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ケータイコールから逃げ切れる「アリバイ交差点」!?

本体のネーミングセンスと「押し間違いに注意!!」は本体機能を超えている!?
 昔、家にたった1台の電話しかなかった「ステーションコールの時代」は、日本中がとても平和でのんびりだった。当時は、電話した先に目的の人が居なかったら、その人が戻ってくるか、連絡が取れる別の場所に立ち寄るまで連絡はつかなかった。しかしそれが当たり前だったため、そのために仕事が多少遅れても、それがなにか社会のテンポに影響を与えたり、弊害になったなんてことはあまり聞かなかった。せいぜい、彼女と直接話したくて電話したのに、親父が電話口に出てしまったりすることくらいがマイナス点と思われた程度だった。

 いつでも、どこでも目的の本人に直接連絡がつく、ということは本当に便利なことなのだろうか? それが当たり前になると、誰もそれが不可能だったら何が問題になるかを冷静に考えない世の中になってしまう。筆者の回りには、日本でも最初に携帯電話を入手した先頭集団に属する人種が多くいるが、彼らの多くは、最近以前ほど携帯電話を使わなくなった、というのが正直なところだ。

 ケータイに電話がかかってきても、出たくない背景は人によっていろいろだろう。その一方で、飛行機が滑走路を走り出すまでケータイでしゃべっていて、乗務員に注意されるケータイ中毒患者も時々見かける。まあ、そういう人に限ってほとんどどうでも良い内容の会話だったりするのはよくあることだ。個人主義が行き渡った現代社会では、メル友やケータイでの会話だけが、唯一無二の社会とのインターフェイスという場合もあるかもしれず、一概にケータイ中毒を非難もできないのかもしれない。

 筆者などは、新しい携帯電話のハードウェアやシステムには強い興味があるが、できる限りケータイコールには応答したくないタイプだ。したがって、非通知非着信・公衆非着信は常にオン、新幹線内では常に電源オフ、会議中はマナーモードで本体留守録体制、本体録音キャパシティを超えると、センター留守録は契約していないので、まったく伝言も残せないという(筆者にとって)理想的な設定にしてある。それでも、その間を縫って着信するケータイコールがあるが、これをうっちゃるのに便利なツールが発売されている。どう考えても、今すぐに話さなければならない内容とは思えないのに、ケータイホリックからの電話は、だらだら続くのが一般的だ。そんな時に、簡単にケータイを切る理由をその場でタイムリーに作ってくれるのが「アリバイ交差点」のもうひとつの使い方だ。


ケータイ本体にくっつけて携帯できる。着信後の会話拒否には有効な道具だ
 「アリバイ交差点」には6種類の「環境擬音」がデジタル録音されており、任意のボタンを押すことで、その効果音をケータイの電話口で再生してくれる。音は電車・ベル・パチンコ・電話・インターフォン・雨の6種類だ。最も動的でリアリティのある擬音はパチンコなのだが、残念ながらパチンコをしない筆者には全く利用価値がない。使えるのはベルやインターフォンで、自宅に居るふりをして来客のインターフォンを理由にしたり、あるいはオフィスに居るふりをして外線からの電話を理由にして携帯会話を中断できそうだ。もっとも、「アリバイ交差点」は本来電話をかける側が、自分の実際いる場所を他の場所に居るかのごとく偽って、電話の話し相手に錯覚させるためのツールなのだ。

 ハイテクを駆使した積極的なアリバイの「情景設定ツール」として活用するなら、単にどこか特定できない曖昧な「電車」の音ではなく、「蒲田行進曲」の調べの聞こえる蒲田駅だとか、ANAの実在の便の搭乗アナウンス等の「迫真のリアリティ」が必要不可欠だ。「アリバイ」には、誰でも理解できる時間と場所の明快な特定が不可欠だ。近く、比較的安価なボイスレコーダーを購入して自分専用の「アリバイ交差点・プロ」を作ってみようと思っている。「アリバイ交差点」は本来の目的とは食い違うが、着信した電話を、相手によっては強制的に素早く切る正当な理由をその場で作り出すには良いツールだろう。

品名 購入価格 購入場所
アリバイ交差点 1,580円 大阪 日本橋電気街 「伊豆美」



(ゼロ・ハリ)
2003/01/08 11:17

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