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まさに最強の電子辞書だッ! カシオ「エクスワード XD-R9000」
カシオ「エクスワード XD-R9000」。エクスワードのラインナップ中でも最も英語にシフトしたモデルだ
書くことで日銭を稼ぐ身にとって、辞書はまさに必需品。私自身も意識してマメに調べるようになるまでわからなかったが、よく目にしていながら、いざ意味を聞かれると「はて……」と考え込んでしまう単語が多いこと多いこと。会話ならちょっとした間違いも笑い話で終わる(終わらせる)が、書き言葉はそうはいかない。そんなわけで私のデスクにはいつも電子ブックプレーヤーが置いてあり、必要なときはすぐに引けるよう、常に臨戦態勢に入っている。
しかし、この電子ブックプレーヤー、カートリッジ入りの8cmCD-ROMを記憶媒体としているため、検索ごとにディスクアクセスが生じレスポンスが悪い、本体がぶ厚い、重い、電池の持ちが悪いなどなど、現在の電子辞書の主流となっているIC型よりもデメリットが多い。新しもの好きの私をして、電子ブックを使い続けた理由とはほかでもない、辞書のコンテンツなのである。
そのコンテンツとは、研究社の「リーダーズ英和辞典」だ。これは数ある英和辞書のなかでも、傑作中の傑作というべき逸品で、「より多くの単語に、より多くの訳語を」という割り切った制作方針の下、学習辞書の10万語レベルをはるかに凌駕する26万語を収録。すごいのは情報量だけじゃあない。その訳語の正確さ、バリエーションの豊富さ、文字通りAからZまで、気合の入りまくった1冊なのである。
さらに、人名や固有名詞、俗語などを16万語を補う別冊「リーダーズ・プラス」を加えれば、ハイエンドクラスの英語辞書はリーダーズの一人勝ちといってもいい。英語を読む機会が多く、大学も英語専攻であった筆者はいつの間に「リーダーズ英和辞典」しか受け付けない体になってしまっていた。
しかし、その情報量の多さはデジタル化には諸刃の剣だった。内蔵メモリにコンテンツを書き込むタイプのIC型電子辞書のジャンルにおいて、リーダーズとその補遺版リーダーズ・プラスを完全収録した辞書はセイコーインスツルメンツ製のものくらいしかなかった。
この状況に風穴を開けたのがカシオ製のXD-R9000である。英語に関して言えば、まさに最強の電子辞書だ。リーダーズおよびリーダーズ・プラスの内蔵だけではもはや最強とは呼べない、と考えたのであろうか、学習辞書の定番、文法や単語の基礎知識に詳しい英和・和英辞書「ジーニアス」まで搭載してきたのである。これには驚いた。リーダーズは単語の基礎知識を前提とした上級者向けの辞書だ。これだけではユーザー層を絞り込んでしまう。やろうと思えば、百科事典や家庭医学事典の収録も可能だっただろうが、敢えてそこに学習辞書も収録してみせた英語への執念に頭が下がる思いだ。
さらに、これまた定番のロングマン現代アメリカ英語辞典、ロジェシソーラス(分類語彙表)、ひとつの表現から同意の単語、熟語、成句を参照できるアクティベータ、類語辞典まで収録しており、英語を読むためのあらゆる辞書を収録しているほか、広辞苑、逆引き広辞苑、漢字源と日本語系も基本を押さえている。
リーダーズでは熟語検索の際に、動詞を過去分詞形で入力しても検索に引っかかるのに、ジーニアスではダメとか、シソーラス検索時にヒット項目が1個なのにリスト表示されるとか、「?」を使ったワイルドカード検索時に文頭をワイルドカード指定できないなど、細かく使い始めると疑問を感じる部分ももちろんある。しかし、これは些細なこと。これほどのボリュームの辞書が厚さ12.7mm、わずか215gに詰まっていると思うと許せてしまうから不思議だ。
この1冊で日本語に英語に、困ることはない。書籍版をセットで買うより遙かに軽いし値段もお得だ。ジーニアスがあるから中高生でも大丈夫。大学卒業、いや社会人になったって十分使える。あなたの座右にも、この至高の1台、いかがだろうか。
今まで使っていた電子ブックと比較。隔世の感がある。電子ブックの表面に張られたリンゴマークはご愛敬
キー配列はJIS方式。シフトキーもあるが、PCのように押しながらほかのキーを入力するのではなく、シフトの後に該当キーを入力するタイプ。このあたりは好みが分かれそう
品名
購入価格
購入場所
エクスワード XD-R9000
34,800円
ヨドバシ.com
・ 製品情報
http://www.casio.co.jp/d-stationery/exword/product/xd_r9000/
(伊藤 大地)
2002/12/11 11:08
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ケータイWatch編集部
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