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auの次世代サービスとは??KDDIの保戸田氏に聞く
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auが12月にスタートする次世代サービス。いくつもの新機能を搭載した端末が発売される予定だ。本誌では、KDDI au商品企画本部 モバイルインターネットビジネス部 サービス企画グループリーダーの保戸田英二氏に、新サービスの概要や今後の展望について伺った。
12月からは3つのラインナップ
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KDDI 保戸田英二氏
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【編集部】 12月に出てくる端末のラインナップについて教えてください。
【保戸田氏】 今回次世代サービスという観点でお話しすると、「C3001H」「C3002K」「C5001T」の3機種になります。3000シリーズについては「GPSケータイ」ということで、GPS機能を持たせたほか、ezplus(Javaサービス)のフェーズ2ということで機能強化を図ったところ、WAP 2.0をサポートしたところが主に新しくなったところで、我々が今後基本機能として携帯電話に搭載していこうと考えている機能を盛り込んだものがC3000シリーズという位置付けです。それのもう一つ上の高機能型のケータイとしてC5000シリーズ、という風に考えています。基本的にはC3000シリーズの機能の上に、「ezmovie」と呼んでいますが、動画再生機能を持たせたものがC5000シリーズということになります。それを我々は「ムービーケータイ」と呼んでいます。
【編集部】 先日発表された「C1001SA」と「C1002S」はどういう位置付けになるのでしょうか?
【保戸田氏】 C1000シリーズについては外向けのキャッチフレーズみたいなものは付けてはいませんが、今すでに販売している端末の延長線上にある端末ということになります。過渡期になって少々混乱してしまうかもしれませんが、12月以降は、このC1000シリーズ、C3000シリーズ、C5000シリーズの3つのラインナップが基本的な組み立てです。今後、次世代サービスを展開していく、というところでは、C3000シリーズを中心に売っていこうと考えています。
eznavigation
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C3001H
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【編集部】 なるほど。それでは個々の機能について詳しく教えてください。まずはGPS機能についてお願いします。
【保戸田氏】 精度的なお話をしますと、ニュースリリースには誤差数メートルという風に書いてありますが、青空が見えるところで実際にやってみると、よければ本当に1メートル以内というところもあります。環境やGPSの電波状況によって若干誤差が出てくるという感じです。
【編集部】 当然、そこまでの精度が実現できるとなると、いわゆる「歩行者ナビ」も可能になりますね。利用のされ方としては、どういうものを想定されているのでしょうか?
【保戸田氏】 そうですね。カーナビがケータイに載っているというような使い方ができると思います。そのほかにもezplusと連動したようなサービスの提供が可能だと考えています。今回、「シーマン」というコンテンツを立ち上げるのですが、コミュニケーションをしながら、位置情報と連動したようなコンテンツを提供できるということです。例えば、シーマンが「今どこにいるんだい?」と尋ねて、ユーザーがウソをつくと、「お前、ウソついてるだろ。本当は○○じゃないか」といったような感じです。そういった面白い使い方が色々とあるんじゃないかと思います。
ezmovie
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C5001T
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【編集部】 次にezmovieについてお願いします。
【保戸田氏】 今回はこれに対応した端末だけがEZwebで64kbpsのパケット通信が利用できるのですが、動画以外のコンテンツについてはそこまでは必要ないだろうということで、こうした差を設けているわけです。動画の規格はMPEG4という圧縮方式を採用しており、そのファイル形式としてはMP4ということになっています。クリエイターの方には我々が作った独自のフォーマットに合わせていただく必要があるのですが、それを簡単にできるようなツールをネット上で無料でダウンロードできるようにしていく予定です。
【編集部】 提供される動画コンテンツについては、どんなものが用意されるのでしょうか?
【保戸田氏】 1分程度のダウンロード型のビデオクリップのほか、「ショートストリーミング」という形のものを考えています。要は、ダウンロードしてデータフォルダに保存するような形ではなく、ストリーミング的に見せる、その場で再生するというような形のものです。著作権保護機能については、有・無のフラグだけでなく、一定の期間だけ再生できるとか、色々なバリエーションを持たせられるようにしようと思っています。容量的には、1回のダウンロードで120KB、15秒程度というのが標準的になるんじゃないかと考えています。
【編集部】 NTTドコモはTV電話もやっていますが。
【保戸田氏】 もちろんそういう機能をつけるのもいいのですが、どうしても端末価格が高くなってしまうというところもあるので、それとのトレードオフということになります。今後どれくらい需要があるのかというところも含めて検討していきたいと考えています。
ezplus
【編集部】 ezplusについて新しくなったところというと?
