ケータイWatch　本日の一品

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ラスト・クリスマスを３回聴く間に完成
「マジック・クリスマス・ツリー」

オール・イン・ワンの便利なクリスマス・ツリーのキット

「謎の液体」をうまく流し込み、準備は終了。あとは待つだけ

　毎年12月の声を聞くと、米国の街のあちこちでは樅の木が売り出される。郊外のショップでは、ノコギリだけを貸してくれて、自分で気に入った木を切るようなお店まで出現する。心優しい人間なら、生き物である木を切ることに罪悪感を感じる人も少なくないかもしれない。しかし、一度でも樅の木の良い香りを嗅いだことがある人は、クリスマス・ツリーにはやはり本物の切りたての樅の木にこだわることが多いようだ。日本でも最近は、郊外のDIYショップなどで本物の樅の木を売っているところが目につくようになった。

　今日ご紹介するのは、そんな大きなスペースもお金もないけれど、自分1人で、あるいは彼や彼女と2人きりで、こじんまりとデスクトップやこたつトップでクリスマスを祝いたい人にぴったりの「インスタント・クリスマス・ソリューション・キット」だ。2メートルもある海外のツリーと違い、全高は約15センチ、小さな机やちゃぶ台にも飾れるコンパクトサイズ。おまけに、自分で種を蒔いて、木を育てる感覚で、なかなかクリエイティブでもある。

　透明アクリル性のパッケージを開くと、樅の木ではなく少し折り畳まれた「紙の木」と「キラキラ光るグリッター」、「頂点の星飾り」、「ネックレスのようなビーズ飾り」、「グリーン色のプラスチック製シャーレ」そしてビニール袋に入った透明の「謎の液体」が出てくる。まず、最初にすることは、本物のクリスマスツリーと同じく、少しハードな紙でできたツリーの枝を形良く3方向に開くことだ。形良く整ったら、シャーレの中央に立てる。本物のツリーと違うのは、ここでビーズの飾りをまだまだ裸の枝にセンス良く絡ませることだ。そして前準備の最後に、「謎の液体」を指先や目につかないようにして全量をシャーレに流し込む。どんなに早く作っても、ここまでで、ワムのラストクリスマスは3回くらいは聞けてしまう。

　秘密の液体が紙の樅の木の根本から幹を伝って枝の先まで届くにはそれほど長い時間を必要としないだろう。2～3時間じっと待つと、なぜかほんの少し、枝の先や付け根に少し緑色っぽい樅の木の葉が見えてくる。それからさらに数時間待つ間に、いままでやせっぽちだった長さ15cmの人工の樅の木は立派なクリスマスツリーに育ってしまう。最後に、カラフルなグリッターを振りかけ、頂点にゴールドの星飾りを付ければ出来上がりだ。

　醒めた目で見れば、化学薬品の反応で出来上がるクリスマス・ツリーなのだが、本物の樅の木のように寿命もある。2週間もしないうちに、あんなに生い茂った枝は枯れ落ちてしまう。そのため、クリスマス・イブの半月以上前などに作り上げてしまうと、イブ当日は痩せた枝だけのツリーを拝むことになるので、作業時期には注意が必要だ。しかし、この短いライフタイムも考えようによっては、翌年のクリスマスまで、その感傷を引っ張ることがないので、翌年のクリスマスには、もらった人のことも、そのシチュエーションも、「ラストクリスマス」を聞いてもいっこうに思い出せない、なんていうドライアップ効果もあるのかもしれない。筆者向きではないが、これはこれで醒めた現代人にとっては必要な要素なのかもしれない。


2～3時間で枝のあちこちに怪しい現象が起こってくる	化学反応で出来上がったとは思えない立派なコンパクト・ツリーが完成

品名	購入価格	購入場所
マジック・クリスマス・ツリー	700円	大阪なんばCITY「グラマー」

（ゼロ・ハリ）
2002/12/25 11:01

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