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21世紀の「BiBio」を救った20世紀の「BOSE AW-1」
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BiBio 国内初のインターネットラジオ 新しい音楽の発見がある画期的な商品だ。パソコンでも聞けるがラジオの形をしているからこそ意義がある
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筆者は、大昔にオーディオマニアの端っこを通過して、身分不相応にも狭い自宅に超大型のスタジオモニターやら超怒級アンプ等を持ち込んだことがある。当時実際に求めていた音はステージサイドの音であり、論理的に優れた音ではなかったと思う。下り坂になったオーディオ業界が、超低価格の製品と、いったい誰が買うのかと思えるほどの超高価格の製品群に明確に2極分化され、それがさらにオーディオ不況に拍車をかけ出した頃から興味をなくし、これまでの大型オーディオ装置は今や全てYahoo!オークションの肥やしにしてしまった。
十数年続いたオーディオ熱も醒めだした頃、久しぶりに強い興味を覚えたのは、何年か前にラスベガスのコンピュータショーで見かけたインターネットラジオだった。その場で直談判し、購入か、せめて予約を……と考えたが、結局その新進の製品は出荷されずじまいだった。
さらに何年か後、日本国内で同じようなインターネットラジオを見かけたのが、モデム製品等で知られるサン電子の販売する「BiBio」と呼ばれる「日本国内初のインターネットラジオ」だった。Web上での評判を聞き、早速近所のパソコンショップで購入したが、これが大きな感違いだった。筆者の知る限りでもIT関連業種の人間で、なおかつ音楽に精通している人間は数えるほどごくわずかだ。そんな重要なことを忘れていた。
メーカーはメーカーの論理・思考で製品を開発・販売するが、ユーザはユーザの論理・嗜好で商品を選択・購入しなければならない。今回の場合、明らかに失敗の責任は筆者の思考の至らなさにあることだけは間違いなかった。まず、一般的に「インターネットラジオ」を、「情報技術の産物」として捉えるのか、従来通り「音楽の再生装置」として捉えるのかで大きくその評価が分かれてくる。ほんの十年前まで、この「情報」と「音楽」はほとんど接点がなかったのだ。使い古されて、最近は滅多に聞くこともなくなったが「マルチメディア」という言葉がそれらを結びつけた。
「BiBio」は国内では誰もやらなかった「ネットワーク」と「音楽」の結合にサン電子が挑戦した画期的な製品だ。しかし、あまりにも前者に対するバランスが強過ぎ、また残念ながら同社独自では後者に投入するテクノロジーのストックがなさ過ぎたためにバランスを失ってしまった商品のように思える。外観のデザインは個人の趣味によって大きく異なるのでここでは言及しないこととして話を進めたい。
実際に同社が独自で開発したかどうかは別にして、任意のインターネット放送局を選択するメカニズムや、その操作性は初代機としては概ね良くできた製品だ。ところが、実際に任意の放送局を選択して、そこに流れる音楽を聴くと、音質も、その表現力も我が家の中では、数年以上前の海外製ラジカセにも及ばないのが現実だ。
理由はいろいろ考えられるが、最終的な出荷価格の制限によるコスト削減の結果、筐体や音響周りに明確に影響が出ていることは間違いないだろう。しかし、インターネットラジオの持つ可能性を一般的に理解するには、この製品は大きな意義を持っている。何百という放送局から、自分の趣味に合った放送局を選び、24時間365日、無料で大好きな「音楽漬け」になれることに対する期待は大きい。この製品に限らず、デジタル技術とアナログ技術の融合製品には、そのバランス上、不具合があってもカバーできる可能性はある。現在、筆者BiBioの背面のヘッドフォン端子からケーブルを引き出し、十年以上前のBOSEの「AM-1」という超怒級ラジカセに接続して超快適なインターネット音楽生活を毎日送っている。
サン電子には次回は、スピーカーやアンプ部をスッキリと削り取った「インターネット・ラジオ・チューナー部」だけを、よりスリムでスニークなボックスに収納し、ラインアウト端子だけを持ったコンポ感覚の商品をラインアップの1つとしてご検討願いたい。この原稿も、BiBio+BOSE AW-1で筆者の大好きなインターネット放送局である「electricblues」を聴きながら書いている。最高だ!
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ブロードバンド回線さえあれば、何百という放送局から気に入った放送局の番組を24時間365日、有線放送を引いたがごとく無料で楽しめる
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音質や音楽性の改善は、別のアナログ機器で改善できる。カセット再生装置しかなく休眠中だったBOSE AW-1のライン入力を活用し、今や絶好調のAW-1。まさに、ステージサイドの迫力をインターネット放送で体験できる
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品名 |
発売元 |
購入価格 |
BiBio |
サン電子 |
39,800円 |
・ サン電子 BiBio製品情報
http://www.sun-denshi.co.jp/scc/bb/
(ゼロ・ハリ)
2003/02/18 17:11
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