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地域限定の隠れたヒット商品? 自転車用の「傘スタンド」

傘スタンド本体とパッケージ。似たような商品は各社から様々なバリエーションで発売されている
 読者諸兄は自転車用の「傘スタンド」なる商品をご存知であろうか。自転車のハンドル部分に傘を固定するためのこの商品、大阪ではかなり知られた存在であるが、なぜか大阪以外ではほとんど見かけることのない、実に不可思議な商品である。というわけで今回はこの「傘スタンド」を、その進化の系譜とともにご紹介したい。

 この「傘スタンド」、元々ベビーカーに傘を固定する目的で生まれた器具が独自に進化した品だと推測される。赤ちゃんを抱く際に手に傘を持っていては危険、それならいっそベビーカーに固定してしまおう、という発想である。それがある日自転車に移植され、さらに日傘を固定できることから紫外線を気にするマダム(?)御用達のものとなり、さらには簡易防犯機能などの付加価値が付いたものへ進化したという流れである。

 筆者の記憶に間違いがなければ、この「傘スタンド」は90年代初頭から大阪のあちこちで見かけるようになった。以前は大阪のオバチャン向け便利グッズというイメージが強かったが、現在はかなりメジャーな商品となり、若い層にも浸透してきている。ちなみに大阪のホームセンターでは時に山積み商材として売られていることもあるくらいで、認知度は非常に高い。

 製品の仕様を簡単に説明しておくと、取り付けはボルトを使って自転車のハンドル部に固定。使い方はアーム先端のクリップに傘を挟むという、ただそれだけである。あとは座高に応じてアームの長さを調整したり、使わない時は傘を取り外してアームを前方に倒したりする。今回撮影に使用した商品の場合、アームを前方に倒すことにより、カゴの中の荷物のひったくり防止にも役立つとされている。さらに反射板もついており、至れり尽くせりである。

 筆者としては大変便利なグッズだと思うのだが、前述の通り、大阪以外の地域では見かけることすらないのが実情だ。名古屋あたりではチラホラ見かけるとの噂も聞くが、果たしてこの製品には、他地域では流行しえないような隠された理由があるのだろうか。それとも単に流通ルートの関係で広まっていないだけで、今後一気にブレイクする要因を秘めたまま、現在に至っているのだろうか。類似商品はいくつかの会社から発売されており、通販サイトでの取り扱いもあるようなので、購入は比較的容易である。興味のある方はぜひご自分の目で確かめていただきたい。


自転車に傘スタンドを取り付け、傘を装着した図。傘を手に持たず運転が可能である。大阪では多くの自転車がこのスタイルで街中を疾走している 拡大図。グリップの太さが合えば、日傘/雨傘を問わず取り付け可能

未使用状態の傘スタンドを前方に倒せば、ひったくり防止にも役立つ。良くも悪くも大阪ならでは

品名 発売元 購入価格
かさキャッチII 第一精工 3,000円



URL
  製品情報
  http://www.fishing-daiichiseiko.co.jp/catalogue/katei.html


(kizuki)
2003/10/02 11:17

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