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CDシュレッダーで「記録喪失」しよう

「記録喪失」9,980円。イーレッツのWeb直販で購入できる
 記録より記憶に残る男は長嶋茂雄だった。そんなことは今回は関係ない。歳をとると記憶力は明らかに衰えていく。子供の頃、トランプの神経衰弱では親戚中で一番強かったはずなのに、今では小学生の娘に負けてしまう。仕事中に時々困るのは電話をかけて、呼び出し音が鳴っている最中に誰にかけているのか忘れてしまうことである。「もしもーし、……」ここで頭は真っ白になってしまう。幸い「えーっ……えーっ……、○○さんいらっしゃいますか」という調子で数秒で思い出すので、事なきを得ているが、この瞬間的記憶喪失には歳を感じてしまう。

 結局記憶に頼らず記録を残すようにするのが一番なのであるが、記録は記録で問題が発生する場合がある。そう、誰しも他人に見られたくない記録はあると思う。携帯電話の通話記録、メールの履歴、相手が誰かはこの際触れないことにするが、思い当たるふしがある方は少なくないであろう。

 IT時代の社会問題として情報漏洩がニュースになったのは記憶に新しい。大手企業のWebサイトから顧客データが漏れたり、廃棄されたパソコンのハードディスクから警察の内部情報が漏れたりして、事件として取り上げられた。情報漏洩を防ぐ手段として紙のシュレッダーは、企業はもちろん家庭にも普及しつつある。我が家はその手のことに無頓着であるが、人の話を聞くと電話の請求書、クレジットカード会社や銀行から送られてくる封書、家に持ち帰った仕事で印刷したものなどをシュレッダーしているらしい。言われてみると納得する部分はある。

 紙と比較して情報量が膨大になるCD-R等のディスクメディアはどうであろうか。CD-Rは、テキストならば1枚で本棚1つ分以上のデータが記録できる媒体であるが、意外に処理方法は確立されていない。会社では売り上げ等のExcelのデータ、編集部なら発売前のソフトウェアのベータ版など、世に出てはならないディスクは少なくないと思う。

 調べてみるとCDシュレッダーなる製品は以前から存在しているが、従来のものは価格が導入のネックになっていた。CD-Rを廃棄するのに5万、10万はなかなか投資できない。そんな中、実売1万円を切るCDシュレッダーが登場した。製品名は「記憶喪失」もとい「記録喪失」。鋭い方はお気付きであろうか、オヤジギャグネーミングで有名なイーレッツの製品だ。聞くと今回初めて製品名を一般公募したらしい。最終的に没ネームになった製品名は「爆消問題」、「クラッシャー板前」、「CD棄感激(シデキカンゲキ)」、「傷とともに去りぬ」、「完全盤済」とそれなりにインパクトのあるものが並んでいる。


「記録喪失」したディスクをCDドライブに挿入すると、読めなくなっていることが確認できる
 さて、実際の製品は刃の付いた2つのローラーの間をCD-Rが通過することで両面に無数の傷が付けられる構造だ。数十万円するような製品では紙のシュレッダーのように完全に粉砕するものがあるが、「記録喪失」は記録層に傷を付けることでデータを読めなくする。

 CD-Rのデータはラベル面の下の薄い膜に記録されている。透明な面はただの樹脂(ポリカーボネート)でこちら側にはデータはない。カッターで傷を付けてCD-Rを廃棄するときに透明な面に傷を付けている方が見受けられるが、この場合はデータは全く無傷である。このあたりが「記録喪失」が両面にクラック加工をする理由で、ディスクメディアの構造を知らなくても挿入すれば両面に傷を付けてデータを消してくれるのだ。

 クラック加工したCD-Rをドライブに入れてみると、アクセスランプが点滅を続けリトライしている様子がうかがえる。確かに読めなくなっている。試しに傷の付いたCDを復活させるスピンドクターで復活を試みるが疲れただけで復活することはなかった。透明な樹脂側からディスクを見ると、ラベル面の記録層を突き破って無数の傷を見ることができる。処理時間も数秒で、紙のシュレッダーよりは速く感じる。今回初めてCD-Rを手で割ってみたが、割ると言うより爆発するような感じで驚いてしまった。細かな破片は数メートルも飛び散ってしまう。「記録喪失」は作業の安全性と確実性を考えると、個人で購入するにはまだ高い気がするが、企業で導入するには手頃な金額であろう。

 安全に対する投資は、事故や病気、ウイルス被害と同じで実際に遭遇してみないとなかなかできないものである。ハードディスクのデータを飛ばしてからでは遅いように、企業や官庁のデータもいったん漏洩してからではリカバリー不能であることを考えると、部署単位やフロア単位で導入してもいい時代になったような気がする。これからは機密情報はもちろん、何を書き込んだかわからなくなったCD-Rを捨てるときには、CDシュレッダーを通してから廃棄されてはいかがであろう。

 それにしても社内で「おーいっ記録喪失してくれ」……やはりちょっと恥ずかしい。


品名 発売元 購入場所
記録喪失 イーレッツ 9,980円


・ 「記録喪失」製品情報(イーレッツ)
  http://www.e-lets.co.jp/product/cds.htm


(weekone)
2003/01/15 11:03

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