ケータイ Watch
連載バックナンバー
東京の下町、谷中のブロードバンド旅館「ANNEX勝太郎」
[2003/11/27]

快適な工夫を凝らした下町のブロードバンドホテル「ホテル吉晁」
[2003/10/16]

沖縄「ラグナガーデンホテル」に泊って家具を探す!?
[2003/06/06]

ホテルのような大学の裏の、大学のような「山の上ホテル」
[2003/03/14]

890万個の煉瓦で作り上げられた伝統あるホテル
「東京ステーションホテル」
[2003/01/24]


2002年

2001年

2000年

モバイルセントラル
モバイルセントラル一覧へ
モバイル一宿一飯タイトルGIF
巨大「ヨドバシ」近隣のBBホテル「ハートンホテル西梅田」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


梅田から徒歩数分、471室のブロードバンド対応快適ホテルだ
 「BBホテル」が「ベッド・アンド・ブレックファースト」だった時代もあったが、ここしばらくはブロードバンド・ホテルがトレンドだ。大阪北のJRガード下に札幌みたいに大型パソコンショップが出現し、南の「プランタン」がビックカメラに変貌、そして遂には梅田のド真ん中に首都東京にもないような巨大な「ヨドバシカメラ」が出現するなど、このところ大阪は従来からあったミナミに集中していた感のあるAV家電・パソコンショップの重心移動が急激だ。

 幼少の頃から阿倍野や帝塚山辺りから親父に連れられてバスで日本橋近辺に向かい、テレビや冷蔵庫を頻繁に物色していた筆者からすると、現代の大阪ミナミの凋落ぶりは阪神タイガースの非ではない。都市が独立し、その周辺だけで成り立っていた昔に比較して、首都圏や地方とのゲートウェイを中心とする時代に移り、人の多さがそのまま市場の拡大に繋がる時代となり、大阪の梅田(JRでいうなら大阪駅周辺)はミナミの代表の灘波や天王寺を大きく引き話す結果となってしまった。


リーズナブルな価格のブロードバンド・ホテル

 そんなゲートウェイエリアである梅田近辺はいつもホットな話題が多い。筆者が今回1泊だけ宿泊したビジネスホテル「ハートンホテル西梅田」もリーズナブルな価格でありながら、ベストに近い立地を確保しているブロードバンド対応ホテルだ。近くにはヒルトンホテルや高級なリッツカールトン、少し歩けばウエスティン大阪ホテルなどがごく狭いエリアに集中している地域なのだ。ハートンホテル西梅田の並びには、以前本連載でもご紹介したお洒落な「ホテルモントレー大阪」もある。

 大阪駅の最も西側の桜橋口でJRを出れば、ほんの数分でホテルの玄関口まで辿り着く。ホテルはちょうど、大阪中央郵便局の西側に位置しており、ホテルの玄関は表通りではなく、北向きの環状線側になる。フロントは広く明るく快適だ。


一見して会社やマンションの入り口のようなエントランス ロビーはビジネスホテルとしては広く圧迫感は全くない

 この日はあいにく曇天で小雨交じりのパッとしない天候だったが、表が透けて見えるエレベーターに乗ると、少し先には、空中庭園や奇想天外なエスカレーターがあり、目立つことが大好きな大阪らしい「梅田スカイビル」と、大阪にしては地味な「ウエスティン大阪」ホテルの2つの高層ビルが見える。本日宿泊する客室はごく一般的なサイズのシングルルームだが、ハートンホテルチェーンはLAN設備の導入に熱心で、「ハートンホテル西梅田」は全室、デスク前の壁面にイーサネットポートが用意されている。

 社員が複数で同宿するケースも多いようで、エレベーターホールはビジネスホテルにしては広く、待ち合わせのための椅子も複数用意されている。ビジネスホテルのシングルルームなので、さすがにお世辞にも広いとは言えないが、大阪最大のターミナルから徒歩数分で、8千円前後の宿泊料金なら悪くはないコストパフォーマンスと言えるだろう。おまけに大手の都市ホテルならまず2000円近くは別途徴収されるブロードバンド・インターネットが24時間無料で提供されている。以前、このコラムでもご紹介した「ハートンホテル京都」と同じだが、どうもハートンホテルチェーンは、客室の椅子が机とベッドの間に挟まれて、身動きが窮屈なことだけが問題のようだ。


透明なエレベーターからは梅田スカイビルやウエスティン大阪が見える エレベーターホールにはビジネスホテルでは珍しく椅子がある

LAN接続は超簡単、無料!!