【保戸田氏】 今回、フェーズ2ということで、サーバーとの通信機能のサポートが可能になり、ようやく他社に追いついたのかな、といったところです。拡張される部分の仕様についても端末発売にあわせて公開していく予定です。また、エージェント機能は他社にはない機能ですので、注目していただきたいところです。
WAP 2.0とXHTML Basic
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C3002K
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【編集部】 新端末ではWAP 2.0がサポートされ、XHTML Basicによるコンテンツ制作が可能になります。コンテンツ制作者にとってはかなり大きな変化だと思われますが。
【保戸田氏】 記述言語(HDML)についてはやはり特殊だったということろがあって、勝手サイトだとか、コンテンツプロバイダーさんも含めて、ちょっと作りにくいという話があり、実際普及しなかったという実態があり、これは認めざるを得ない事実だと思います。なんとかコンテンツを充実させなくてはいけないということで、今回WAP 2.0、XHTML Basicというのが世界標準として採用されて、オープンになっているので、これを取り入れて、12月からはこれを使っていこうと考えています。正直言って、HDMLについてはもう諦めて、次の新しい言語に、インターネット上でよく使われている言語にあわせていこうと思っています。
【編集部】 既存端末と新端末の機能の違いはどうやって吸収されるのでしょうか?
【保戸田氏】 そこについては弊社のネットワーク上で変換していく予定です。既存端末でXHTML Basicで書かれたコンテンツを見る場合と、新端末でHDMLで書かれたコンテンツを見る場合は、それぞれゲートウェイサーバーでコンテンツを各端末で表示できるように変換します。
【編集部】 コンテンツの容量制限はあるのでしょうか? サポートされる画像フォーマットについては?
【保戸田氏】 コンテンツの容量については特に制限は設けていませんので、端末に搭載されているメモリに依存するということになります。画像フォーマットについては、一般に使われている全てのフォーマット、GIF、JPEG、PNGをサポートしています。絵文字についても、ある程度サポートしています。セキュリティについても、エンドツーエンドのSSLをサポートしています。
通信料金
【編集部】 通信料金については、やや変則的になっていますね。
【保戸田氏】 なぜこういうことをしているかというと、動画を見ようとしたとき、大きなファイルをダウンロードしようとしたとき、1パケット0.2円や0.27円ということだと、結構な料金になってしまうので、そういう場合は100パケットを超えた部分については1パケット0.1円にしようということにしました。お客さまにとってはちょっと分かりづらいというところもあるのですが、気軽に動画をダウンロードをしてもらいたいと思ってのことです。
その後の展開は?
【編集部】 ムービー端末では100KBまでの動画を添付したメールを受け取れるということですが、カメラ内蔵端末は出さないのでしょうか?
【保戸田氏】 今回は出してないのですが、いずれやっていきたいという思いはあります。J-フォンの「写メール」とか、そういう文化もできつつあるので、我々も将来的にはやっていきたいと思っています。
【編集部】 J-フォンといえば、SDカードスロット付きの端末を発表していますが、そういうものはいかがでしょうか?
【保戸田氏】 難しいところですね。今のところ問題はやはりコストのところです。それでも今後は段々とああいった形になっていくとは思います。ただ、キャリアとしては、ダウンロードしてカードに保存して使われるよりも、その都度通信してもらったほうが嬉しいのですが。
【編集部】 来春にもう一つ大きな変化があるようですが。
【保戸田氏】 基本的には今の「次世代サービス」という路線で行こうと考えています。それと144kbpsという少し高速なデータ通信、というところです。つまりCDMA2000 1xの導入という話なのですが、FOMAとは違い、その時出る新端末を買えば、日本全国どこでもサービスを利用できます。
【編集部】 話は変わりますが、ドコモが新たな迷惑メール対策を発表しました。本誌でも読者に簡単なアンケートをとってみたのですが、御社に対しては「メールアドレスを変更できないのがつらい」という意見が何件がありました。これに対してどう思われますか?
【保戸田氏】 実は今回、EZwebmultiについては、メールアドレスを変更できるようにしました。もちろん、ドメイン名は同じですし、機種変更の方は従来のアドレスをそのまま引き継げます。そのほかにもドコモさんが発表されたような対策の導入も検討していきたいと考えています。迷惑メールについては本当に頭痛の種ですね。
【編集部】 ありがとうございました。
・ auの新サービス紹介ページ
http://www.au.kddi.com/new/index.html
・ au、GPS対応の「C3001H」「C3002K」と動画再生の「C5001T」
・ au、GPS・動画配信・WAP2.0など新サービスを発表
(湯野 康隆, 法林岳之)
2001/11/12 17:11
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