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パソコンの映像をテレビに メルコ「PCast」
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PC-TVコンバータ
「PCast SC-1」
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マルチメディア時代とかマルチメディアパソコンという言葉を聞くようになったのは十数年前だったであろうか。時は流れWindows 95が登場してもパソコンで映画を見ることは現実的ではなかった。
筆者がパソコンで動画をハッキリと見たと記憶するのはDVD-ROMドライブが登場した1996~97年頃で、専用のMPEG-2デコーダーカードでハリソンフォードの「逃亡者」のDVDを見たときだ。当時はパソコンで映画を見ることには懐疑的で、「パソコンで2時間も映画を見る奴がいるか」と否定的な発言をしていたが、会社から借りてきたDVD-ROMドライブを自宅のパソコンに取り付け、「逃亡者」を見始めるとアッという間に2時間が過ぎてしまった。この映画の面白さに魅了されたと言えばそれまでだが、家庭用DVDプレーヤーが普及する以前、マルチランゲージ等の機能と素晴らしい画質に驚かされたことは間違いない。
プレイステーション2が登場し、家庭用DVDプレーヤーの低価格化が進むと、我が家にもプレーヤーが導入されDVDがテレビで見られるようになった。その後、AVアンプやリアスピーカーも用意し、5.1ch(センタースピーカーを省いているので正確には4.1ch)環境も実現した。
その後パソコンで動画を見ることはなくなっていたが、時が流れ時代はブロードバンド時代に。インターネットを通じて動画を入手できる時代がアッという間にやってきた。スポーツや音楽のライブ映像、昔懐かしいアニメなどがインターネットで配信されるようになりパソコンで動画を見ることが特別でなくなってきた。それでも「パソコンで2時間も映画を見る奴がいるか」という思いは筆者の中に残っており、この映像をテレビで見たいと思うようになった。
いわゆるダウンコンバータを探し始めたのは1年ほど前であろうか。国内で手頃なものが見つからなかったので、台湾出張の際に安いものを見つけて使ってみたが、テレビへの映像は問題ないがパソコン側にゴーストが出て使いものにならなかった。機能的にも640×480にしか対応しておらず、動画を見るときは解像度を落としてからメディアプレーヤーを全画面表示に切り替える必要があった。
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テレビに映るケータイWatch。CRTの映像が、同様にテレビに表示される
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もう少し良いものを思っていたらメルコから「PCast」なるダウンコンバータが発売された。価格も1万円切っていたので購入。機能的にはパソコン側の解像度を変更する必要もなく、CRTと同じ映像がそのままテレビに表示される。テレビ側の画質は特に問題はない。設定の問題かCRTより若干彩度が低い白っぽい絵となる。設定はボタンの押し方とLEDの表示を確認しながら行なうが、イマイチわかりにくい。それほどこだわりもないしテレビで見られればいいので、低価格でもあるし良しとした。とりあえずの目的は達成されたので一定の満足は得られている。
製品とは直接関係ないが画質面で気付いたことが1つある。MPEG-1の画質はVHS程度といわれるが、パソコンで見る限りVHSより劣って見える。ところが同じ映像を解像度の低いテレビに映すと、確かにVHSと変わらない画質に見える。聞いた話ではBSハイビジョンもBSデジタル放送は綺麗だが、地上波の放送を見ると普通のテレビよりも汚く見えることがあるらしい。MPEG-1もパソコンのディスプレイよりテレビで見た方が遙かに綺麗に見えるので試す価値はあるといえよう。
さて、ここでダウンコンバータの裏技(?)を1つ紹介しよう。
この裏技はOSのインストールの際に意外と便利だ。ダウンコンバータを利用すれば、パソコンの画面をテレビで確認できるので、インストールの経過をテレビ番組を見ながら入力に切り替えるだけでチェックできるのだ。インストール以外にもデフラグやCD-Rの書き込みなど時間のかかる作業の際にパソコンの前で待つことや、時々確認に行かなくても済むので便利である。
これからのパソコンはビデオカードにコンポジット出力が必須と筆者は思っているが、現行のパソコンで動画をテレビで見たいと思われる方には、低価格で手軽に導入できるダウンコンバータPCastは1つの選択肢になるだろう。
品名 |
メーカー |
購入価格 |
PCast SC-1 |
メルコ |
9,800円 |
・ 製品情報
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/s/sc-1/
(奥川浩彦)
2003/02/26 11:07
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