客室は広くはないが、必要なモノは手の届く範囲にあって便利!?
 LAN環境への接続は極めて簡単。自宅や会社のLANでNATの設定を済ませていれば、カテゴリー5のネットワークケーブルでモバイルPCのイーサネットポートと壁面のLANポートを接続するだけでインターネットやメールを利用できる。

 基本的にはLANに接続するときには、自分のモバイルPCの「共有設定」は外すか、最低でもパスワード設定をしておこう。でないと、他の部屋であなたと同じようにネットワーク接続している見ず知らずの宿泊者からもあなたのパソコンは丸見えになってしまう。この日も、深夜まで約10人くらいの人がネットワークに接続していたが、2人の人が共有設定オンでパスワードも何もかけていなかった。ネットワークはとても便利だが機密管理には注意したい。

 最近は、メインのモバイルPCをThinkPad s30のワイヤレスモデルに切り替え、自宅でも会社でもワイヤレスLAN環境で使用している。そんな訳で有線のイーサネットを使用する機会は圧倒的に減ってしまった。しかし国内外の出張で宿泊するホテルでは、ブロードバンド対応とは言え、まだその多くが有線LANなので、USBポートに簡単に接続できるメルコのウイングジャック対応USBイーサネットアダプタを携帯して行くことが多い。サイズが小さくかさばらず、超便利な小道具だ。しかし、コンパクトなUSBイーサネットアダプタに「ごついカテゴリー5のケーブル」は似合わないので、最近は一緒にハーモネットの「モバイルLANケーブル」を携帯している。細く軽くて、柔らかいので、リアルモバイルユーザーには最適のイーサネットケーブルだ。


机とベッドの間が狭く感じるのは、椅子がほんの少し豪華だからか? 無料で利用できるイーサネットポートが全ての客室の壁面にある

たまにしか使用しない有線LANではUSB LANアダプタが便利 快適なスピードで、イントラネットでの仕事もメールも快調だ

客室には440チャンネルの有線放送も

 ブロードバンドの有り難みを感じながらしばらく仕事をし終えた時に、どうも背後に視線を感じたような気になったので、チェックイン時から閉じたままだったベッドの横にある窓のブラインドを開けて驚いた。直線距離にして数メートル先に、女性のインストラクターが何かを生徒達に教えている教室風景が眼前にあった。翌朝、ホテルの周囲を散歩していて理由が判明したが、その教室はハートンホテル西梅田の南側にほとんどくっつくように建てられたコンピュータ学院「HAL」の校舎ビルだったのだ。ホテルに宿泊すると、まずはカーテンを大きく開けて、遠くの景色を眺めながらリラックスしたい人は、ホテル側が希望を聞いてくれるかどうかは別にして、北向きの部屋をリクエストするのも一案だ。もっとも、「ビジネスホテルはただただ寝るだけ」の人には全く関係のない話だろう。

 しかし「HAL」がこんな立派なビルになったことは今まで知らなかった。15年近く昔、関西で活躍するネットワーカーでもあり、プロのギタリストでもある某氏と一緒に当時はまだ日本ではほとんど知られていなかった国際パソコン通信関連の講演に行ったことがあったのを思い出した。


背後の視線を感じ、ブラインドを空けてびっくり! これでは南向きの客室はブラインドを開けられないわけだ(左がHAL、右がハートンホテル西梅田)

 ハートンホテル西梅田は、ブロードバンド以外にもユニークなサービスがある。客室には大阪が発祥の地でもある「有線放送」が引かれており、400チャンネルを超える番組を自由に部屋の中で選んで24時間楽しめる。スピーカーはステレオタイプのモノが天井近くに邪魔にならないようにレイアウトされておりインターネット経由で仕事をしている間も快適なBGMとなってくれる。


宿泊客が自由にセレクション出来る440チャンネルの有線放送 壁面埋め込みのステレオスピーカーでなかなか快適な有線放送

朝は元気の良いおじさんの声で景気付け!

 ビジネスホテルの朝は、都市ホテルのそれとはちょっと違ったブレックファーストが楽しみだ。高級なはずの都市ホテルの朝食が、いずれもが比較的似た内容で余り記憶に残らないのに対して、ビジネスホテルの朝食は、従業員のユニークな「やる気」が強烈なイメージになって記憶に残ることが多い。ハートンホテル西梅田一階にある「ガーデンカフェ」は、豪華ではないが明るく清潔で、どんな時でも気持ちよく食事ができるレストランだ。関西生まれ、関西育ちだが、既に横浜に15年近く住み、東西の違いは概ね理解しているつもりの筆者だが、高級料理以外の食事に関しては、関東よりも圧倒的に関西の方が安くて旨いのは確実だ。


毎朝満員御礼の一階のガーデンカフェ 目玉焼きがこころもちハードだが、味は家庭的でグッドかも…

 「ガーデンカフェ」では、味と料金とは別の意味でも、関西に居ることを強く意識させられた。ガーデンカフェの入り口付近で、混雑する朝食時に、着席待ちの客を手際よく席まで案内してくれるホテルのおじさんの元気さは超爽快で、なぜか「大阪出張の時にはまた泊まりたい」という衝動に駆られてしまう不思議なパワーを持っている。読者諸兄も大阪出張時には、ハートンホテル西梅田の北側客室に泊まり、朝食は元気の良いおじさんの朝の挨拶に迎えられ、ガーデンカフェでたらふく喰い、おじさんの元気の良い見送りの言葉に励まされてビジネスのバトルフィールドに向かえば、勝利は固いだろう。


・ ハートンホテル西梅田
  http://www.hearton.co.jp/
・ USB LANアダプタ製品情報(メルコ)
  http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/l/lua-ktx/index.html

1秒で変身「クロス変換アダプター3」
第17回:高速インターネット対応ホテル「ハートンホテル京都」


(ゼロ・ハリ)
2001/12/13 15:07

ケータイ Watchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2001 Impress Corporation  All rights reserved.