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シール剥がしは気迫とテクノロジー 「シールはがし」

一見してドイツ的説得力のない、ちょっと心配なパッケージ
 日常使い慣れている車や楽器、モバイルPCなどに、なにか少し変化が欲しいというか、見飽きてくる時期が誰にでもあるだろう。そんな時に魅力的に思えるアイテムに、ステッカーやシールがある。最近は東急ハンズや小さな文具店にでも流行のシールがバリエーション豊富に展示されており、一見して、これを貼り付けると今まで見飽きた自分のグッズが見違えるように変身できるのではと、勝手に錯覚することがある。

 学習効果があるはずの人間の脳みそだが、その辺は人皆個人差があるようで、筆者は、過去の大きな過ちにも関わらず、相変わらず同じ間違いを起こす質であるようだ。かなり昔になるが、ステッカーさえなければ相当の価値のある楽器に、余分なモノを貼り付けたためにオークションで足元を見られたり、アタッシュケースに完璧に張り付いたステッカーを剥がそうとして、本体を細かな傷だらけにしてしまったりした。どうもステッカーを貼る人種には2種類あるようで、他人がなんと言おうと、それで満足して意義のある人種と、貼った翌日から後悔の始まる人種に大別できると思われる。この後者にあたる方のために今回は少しは役に立つかもしれない。

 デコレーション効果を強くアピールできる最近のステッカーには、素材は極端に薄く、あたかもペインティングしたかのように見える優秀なビニールモノも多い。たいていの場合、これらの最大の問題点は、あまりにも綺麗に本体に粘着するので、いったんくっつくと、近い将来、気が変わって剥がしたくなった際の苦労が並大抵ではないことだ。

 筆者の最近の失敗は、毎日愛用しているテカテカ・ピカピカのThinkPad s30の日常に、ふと、何か変化が欲しいと思い立ったことだった。スムースなビニール製のなかなかかっこいいステッカーをゲットして、滅多に出来ないほど上手く、気泡もなく、鏡面仕上げのThinkPad s30上蓋に貼り付けることに成功した。それでしばらくは良かったのだけれど、飽き性がトレードマークの筆者は、すぐに、無性にそのステッカーを剥がしたくなってきた。前述のような過去の悪い思い出が辛うじてそれを止めていたのだ。


 しかし、ある日、一大決心をして、東急ハンズのDO ITコーナーで数多くの「剥離剤」の中からその名もズバリ「シールはがし」というスプレータイプを購入した。多分、ごく普通の紙のシールや値札、バンパーステッカーの類なら、比較的簡単だったかもしれないが、筆者の貼ったビニールシールは本当に大変だった。

 基本的に剥離剤の多くは、ステッカーに使用されている粘着糊を溶かすことでスムースに剥離するのだが、表面が完全にビニールでコーティングされているステッカーには、スプレーする溶剤が表面からでは全く染み込まない。実際の操作では、ほんの少しシールの端っこを添付のヘラで少しだけめくり上げ、そこに集中的にスプレーを吹きつけ、根気よくその作業を繰り返す以外に解決策はないようだった。しかし、独ヘンケル社の「シールはがし」のお陰で、体力と、覚悟と、約半時間の緊張は必要だったが、なんとかThinkPad本体の鏡面仕様を傷つけることなく、無事「憎きステッカー」を剥がし終えた。「ざまあみろ! ドイツ万歳!」、思わずそんな感覚がピッタリの爽快感だ!

 シール剥がしにショートカットなし! 一に気迫、ニに覚悟、三四がなくて最後にテクノロジーなのだ!


スプレーでビチョビチョになるが、なかなか綺麗には剥げない(材質に影響を与える危険があるので何にでもスプレーしないこと) 約30分後、完璧な表面を回復。スプレーとヘラの効果は絶大だ!

品名 発売元 購入場所
シールはがし ヘンケルジャパン株式会社 600円



(ゼロ・ハリ)
2002/07/11 11:36

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