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今秋投入のムービーケータイは撮影動画のメール添付が可能に
~「EZアワード」の受賞式でKDDI小野寺社長

デジタルハリウッド学校長の杉山知之氏
 6月17日、都内で産学協同でデジタル関連の人材を育成するデジタルハリウッドとKDDIの共催による、EZweb向けコンテンツの企画・制作コンテスト「EZアワード」の最優秀賞および優秀賞が発表された。会場では受賞式が行なわれるとともに、デジタルハリウッド学校長の杉山知之氏とKDDI代表取締役社長の小野寺正氏によるトークセッションも行なわれた。

 「EZアワード」は、デジタルハリウッドとKDDIが主催するEZweb向けコンテンツの公募型コンテスト。審査員はKDDIの小野寺社長やデジタルハリウッドの杉山氏、TVドラマの脚本家で知られる鎌田敏夫氏などが務め、EZweb向けのホームページ、ムービー(ezmovie)、アプリ(ezplus)、GPS(eznavigation)の4部門で今年の3月下旬~5月末にかけて作品が募集され、全435作品の応募があった。

 今回の授賞式では、授賞作品の中からさらに選ばれる最優秀賞1作品と優秀賞2作品が発表されたが、発表の前にデジタルハリウッドの杉山氏(聞き手)とKDDIの小野寺氏による、「これからのケータイコンテンツ~ケータイユーザの求めるコンテンツを目指して~」と題したトークセッションが行なわれた。


「携帯電話にリセットボタンを……」KDDI 小野寺氏

KDDI代表取締役社長の小野寺正氏
 小野寺氏はまず、auが全国で展開している次世代ケータイ(GPS/ムービーケータイ)について、ユーザー数は100万を超え、順調な出足を切っていること、主に新しいものに敏感な若い年齢層と「ココセコム」などのセキュリティサービスへの活用を中心に利用されていることを紹介。

 加えて、来年の秋には通信速度が最大2.4Mbpsに向上する「CDMA2000 1xEV-DO」方式のサービスを開始することや、将来的にはPDAなどで10Mbpsを目指すが、その際には、現在au端末に組み込んでいるチップセット(ARM-7マイクロプロセッサ)だけでは対応できなくなるため、もう1つ別のチップセットを搭載することになることを明らかにした。また、EZweb向けアプリケーションを作成するためのミドルウェアやツールとして、今後はBREWの導入を検討しており、「いかにコンテンツクリエーターらがリッチコンテンツを作りやすいツールを提供できるかが課題」だという。

 そのあと、小野寺氏と杉山氏の両者は、今のところ携帯電話には本体のリセットボタンというものが装備されていないが、ソフトやアプリケーション上のバグを完璧に無い状態にするには、それに伴なって開発コストも上がり、なかなか先に進まないため、ある程度のバグには目をつむらないとケータイのコンテンツ文化は先に進まない、といった論調のトークを進め、小野寺氏は「パソコンにおいてもバグが起こらないアプリはなく、ケータイもそれに習って本体にリセットボタンを搭載すべき」だとして、「現在NTTドコモの立川社長とも、携帯電話にリセットボタンを付けましょうと話しているところ」と語った。


今秋投入の端末で撮影したムービーをメール添付で送信可能に

 このほか小野寺氏は、携帯電話の一般サイトの文化が活発になるのを歓迎したいが、その課金方法が問題で、現在公式サイト以外でも課金できる仕組みを検討していること、今年の秋には撮ったムービーをメールに添付して送信できる端末を投入することなどを明らかにした。さらにそれ以降の展開について杉山氏から尋ねられると、「今までポケットの中に入っていたものや身に付けていたものの機能が携帯電話に入り、財布や定期券の役割を携帯電話が代行するようになる」とコメント。その一例として、現在カード会社などと認証キーを格納した次世代UIMカードでクレジット決済を可能にするトライアルについて準備を進めていることを紹介した。

 最後に同氏は、携帯電話はここ2~3年でハードとソフトの分離が進み、ユーザーは自分が利用したいアプリケーションを個々にダウンロードして取り入れ、ますますパソコン化していくことで、そうしたソフトやアプリケーションを制作するクリエーターたちは仕事の幅も広がるだろうと語り、「技術は先進しているKDDIだが、端末の普及についてはまだ(業界2位)なので、XMLに対応するWAP2.0を導入したことでコンテンツが作りやすくなっており、今後も質の高いコンテンツが現れることに期待している」と、授賞式に駆けつけたクリエーター達を激励して杉山氏とのトークセッションを終えた。


最優秀賞発表はezmovie作品「携帯の中」

 トークセッション終了後には、審査員のひとりである鎌田氏もゲストとして駆けつけ、授賞式が開始された。各入賞作品の中から選ばれた最優秀賞は、後援企業賞(カシオ計算機賞)を受賞した、かわいいオバケのキャラクターが登場するウエダさんのezmovie作品「携帯の中」。ウエダさんによると、作品は「携帯電話の中身をイメージしたもの」だという。優秀賞は、Surfveyさんのケータイ・アプリ部門賞を受賞したezplus作品で、スケートボードゲームの「SRAS EZ」と、naggy工房さんの審査員特別賞を受賞したezmovie作品「ピース」となっている。

 最優秀賞のウエダさんには、小野寺氏から表彰状が渡され、作品について「どこかのメーカーの端末に採用されるかもしれませんね」とのコメントを受けた。なお、各入賞作品は、対応機種(ムービー/GPSケータイ)からEZwebの公式メニュー「What’s New」→「おすすめサイト」→「EZアワード」にアクセスすることで閲覧でき、パソコン向けのEZアワードのホームページでも紹介されている。


授賞式には審査員を務めた脚本家の鎌田敏夫氏も駆けつけた
最優秀賞は、かわいいオバケのキャラクターが登場するウエダさんのezmovie作品「携帯の中」

最優秀賞のウエダさんにはKDDI小野寺社長から表彰状が手渡された

・ 「EZアワード」のホームページ
  http://ez-award.com/
・ KDDI
  http://www.kddi.com/
・ デジタルハリウッド
  http://www.dhw.co.jp/

EZwebコンテンツの公募コンテスト「EZ アワード」の受賞作が決定
KDDI、次世代UIMカードを使ったクレジット決済トライアル


(松下 麻利)
2002/06/17 21:54

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