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コンパチ機も登場した「B&O社のスタイリッシュ・リモコン」
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国産製品には少ないトータルなデザインコンセプトの考え方
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「コンパチ」と言うと、元秋葉原少年なら誰もが「IBM PC/AT互換機」のことを思い浮かべるが、よく考えてみるとその他の商品にもいろいろあるようだ。
そもそも「コンパチ」とは、「compatible(互換)」を日本式に短縮した呼称に過ぎない。一般には目にすることがないIBMの超大型汎用機が企業の中心的かつ唯一のIT基幹設備であった時代に、極めて優秀だが、値段が高い純正の大型ハードディスク装置などと電気シグナル的に互換性を保ち、そこそこ妥当な値段で他社が同等製品を提供したのがその始まりだった。
コンパチ製品の登場理由は、前述のような価格性能比の他にもいろいろな理由が考えられるが、使う目的によっては「価格性能比」などという「まあまあの性能で割安!」なんてのは無意味な場合もあるし、また「動作さえすれば性能なんて……」という商品があっても不思議はないだろう。
法律で公に認められているかどうかはケースバイケースだが、「コンパチ」は必ず他の何らかの商品と連携して動作することが必要条件であり同時に「売り」であるのに対して、単体で、ユーザーから見ても、まったく同一物のように見えるのが「レプリカ」(コピー商品)である。前者は標準化推進やそれを可能にするオープンアーキテクチャーが基本的な考え方だろう。後者は、他人が培い確立したブランド力を、ユーザー心理を読んで巧みに利用するビジネスだ。
スタイリッシュではあるが同時に高価でもあるデンマークのBANG & OLUFSEN社(B&O社)の全製品に対応できるリモコン装置も、同社製品らしく世界で一番値段の高いリモコンだ。CDラジカセのリモコンならどんなに高くても、2,000~3,000円であると思われるが、なんとB&O社のリモコンはその10倍、3万円もする。すでに1万円を割ったMP3オーディオプレーヤーが登場する中、同じくB&O社のそれは10万円近い値段でも、同社の熱狂的なマニアは買い求めていることを考えると、それほどその「リモコン」もファンにとっては法外な値段には映っていないのかもしれない。
ごく最近、オークション市場などで、遂に「コンパチ」が売られるようになったB&O社のリモコンではあるが、その市場性は不透明だ。B&O社の17万円のCDラジカセに3万円のペデスタルスタンド(単なる専用の足)を購入する同じ人間が、値段が約4分の1とは言え、B&Oの統一されたデザインから最も遠いイメージのコンパチ・リモコンを購入するとはとても思えない。
B&O社の純正リモコン「Beo4」は、手に持ったまま居眠りでもして、自宅のフローリングの床に落とすと、間違いなく床を大きく傷つけると思われる重量感を持ち、かつ大きく長くどこにも居場所がなさそうな北欧サイズボディだ。大きな液晶画面の真ん中に少しだけ表示されるメッセージ、すべてのB&O社のオーディオ製品に対応するがゆえ、まったく使わないボタンも数えあげればきりがない。しかし、そのデザイン感覚は同社のオーディオ装置にはピッタリであることは誰しもが認めざるを得ない。B&O社のリモコンは、プラグ・コンパチブルだけではその市場を決して侵略できないブランド力を持った「感性」のプロダクトなのだ。
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ウサギ小屋には迷惑なほど大きく長いそのスタイル
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不必要に大きな液晶画面とB&O社の得意なカラーリング
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品名 |
店頭価格 |
発売元 |
Bang and Olufsen社純正リモコン「Beo4」 |
30,000円 |
秋葉原「ヤマギワリビナ」1階 |
■ URL
BANG & OLUFSEN製品(ヤマギワ オンライン ショッピング)
http://shopping.yamagiwa.co.jp/audio/bo/system01.html
(ゼロ・ハリ)
2004/01/13 11:12
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