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デカ厚パネライのコンテンポラリーライン「ラジオミール」
パネライにしては小柄な40mmのクッションケース。大きめの竜頭もアクセントになっている
最近、注目されている機械式時計ブランドの1つが「パネライ」である。ヨーロッパからブームになっているデカ厚時計の代名詞といってもいいブランドだ。1930年代にイタリアの時計店だったパネライは、1938年にイタリア軍から軍事用時計のオーダーを受ける。その後、パネライは軍用時計を作成するメーカとして活動し、イタリア軍事機密として1992年までほとんど一般には知られない時計ブランドだったのである。1993年になり一般向けモデルを発売され、徐々に時計マニアから注目を集めることになる。パネライが広く注目されるようになったのは、1998年カルチェを持つリシュモン(当時ヴァンドーム)グループの傘下になったためである。軍事時計としての側面しかもたなかったパネライが、リシュモングループ傘下になりファッションブランドとしても注目されはじめたのだ。
現在のパネライが発売する時計には、軍事用として作られていた時計を忠実に復刻したヒストリックライン、軍事用として歴史を重ねてきたパネライの理念を生かしつつ最近の時計の要素を取り入れたコンテンポラリーライン、そのほかに限定版で発売されるスペシャルコレクションラインがある。
現在、日本でもパネライが静かなブームとなっており、その人気になっているのはヒストリックコレクションであるルミノール系の時計だ。最低でも直径が40mmあり、それらの多くは軍事用らしくシンプルなデザインになっている。軍事用時計というヘビーデューティの権化のような仕様を持ったルミノール系の時計は、大きささえ気にならなければ、普段使用する時計としても密閉性や視認性を十分過ぎるレベルでクリアしているといえる。単に大きく、厚く、丈夫な時計というだけでなく、リシュモングループ傘下らしくケースやベルト、機械の仕上げも高いレベルで仕上げられているという点も、今日のパネライブームを支える要因となっている。
筆者が今回紹介するのは、現代的なアレンジが施されているコンテンポラリーラインの代表的なモデル「ラジオミール」だ。シンプルなデザインのヒストリックラインとは異なり、コンテンポラリーラインには、GMTやクロノグラフ機能などを機能的に現代風にアレンジしてあるものや、ケース素材にゴールドやプラチナなどの貴金属を使ったものが含まれる。筆者が所有するのは「ラジオミール(PAM00103)」である。イタリア軍特殊部隊用であった時のラジオミールの名前を受け継いでいるがデザインは異なっており、リシュモン傘下となったときに新たに軍用時計当時のイメージを踏襲して作られたものだ。
現ラジオミールはクッション型のケースにワイヤーループといった、パネライの中では比較的上品なデザインになっている。ケースの直径は約40mm、素材は18Kのピンクゴールドである。ラジオミールには、ピンクゴールドのほかにもホワイトゴールド、プラチナ、ステンレスを用いたものがある。ケース裏はグラスバックになっており、機械の動きを楽しむことができる。機械は自動巻きで、ゼニス社「エリート680」がベースになっている「OP VII」だ。機械の細部は綺麗に磨かれており、クロノメータ検査協会の認定を受けていることからも、単なるデカ厚だけの時計ではないことがわかっていただけるだろう。クロノメータ検査協会の認定とは機械の正確さを審査するもので、いろいろな姿勢のときに正確に時を刻まなければ認定を受けることはできない。
シンプルなダイヤル。上下左右の4カ所に数字、それ以外はバーインデックスとなっている。インデックスにはルミノバが塗られており、暗いところでもはっきり時刻を読み取れる。9時の位置に秒針、4時の位置に日付が配置される
グラスバックからは、綺麗に磨かれた機械「OP VII」を覗くことができる。自動巻きのロータに「PANERAI」と刻まれている
このラジオミールは、パネライの中ではゴツくないデザインではあるものの、他のブランドの時計に比べるとやはり大きく厚い時計であり、密閉性や視認性は比較にならないほど高められている。ただ、ルミノール系のモデルは、軍事時計としての硬派な部分が前面に出ているか、このラジオミールにはエレガントさや可愛さが備わっていると同時に時計としての色気を感じてしまうのは筆者だけだろうか。
磨かれ手間をかけられた正確な機械、高い密閉性や視認性を実現、エレガントかつ存在を主張する40mmのクッション型ケース。どれもラジオミールの大きな魅力になっている。この中でもデザインは絶妙で、所有する40mmクラスの時計の中では、筆者の細い腕に最もしっくりくる。シンプルな文字盤、針は、視認性が極めて高い。蛍光材のルミノバが塗られたインデックスや針は明るく光り、暗い場所でも時刻を容易に知ることができる。
ファッション性が高く、注目されている時計は数々あるが、数十万円する時計でも外見だけで評価されているものが少なくない。筆者は歴史のある時計ブランド、機械のデキが良い時計、面白い機構の時計が好きで、あまりファッション性の強いブランドには惹かれない傾向がある。しかし、パネライは軍事時計が起源になっているという実用性を持ち、外見だけでなくしっかりした機械が入っているという点で、筆者はパネライというブランドを認めている。非常に個性の強い時計であるが、一度手にとってみれば、単なるデカくて厚いだけの時計ではないことが理解していただけるはずである。
ラジオミールの特徴の一つ「ワイヤーループ」。ベルトを交換するときには、ワイヤーループごとケースから外して行う。筆者は腕が細いために、革ベルトは特注品でオリジナルのものではない。リシュモングループ傘下ということもあってか、多彩な素材や色の革ベルトがオプションとして用意されている。黒や茶だけでなく、青や緑、赤、ピンクといったものも存在する
18KPGの尾錠にもPANERAIの文字が刻まれている
品名
製造元
国内正規代理店価格
ラジオミール(PAM00103)
パネライ
107万円
・ Paneraiオフィシャルサイト(英文)
http://www.panerai.com/
(うずまき天符)
2002/09/27 16:43
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ケータイWatch編集部
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