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「Nokia 9210i」にみる!? 日本語版GSM対応PDAの夢
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Nokia 9210i Communicator
“人によっては”手のひらに収まる大きさ
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最近のケータイではPDA並みのことができるようになっている。メールはもちろん、アドレス帳やスケジュール管理、さらに、通常のPDAには内蔵していないカメラまでも装備している。しかし、足りないものがある。それはキーボードと大画面のディスプレイだ。あのケータイ独自の文字入力方式がどうしてもなじめない人も多いはずだ。どんな場合でも、キーボードが欲しいと思う人もいるだろう。
そんな、キーボードと大画面液晶ディスプレイを搭載してしまったケータイといえば、北欧フィンランド産のNokia 9000シリーズだ。現在売られているのは9000、9110、に続く3代目の9210。このモデルは途中マイナーチェンジを受けた「9210i Communicator」となる。9210の発表は2000年で発売が2001年と、多少の古さは否めないものの、ちょっと(だいぶ?)大きなケータイを縦に割れば、そこに液晶画面とキーボードが出てくるのだから驚きだ。
これがあれば、ちょっと(だいぶ??)デカいケータイとして普段は使い、必要に応じてパカっと開けば液晶画面とキーボードによって、メールやWebサイトの閲覧ができるというものだ。もちろん、機能はそれだけではなく、これだけで相手にFAXを送ることもできれば、ワープロ機能も持っている。
サイズの問題をのぞけば、最強の携帯電話と言えそうだが、最大の難点がある。これはGSM方式のケータイなので日本では使えないのだ。世界標準の携帯電話方式はGSMで、それが使えない主な国は日本と韓国。GSMのサービスが提供されている地域ならば、基本的に各国事業者間でローミング契約が結ばれているから、世界中どこのGSMエリアでも利用できるのだ。ただし、GSMの中でも周波数が900MHz、1800MHz、1900MHzといろいろあり、今回とり上げた9210iは900/1800MHzのみの対応だ。それ以外の周波数の地域では、電話番号の入ったSIMとよばれるカードを対応機種に差して使えばよい。そんなケータイ電話機と電話番号の自由度を持ったのがGSMなのだ。ドコモのFOMAも同様のシステムを採用したが、その遙か昔から世界では当たり前のことだったのだ。
話を9210iに戻そう。OSはPocket PCでもなければPalmでもない。Symbian OSが搭載されている。Symbianはノキアやソニー・エリクソン、パナソニック モバイルコミュニケーションズなどが出資する企業。PDAでは「PSION」に搭載されているもので日本でもユーザーがいて、日本語化されたバージョンもある。PalmやPocket PCのように身近にないものなので、使用には最初は慣れが必要だが、すぐに使いこなすことができる……だろう……と言いたいが、筆者の頭は日本語しかわからないことになっているので、実は9210iに関しては現在のところまともに使えていない。
こんな機種の日本語対応版が発売されればよいと思うところだが、完全に夢というわけではなくなった。日本ではGSMを採用しなかったものの、第3世代ケータイ(3G)では、ドコモとJ-フォンがGSMから移行する可能性の高い3GPP準拠のW-CDMA方式を採用する。J-フォンがノキア製のGSM/3Gの共用機「Nokia 6650」を国内投入すると発表しているので、将来的にはノキアの3G対応ラインナップが国内に続々入ってくる可能性も高い。
3G対応した後のNokia 9000シリーズなら、J-フォンが販売しなくても、海外で買って持ち込めば日本でも使えるはずだ。日本人が多く使うことが見込まれれば、ノキアも日本語モードを備えるか、日本語版を出すことも十分あり得るだろう。
さて、そうなった場合、日本のメーカーも負けてはいないはず。実は日本でもこの手の製品は登場している。ドコモからは5年前に松下通信(現パナソニック モバイルコミュニケーションズ)製の「ピーターパン」という端末だ。実は筆者も使っていたが、ケータイとPDAがドッキングしたもので「10円メール」によってインターネットメールも可能だった。データをパソコンと連携できないという致命的な問題があったが、その時期にそんな製品を出したことに大きな意義がある。
さらに、京セラのデータスコープ、東芝のGENIOなどもある。通話ができない端末であれば、NECのエクシーレもあった。筆者はいずれの機種も使用したことがあるが、PDAの機能の問題や、街中で“電話機”として使った場合の違和感あるデザインのため、GENIO以外は長続きしなかった。
さて、今から数年後の3Gが普及した後の日本の携帯電話はどうなっているのだろう。Nokia 9000シリーズのようなものが日本にあふれたら楽しいと考えるのは筆者だけだろうか。とりあえず3Gバージョンが登場して、日本で使えるようになったら、初日買いor個人輸入or海外買い出しする? かもしれない。
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見た目はふつうのPDAだ。操作はボタンだけで行ない、スタイラスペンは未サポート
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シグマリオンIIと比べても、大幅に小さいことがわかる
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品名 |
発売元 |
購入価格 |
購入場所 |
Nokia 9210i Communicator |
ノキア・ジャパン |
119,800円 |
Club NOKIA |
・ Club NOKIA
http://www.club.nokia.co.jp/
(江須田)
2003/03/07 12:09
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