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六本木ヒルズ49階「会員制図書館」の価値は?

ライブラリ内では無線LAN機能の入ったクリエだけでも有効活用ができる
 筆者は、どこでも、周囲の環境を全く気にせず原稿を書けると言う意味では達人的だ、と自分では思っている。騒がしい都会の喫茶店から北海道の原野を走るバスの中、台風の超低気圧の中で異常に揺れる国際線の航空機の中、過去、多くの原稿をこういう劣悪な環境の中でも書いてきた。

 しかし、たまには自宅以外でもゆったりと原稿を書いたり、そのための下調べをしたりできる閑静な環境が欲しかった。長い間平静だったサラリーマンの世界にも、リストラをはじめ、根底から価値観の変わる異変が起こっている。企業の中の一構成員という考え方から、自分という存在を真剣に見つめ直そうと、マインドの切り替えや重心移動を考えるビジネスマンも少なくないだろう。六本木ヒルズの49階にオープンした会員制図書館は、職場と自宅を結ぶ線上のどこかに位置する筆者の志向には、ピッタリの場所のように思えた。

 「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」は、多少俗物的で、ありきたりではあるが、学術系を中心に各界の著名人がフェローと呼ばれる名誉職に名を連ねる。49階と50階をぶち抜いた大きくかつ眺望抜群な「ライブラリーカフェ」も併設されている。

 年会費70万円が必要となる、24時間いつでもライブラリーが利用できるオフィス会員は別にして、月6,000円ほどの出費で、午前8時~午後23時まで、ライブラリーや眺望抜群なカフェも利用できる「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」は、この手の会員制組織が提供する施設としてはリーズナブルな料金と言えるだろう。独身のビジネスマン、ビジネスウーマンにも射程距離の価格だ。

 49階は、フロア内のどこでもインターネットアクセスが可能な無線LANが設備され、ESSID「ANY」で誰でも簡単に活用できる。当然、各所にACコンセントもあり、モバイルワーカーには便利だ。単なる図書館というより「Myオフィス」に近い感覚で活用を考えるビジネスマンもいるに違いない。

 筆者は、定期的に行なわれている「見学会」に申し込み、ある程度概要を理解した上で、正規会員になった。すでに5~6回同ライブラリーを利用して、仕事や原稿書き、その他の調べモノを行なったが、今のところ、実際の環境は筆者が理解していた日米の「図書館」というイメージとは大きく異なっていた。入会見学会の時、すでに、ライブラリーカフェは外部団体やセミナーへの貸し切りが多く、ライブラリー会員が使いたい時に使えないと、現会員から苦情が来ているとの説明があったが、実際に自分が使用する立場になって、その意味するところがより明確に理解できた次第だ。


さて、月6,000円は安い買い物か高い買い物か!?
 問題点はいくつかあるが、会員にとって一番問題なのは、ライブラリーカフェには突然「貸し切り予約」が入るかもしれないという不安感だろう。現会員と外部の一般団体という立場の違う2つの団体が共用する場合、通常、そういう施設には「何日前にしか団体予約は受け付けない」という明示された取り決めがあるモノだ。これがない限り、最悪、会員が見られるWeb上のライブラリーカフェの「明日の空き状況」も突然変わる可能性があると考えざるを得ないわけだ。

 またセミナーにはつきものの講演者の控え室などがライブラリーのすぐ側の部屋に割り当てられたりすることもあり、複雑な構造の建物ゆえ、控え室とセミナー会場を行き来する講師と、その講師に「先生! 先生! ヨイショ! ヨイショ!」と声をかけながらエスコートする係が右往左往し、ここは図書館ではなくて図書通路か? と思う場面にも何度となく出くわしている。

 これはライブラリーのレイアウト上の欠陥か、使い方の誤りだ。またセミナー参加者の中には休憩中にライブラリーのすぐ側の喫煙室の周囲でクライアントと大声で電話する超非常識親父も多い。図書館の中で電話を平気で出来るのは世界中でもここぐらいだろう。また飲み物の自販機がこのフロアの中で一番たばこの臭いのする喫煙室の奥にあることも、現代では目を疑う感じだ。

 数え上げればまだまだ問題の多い「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」だが、その発想の原点は新しい図書館の在り方や、個人の自分への投資という新しい方向性を示しており、興味深いモノがある。コンセプト的にも有意義なモノを持っており、このまま、些細な問題で「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」が低調になってしまっては残念だ。しかし、現状の運営方法を継続していては、あまり良い結果は見えてこないような気もする。マネージメントする側の一方的なルールで運営するのではなく、今後はマンションの管理組合のように参加者も1票を持てる、オープンな環境での運営が望ましいだろう。

商品名 価格
「アカデミーヒルズ六本木ライブラリー」
コミュニティ会員権
入会金1万円、月会費6,000円



URL
  アカデミーヒルズ六本木ライブラリー
  http://www.academyhills.com/library/


(ゼロ・ハリ)
2004/04/09 11:04

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