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時計の裏にも時計が。ジャガールクルト「レベルソ デュオ」
レベルソデュオ全体像。一見、角型ケースのシンプルな3針時計である。ベルトは非純正で、筆者の腕に合わせたオストリッチ製革ベルトだ
機械式腕時計の愛好者に人気のある時計メーカーにはいろいろあるが、その中でも時計の機械にこだわりを持つファンから支持を得ているのが、ジャガールクルトだ。支持を得ている理由としては、時計や機械の品質が高いこともさることながら、ジャガールクルトが現存少ない「マニファクチュール」だということが挙げられる。時計メーカーでの「マニファクチュール」とは、自社で部品の製造から調整、仕上げまでを行なうメーカーを示す言葉だ。
現在ヨーロッパの時計業界では、分業制が確立されており、ケースだけ作っている会社、機械だけ大量生産している会社などが存在しており、現在機械式時計メーカのほとんどは それらの会社から部品として購入し、組み立て、調整を行なっている。異なるメーカーの時計でも、同じ型番の機械が入っているのは当たり前のことなのだ。当然ながら、分業制で作られた時計は製造コストも下げられ、結果的にユーザにとってありがたい存在であるものの、既成部品を利用するためにオリジナリティに欠ける場合も少なくない。
もちろん、既成の機械を改良したり、部品を追加することでオリジナリティを出している時計も少なくないが、マニファクチュールの場合、部品から製造するため、オリジナリティの高い柔軟な設計ができるという利点がある。機械式時計の愛好者にはオリジナル性やメーカーの歴史にこだわりを持つ傾向がある。そのため、マニファクチュールである時計メーカーにはファンが多いのだ。
ジャガールクルトは、スイス時計産業の中心部といってもいいジュウ渓谷のル・サンティエにある。ジュウ渓谷では最も規模が大きい時計メーカーだ。現在、ジャガールクルトの腕時計には、大きく2つのシリーズが存在する。1つは丸いケースのマスターコントロールシリーズ、もう1つがレベルソシリーズである。
レベルソデュオの表文字盤。細工されたシルバーの文字盤には、JAEGER-LECOULTREとREVERSOの文字が確認できる
この画像のように、レベルソは時計本体を裏返すことができるようになっている。本体部分が大きく動くことになるが、精度の高い加工により時計本体と台座の部分はガタツキなどは皆無である
レベルソシリーズの大きな特徴は、時計が表裏に反転する機構を持っていることだ。ポロ競技中に時計のガラス面を保護するために、反転できる機構を持たせたのが始まりだ。今回紹介する「レベルソ デュオ」は、反転する機構を利用して、時計の表裏それぞれに時計を配置した手巻き時計だ。2面に時計は配置されてはいるが、ゼンマイも1つ、脱進機も1つであり、基本的には1台の機械で2つの時刻を刻んでいると表現したほうが正しいかもしれない。
表はスモールセコンド針を用いたシンプルな3針時計だ。シルバーの文字盤は中心部分に細かな細工が施され、針はブルースチールを用いたものだ。裏の時計は、表とは趣が異なりダークグレーの文字盤に、夜光塗料が盛られた針で構成されている。表同様に細工された文字盤の下部にあるのは、24時間計で24時間で1周するため、時計が示している時刻が昼夜のどちらであるかわかるようになっている。
時計が表裏にあることによって、1つの時計で異なる場所の時刻がわかる。例えば、表は日本の時刻、裏はニューヨークの時刻を表示させることができるわけだ。時刻合わせはいたって簡単で、一般の時計と同様にリューズを引き出し表の時刻を合わせたら、リューズの横のボタンを押すことで、1時間ずつ裏の時針を進めていけばいい。1台の腕時計で、複数の時刻を知ることができる時計は数々存在するが、両面に時計を配したのは、このレベルソデュオくらいなものである。
この1台で2つの文字盤を実現した機械キャリバー854は、部品数180でありながら厚さは3.8mmしかない。レベルソシリーズの基本的な機械の部品数は約100から130程度なので、1.5倍程度の部品が使われていることになる。時計を分解しないと見ることはできないが、これらの部品は綺麗に磨かれ、組み込まれている。
筆者は2つの時刻を知る必要性がある職業ではないが、このレベルソデュオが大好きである。もちろん、高品質で、マニファクチュールの代表格であるジャガールクルトの腕時計であるということが大きな理由にはなっているが、気分に合わせて自由に表にしたり、裏にしたりできるところが良い。朝出かけるときは表の端正なシルバーの文字盤の気分であっても、夕方仕事を終えてリラックスするときには裏返してダークグレーの文字盤にして気分を変えたりすることが楽しいのだ。腕につけてる時計の文字盤が変化しても、誰も気づかないことではあるが、不思議に楽しい気分にさせてくれる魅力を持っている。
レベルソデュオは現在でも発売されているが、現モデルでは表の文字盤にデイ&ナイト表示が追加されている。
裏面はダークグレーの文字盤で、12/3/9の数字と針には夜光塗料が盛られている。ダークグレーの文字盤にも、細かな細工が施されている
台座の部分もしっかり磨かれている。台座にも高級時計特有のペルラージュ仕上げがなされている。このような仕上げは、装飾的な意味と同時に耐久性も高めることができると言われている
品名
国内正規代理店価格(1996年当時)
レベルソ デュオ
(ステンレスケース、革ベルト)
65万円
・ Jaeger-LeCoultre(レベルソデュオのメーカー、英文)
http://www.jaeger-lecoultre.com/JLC/english.html
(うずまき天符)
2002/11/20 11:07
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