ケータイWatch　本日の一品

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チャンスがあれば入手したい「マリリン・モンローの雲形定規」

デリケートに扱いたい柔らかカーブのドローイング・エイド

　読者の皆様も「雲型定規」という呼び名を一度は聞いたことがあるだろう。コンパスでは表わせない、綺麗で自然で感性のある曲線を確実に表現したい時に活用する便利な小道具だ。昔は木や金属のものもあったが、現在はほとんどがプラスチック製で、ちょっとした街の文具屋さんで、比較的簡単に入手できる。

　ITが進歩した昨今では、パソコン上でマウスなどのポインティング・デバイスを用いて、グラフィカルな曲線デザインを描き起こすことも多くなった。しかし少し前には、グラフィックデザイナーが、あたかも宮大工が何種類ものノミやカンナを使い分けて伝統工芸品を作るように、何種類もの雲型定規をとっかえひっかえして、定規を替えた時の継ぎ目すらまったく見えないほど自然かつ自信に満ちた曲線を描き出すのに驚いたことがあったものだ。

　話は多少横道にそれるが、デジタル時代になって便利なことがある半面、従来は比較的自然と出来ていたことが意外と難しくなってしまう、ということが起こっている。昔の設計室やデザインルームといえば、大型の製図機ドラフターが設計室やデザインルームに整然と並び、デザイナーはその上に大きな用紙を広げ、製図用ペンで黙々と設計やデザインを描き起こしていた。帰社時や外出時にも、仕掛かり中の図面はそのままそこにあるのが普通だった。仕事仲間や上司は、通りかかりに放置された仕掛中の仕事を見て、小さなミスや仕事の進展状況を計らずも知ることが出来た時代だ。

　しかし、昨今はそうした作業の多くがCADの世界になり、外出時や帰宅時に電源を落としてしまうと、特別興味を持ってその人の図面にデータベース的アクセスでもしない限り、途中経過を目にすることはなくなった。IT化によって、安全なエリアに重要データが機密管理されている、とも考えられるが、それをそのまま喜んでよいものだろうか？　これからのITは、過去の利点も新技術による恩恵も併せ持ったモノでなければならないはずだ。

　本日ご紹介するモノは、1956年に作られ「A NEW CONCEPT IN CURVES」というサブタイトルが付けられた、“雲”ではなく“マリリン・モンローのナイス・バディのシルエット”を基にした楽しい定規だ。筆者と同様、自由な曲線を描き出す唯一のアナログ・ツールが「雲型定規」ではあまりにも寂し過ぎると常日頃考えている御仁には最適だ。ミロのヴィーナスの時代から、本来、地球上で最も美しい曲線を備えたモノは女性であると言える。この定規、すでに生産・販売は行なわれておらず、もはや発売開始から50年近くたった現在では米国内を中心としたネットオークションに頼る以外、入手は難しいだろう。筆者のように設計やデザインにはセンスがなく無縁の人間でも、もしチャンスがあれば手に入れたい一品だ。


筆者なら答えは決まっているが……ウイッチ・ドゥ・ユ～・ライク？	ペーパーケースがまた素晴らしい出来だ

品名	購入価格	購入場所
Marilyn Monroe Drawing Aid	時価	ネットオークション

（ゼロ・ハリ）
2003/08/28 11:10

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