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第17回:高速インターネット対応ホテル「ハートンホテル京都」
ゼロ・ハリ ゼロ・ハリ
「日本のモバイルキング」、「中年ガジェットキング」など数々の異名を持つ。数多くのパソコン雑誌に執筆。購入した携帯グッズはそろそろトン単位に突入か?


 京都は古都であると同時に、世界的に有名なコンベンション都市でもあり、伝統ある高級ホテルも多い。また修学旅行の名所でもあり、年間を通じて世界中から多くの人々が集まって来るユニークな街だ。しかし、個人差もあるが、ビジネスマンの国内出張で訪れる街と限って考えれば、東京・大阪などと比較して、一般的にはそれほど訪問の機会の多い街とは思えない。筆者はもともと大阪生まれ、大阪育ちのため、学生時代には毎月のように京都の街に遊びに行ったが、京都の街に宿泊するのは、数年以上前に参加したある大企業のコンベンション以来になる。


インターネット対応に積極的なハートンホテルチェーン

ハートンホテル京都の入口には、無料インターネット接続開始の看板が大きく掲示されている
 今回の出張の宿に選んだのは、大阪を中心に関西を基盤とするハートンホテルチェーンのひとつ。ハートンホテルチェーンは、都市型の大型ホテル「ハートンホテル大阪」を大阪駅前の中央郵便局の西側に、またミナミの心斎橋にも「ハートンホテル心斎橋」を持つ。いずれも全客室に高速インターネット回線(イーサネット)が用意されている。今回、筆者の宿泊した「ハートンホテル京都」でも、すでに全客室にイーサネットポートが用意され、ホテルのエントランス脇の看板には「全室無料高速インターネット対応」が大きく掲げられていた。

 ハートンホテル京都は、新幹線京都駅から地下鉄東山線で3つ目の駅である「烏丸御池」(からすまおいけ)という駅で下車、東洞院通(ひがしのといんとおり)を左側に入ってすぐの左側にある。

 一見難しくとっつきにくい京都の住所表示だが、京都は本来碁盤の目のように規則正しく整備された街だ。ニューヨークと同じように、正しくXY軸と平行に整備された道の交差点を起点にするので、慣れればまず間違わずに認識が可能なのだ。皇居を迂回するように地下鉄や道路が勝手気ままに走り回る東京とは、比較にならないわかりやすさだ。前述の「烏丸御池」というのも、南北の「烏丸」通りと東西の「御池」通りの交差点にある駅を意味する。実際にはとても理解しやすいのだ。


ハートンホテルは、スポーツ館ミツハシの手前の道を左折する ほとんどの通りに名称が告知されているので目標は見つけやすい

道路脇には、より詳細な通りごとの交差点の表示柱が設置されている 新しくはないが、よく整備された感じの良いホテルだ

ハートンホテルから散策できる観光ポイント

 京都はそこそこ大きな街だが、いたるところに名所や旧跡があり、たった1泊程度のビジネストリップでも、市内ならホテルの周囲を散策するだけで十分観光になる。ホテルによっては、周囲の観光ポイントを記した自前のパンフレットをフロントに備えつけているところも少なくない。

 ハートンホテルから歩いて行ける距離には、織田信長が最後を迎えた「本能寺」がある。遠足や、校外学習などで何度か訪れているはずだが、今回初めて訪れたような新鮮な気がした。


少し歩けば有名な本能寺がある 周囲にビルや建物が近接しているため、本能寺境内は結構狭く撮影ポイントは少ない

 本能寺を出て、新京極の商店街を南へしばらく歩くと、これも全国的に有名な「錦市場」と呼ばれる京料理の素材のほとんどが揃う食材専門の道幅の狭いアーケードが東西に数百メートル続く。

 錦市場を東から西に200メートルほど歩き、「柳馬場通」を右折すると、「三条通」と交叉する。その角を左に曲がると、地元京都で有名な、創業60年になる「イノダコーヒ」店がある。巨大地方都市「東京」ではなぜか米国シアトルのコーヒーチェーン店が異常人気だが、筆者は米国で長時間トランジットの際の最後の暇潰し場所となるこれらのチェーン店に、わざわざ日本で入った事はない。京都の「イノダコーヒ」は、ロボットのように教育の行き届いた店員の多いこれらのチェーン店に比較して、本当の手作りコーヒーをゆっくりと味わえる数少ない貴重なコーヒー専門店だ。イノダコーヒは京都市内には何カ所かあるが、自分の注文したコーヒーが出てくるまでのプロセスが見える、三条支店の正面奥の大きな丸いカウンター席が超お薦めだ。


