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本日の一品タイトルGIF
いつでも持ち歩ける超軽量ムービーカメラ

Motion Pix
シンプルで低価格が特徴のトイビデオカメラだ

DVカムと比較。大幅に小型化されている
 筆者がビデオカメラを購入したのは13年ほど前だった。今年中学生になった長女が生まれる少し前だったと記憶している。ソニーのHi8の2号機で全長30cmくらいとそこそこ大型で、ビデオカメラでありながらシャッタースピードや絞りがコントロールできる優れものだった。子供が産まれる前に購入したのはゴルフの練習に使いたかったのが理由で、5ラウンド目でスコアが100を切れたのはビデオカメラのおかげもあったと思っている。

 多くの人が子供の誕生を期に購入するケースが多く、運動会等ではかなりの台数のビデオカメラが登場するがそれ以外ではあまり見ることはない。たまにしか使わないからかよく故障し、運動会前に修理に持っていくと「秋はビデオカメラの修理が殺到して1カ月はかかります」とサービスセンターの女性に言われたこともあった。10年ほどしてDVに乗り換え大幅に小型化されたが、結局使用頻度は増えていない。作品らしいものを撮るには技術的な限界もあり、まして編集などするには膨大な時間を要するので、年に数回しか使用しないのは我が家だけではないと思っている。

 デジカメやカメラ付き携帯はフィルム式のカメラ時代を一変させ使用頻度を大幅に向上させた。日本で一番使われているカメラはカメラ付き携帯と思われ、小型化と手軽さがその理由の一つであろう。持ち歩くには小さいに越したことはない。フィルムを消費しないのもメリットだと思う。ビデオカメラも小型化されテープを購入しなくても撮影できればもう少し使用頻度が上がるだろう。

 アイ・オー・データ機器から発売されたMOTION PIXは手の平に収まる超小型のビデオカメラだ。我が家のDVカムと比較しても大幅に小型化されたことが分かる。性能はそれなりで、デジカメにメモ用のトイカメラが存在するが、ビデオ版のトイカメラの位置づけと考えればわかりやすい。細かいスペックはメーカーのWebサイトを参照いただくとして実際に使ってみた印象をお伝えしよう。

 重さ110gは携帯電話並で実に手軽だ。ウェストポーチや仕事鞄に入れて気軽に持ち歩くことができる。撮影は電源を入れてズームの設定をして撮影ボタンを押すだけだ。ズームは撮影前に設定したものを撮影中に変更することはできないので、一般的なDVカムに慣れていると少々機能不足の感はある。ものは考えようでカメラ付き携帯に光学ズームやストロボがなくてもそれなりに使えるのと同じで、最初は違和感があったが納得して使っている。

 画質もそれなりでパソコンで見ても綺麗とは言い難いし、テレビに映してもVHSの3倍速録画より間違いなく劣っている。フレームレートの問題なのか画面内で動きの速いもの撮影すると妙に形が歪むことがある。人の顔が瓢箪の様に伸び縮みするのはかなり違和感がある。自動露出も反応は遅く今一つだ。しかしクオリティや機能の比較をするのであれば、伝説のデジカメQV-10やカメラ付き携帯が出たときも決して満足できるものではなかったがそれを越える魅力はあったはずだ。DVカムと比較しても価格や手軽さではアドバンテージがあり、あとは使う側の判断だと筆者は感じている。


名古屋空港周辺で撮影した飛行機
 さて撮影に出掛けよう。我が家の子供を撮っても読者の方にお見せできるものではないので名古屋空港へ行ってみた。名古屋空港は名前に反して名古屋ではなく、西春日井郡豊山町に存在している。小牧市にあると思われている方も多いが正式には豊山町だ。豊山町と言えばあのイチロー(シアトルマリナーズ)の出身地である。羽田や関空と違い内陸地にあるため航空機は着陸時に民家のすぐ上を通過して降りて来る。南北両側に見物用の公園が設置してあり、休日には家族連れやカップル、航空マニアが集まっている。筆者も遠い昔、羽田空港を見に京浜島へ出かけたことがあるが、夜間車を止めているとやたらパトカーに職務質問をされた記憶がありいい印象はない。

 名古屋空港はローカルな空港であるが、飛行機見物には結構お薦めと思っている。映像を見てもらうのが一番だが石を投げたら当りそうな距離を降りてくる姿は感動的ですらある。航空機の真下からの撮影も可能だ。「MOTION PIX」は機能が少ないだけに操作は単純で実際には電源を入れてシャッターボタンを押すだけで簡単に撮影できる。

 話は思いっきり横道へ逸れるが、9年前、中華航空機が墜落した事故があったのは名古屋空港だ。当時名古屋市の北部に住んでいた筆者は墜落の音を自宅で聞いた。季節外れの雷と思ったが、まもなくテレビのテロップで事故を知り意味はないが飛行場へ向かった。着いた頃に鎮火したが煙と臭いは立ち込めていた。

 その時フッと疑問に思ったことがあった。普段着陸する航空機を見ていると、その後や更にその後ろに並んで降りてくる機体を見ることができる。特に夜間は航空機のヘッドライトが夜空に並ぶのでわかりやすい。はたして事故機の後にいた航空機はいったいどこへ行ったのか。事故から数年後、筆者の素朴な疑問に答えてくれたのは、航空対戦ゲームの発表会場でお会いした日本を代表する航空評論家・青木謙知氏だ。「後ろはJALで伊丹に降りました」。即答できるプロの凄さに脱帽するだけだった。

 「MOTION PIX」を筆者はカバンに入れっぱなしにしてる。従来のビデオカメラではありえなかったことだ。メモリさえ大容量のものを用意すれが長時間撮影も可能だ。あとは使い方次第、画質や機能を超えた可能性を感じさせる一品と言えよう。

※リンク先は動画(AVI形式、3.98MB)

品名 開発元 購入価格
MOTION PIX AVMC211 アイ・オー・データ機器 19,800円



(奥川浩彦)
2003/06/17 11:07

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