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驚異のコンプレッション・テクノロジー「ミウラ折り」の路線図!
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綺麗な和紙の両面表紙だ。とても鉄道路線図だとは思えない
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1995年3月18日にひまわり5号と共に種子島宇宙センターより打ち上げられたスペース・フライヤーで、太陽発電衛星の研究のために「太陽電池アレイ」の展開・収納実験が行なわれた。この時に、宇宙科学研究所・三浦公亮氏(東京大学名誉教授・宇宙科学研究所名誉教授)が考案された「ミウラ折り」と呼ばれる折りたたみロジックが使われたのはとても有名な話だ。
太陽電池の巨大な平面のアレイを小さく畳んで打ち上げ、宇宙空間でそれを大きく展開するために、氏の考案されたミウラ折りは大きな効果をあげた。この折り方は、ふつうに縦と横に折るだけではなく、立体的に折り畳むことによって、畳んだ状態から左右に引っ張ることで一気に大きく開いたり、また逆に一気に畳んだ状態に戻すことができるという画期的な特徴を持つ。
筆者が最近購入した東京・横浜の鉄道路線図も、実はこのミウラ折りを採用しており、小さく折り畳んで携帯し、必要なときには両手で表面と背面に貼り付けられた両表紙を引っ張ることで、瞬時に大きな地図として便利に活用できる。
計画的な街である京都や奈良、海外ならニューヨークなどはもちろんのこと、大都市の多くでは基本的に、地下鉄や幹線道路は碁盤の目のように縦か横に走っていることが多い。首都圏の東京は、江戸時代以降、現在は皇居となっている江戸城を中心にして、円形に広がった街だ。皇居を道路が横切ったり、皇居の真下を地下鉄が走ることができず、どうしても皇居を避けて迂回した路線になるので、他の都市に比較して複雑な路線図になってしまう。また毎年のように拡張される鉄道路線も多く、長く都内に住む人でも細かく鉄道の路線の乗り換え案内が出来る人はさほど多くはないのが現実だ。
東京では鉄道路線図の販売部数がけっこう多いという。常に新しい人がやって来ることと、鉄道路線そのものが前述のような理由で複雑怪奇ということ、道路は渋滞が多く車では時間が不規則になる、オマケに不況で一般的な出張にはタクシー料金は経費で落とせないなど、理由がいろいろ複雑に重なっての結果だろう。いずれにせよ、ミウラ折りを採用した東京・横浜路線図は、普段は小さく畳んで、必要時には大きく活用できる画期的な圧縮ツールなのだ。そのうちにミウラ折り対応のビーチ日焼けマットやピクニックシート、カンニング・ペーパーなんてものも出てくるかもしれない。小さく畳んで大きく使う、ミウラ折りは全てが狭く小さい日本にはなくてはならないアイディアなのだ。
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両表紙を軽く引くだけで簡単に大きく地図が開く
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商品 |
価格 |
購入 |
ミウラ折り 東京・横浜路線図 |
500円 |
銀座 伊東屋 |
(ゼロ・ハリ)
2002/12/19 11:04
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