数百メートル続く錦市場は見ているだけでも楽しい イノダコーヒー。京都でコーヒーを飲むなら、この店の一番奥の円形カウンターに限る

全室イーサネットポート装備の客室

部屋は清潔で、ダブルルームはビジネスホテルとしては標準的な広さ
 ハートンホテル京都には、冒頭でご紹介した通り、全ての客室にイーサネットが引き込まれている。宿泊客はLAN接続設定の済んだモバイルノートとイーサネットケーブルを持参すれば、滞在している間ずっと高速のインターネットを利用できる。

 イーサネットポートを標準装備したモバイルノートパソコンのユーザーなら、ケーブルを忘れてもフロントでケーブルだけを500円で購入することもできる。オフィスや自宅でLAN環境に接続していてDHCP機能を有効してあるなら、特に設定も必要なくLANケーブルを繋いだ瞬間から快適なネットワーク環境がエンジョイできる。


デスクの前面にACコンセントとRJ-45ポートがある ケーブル接続だけで即、高速インターネットが可能だ

所要時間約1分のインターネット接続 ベッドと机の距離が近く、椅子へのアクセスがちょっと窮屈

LAN共有設定にご注意!

 LANに接続する前に、ひとつ気をつけたいことがある。自分のハードディスクに「共有設定」をしているなら、それだけは安全のために必ず外しておこう。これは自宅や会社のLAN環境でパソコンを使用している時に、仲間に自分のパソコンのハードディスクの内容を公開して、必要なファイルを勝手に取り出してもらったり、逆に自分の必要としているファイルを書き込んでもらったりするために、自分のハードディスクをネットワーク上に公開し、許されたユーザーが自由にアクセスできる便利な機能を提供するものだ。

 LAN共有設定は、例えば本体にフロッピードライブのないサブノートユーザーが、LAN接続された傍らのデスクトップパソコンのフロッピードライブを共有設定にして、あたかも自分のフロッピードライブのように使える、など便利な機能を提供してくれる。多くの場合、読み出しと書き込みのフルアクセスを行なうにはパスワードが必要なように設定するのだが、自宅で自分1人が使うようなパーソナル・ネットワーク環境なら、つい面倒でパスワードの設定をしない場合も多い。

 筆者が宿泊した日も、午後10時から翌日の午前2時くらいまで、筆者のパソコンのデスクトップ上の「ネットワークアイコン」をダブルクリックし、「ネットワーク全体」アイコンをダブルクリックして見ると、筆者を含め6人の宿泊客がネットワークを利用してしているのが見える。なんと、その内の4人が共有設定をしたままホテルのネットワークに接続しており、その4人の内の2人はパスワードもかけていなかった。もちろん、そのユーザーのアイコンをダブルクリックすれば、ご覧のようにハードディスクもフロッピードライブも、共有設定をしたドライブは全て同じネットワークに接続している他のユーザーから見えてしまう。ホテルなどのLAN環境に接続する時は注意しよう。悪意で重要なファイルを見ず知らずの他人に消されたり、企業の重要なファイルをコピーして盗られたりする可能性もある。出張先のホテルでLAN環境に接続し、ディスクの共有設定をしていることからして、まったくのパソコン初心者とも思えないので、あとは少しの注意が必要だ。


共有設定には気をつけよう。最低限パスワードは忘れずに設定する

 午前2時を過ぎ、そろそろ眠くなった筆者は、まだ元気で接続している、「FMV475」と名付けられたモバイルノートを共有設定でLAN環境に接続しているユーザーに注意するつもりで、共有設定されているフロッピーディスク・ドライブをダブルクリックした。間違いなく彼か彼女のモバイルノートは入ってもいないフロッピーディスクを読み取ろうとして、「ガリッ」と異音がしたはずだが、果たして気付いただろうか!?


朝食はホテル内「濱登久」の和朝食がお薦め

「濱登久」。中は意外に広く、外部からの光が入って快適な朝食タイム
 ハートンホテル京都に泊まったなら、朝ご飯は和朝食が最高だ。「濱登久」(はまとく)という京料理レストランがホテルの2階にあり、1300円(前日前売価格:当日は1380円)で、ほんの少し京都の雰囲気を味わえる。

 国内外を問わず、出張でホテルに泊まると、どうしても日本で言う「バイキング」形式のブッフェスタイルになってしまいがちだが、京都に来たなら、本格的ではないかもしれないが京料理を試してみよう。では、また次回まで。

 はぶふぁん!


ロビーから2階のレストランへ行く時に小さな中庭が見える これで1300円ならリーズナブル!

■URL
・ハートンホテルチェーン
http://www.hearton.co.jp/



(ゼロ・ハリ)
2001/03/09 00:00

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