充電できるモバイルパソコンを開発してくれないだろうか。
夢物語を話していても何の解決にもならないので、今日は少しは現実的な話をしよう。そもそもモバイルPCのバッテリーは、筆者が初めて使った東芝の初代ダイナブックの頃から現在まで、“大きく重い充電池ほどより長く使える”という真理には何ひとつ変わりはない。しかし、CPUやHDD、LCD液晶等の電力消費量が大きくなる一方で、細かく使用電流を管理する省電力技術が進んだことにより、今や機能を削ることなく10時間近く連続駆動できるモバイルパソコンも登場している。
それでもやはり、大きな重い充電池を採用すれば、もっともっと長く使えるという真理には変わりがない。モバイルPCはデスクトップPCとは異なり、人が持ち歩くことが大前提なのに、長く使うには必然的に充電池のパワーに比例して重くなるという矛盾を抱えている商品なのだ。重い大型バッテリーを装着しても長く使いたいか、とにかく出張先でプレゼンをするだけだから、最軽量の充電池だけにして、その代わりACアダプタを持って行くか、その2種類くらいしか選択の幅がなかったのがモバイルPCの最近までの姿だった。
ところが、最近は、普段CD-ROMやDVD等の拡張ドライブを収納している2番目のベイ(1番目を内蔵のHDDだとした場合)にこれらドライブの代わりにドライブの格好をした充電池を収納して、より一層重くはなるが、駆動時間を延長するという仕組みを備えたモバイルパソコンも登場してきた。筆者が愛用しているIBM社のThinkPad T40もそういうコンセプトの商品だ。
T40では、標準の「Li-Ionバッテリー・パック」、「大容量Li-Ionバッテリー・パック」、「ウルトラベイ・スリム リチウム・ポリマー・バッテリー・パック」、そして、「バッテリー・ベイ・インサート」、「本来のCDやDVDドライブ」の5つのパーツを組み合わせることによって、1.99kgの14.4インチフル機能モバイルPC(2.5時間駆動)から、2.41kgの、9.9時間駆動の「バッテリーモンスター・モバイルPC」まで、5種類のT40をユーザニーズに合わせてケース・バイ・ケースでいつでも作り上げられるのだ。
AC電源の確保できない図書館やホットスポットで原稿を書いたりすることが多い筆者の使用環境では、この5種類のちょうど真ん中に位置する、DVD-ROMなし、標準の「Li-Ionバッテリー・パック」+「ウルトラベイ・スリム・リチウム・ポリマー・バッテリー」の総重量2.26kgで駆動時間7.4時間のバランスがピッタリだ。
ThinkPad T40の「バッテリーインクリメント・コンセプト」はなかなか面白い発想だが、欲を言えば、「バッテリー・ベイ・インサート」はただの空気の入ったバッテリー形状のダミー電池ではなく、バッテリーの中に「もしもの時の1万円」とか「常備薬のスペア」や「50cmの最短イーサネットケーブル」など、HDDには入りきれない、ここ一番に役に立つ「最後の一品」を収納できる有効空間スペースのあるギミックとして考えて欲しかった。
ThinkPadは伝統ある優秀な製品だが、まだまだ真面目一辺倒で、その辺りのツメは甘いと言えるだろう。テクノロジーの枠を飛び出して、使う道具として見た「真のモバイルへの道」へはあと一息だ。目指すべきはITのためのツールではなく、人をサポートするための考える道具、「真の考具」のはずだ。
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コネクタを確認して、初めて充電池であるのが納得できる
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ドライブ・ベイにDVDドライブと同様に挿入して本体充電池と合わせて、駆動時間7時間を超える
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製品名 |
価格 |
購入場所 |
ウルトラベイ・スリム リチウム・ポリマー・バッテリー・パック |
12,800円 |
IBM Direct |
■ URL
IBM Directの製品情報
http://www-6.ibm.com/jp/pc/option/obi/nob03/08k8190/08k8190a.html
(ゼロ・ハリ)
2004/04/16 11:07
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