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N-06A
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NTTドコモは、不具合が原因で販売停止中の夏モデル「N-06A」「P-07A」の2機種について、ユーザーだけに通達する形でソフトウェアアップデートを提供したことを明らかにした。適用しなければ、28日16時以降、当該機種でiモードが利用できなくなっているという。
「N-06A」「P-07A」の2機種は、2009年夏モデルとして5月22日に発売された。しかし、「N-06A」は発売当日の22日に、「P-07A」は翌週月曜の25日に、不具合のため、販売が一時停止となった。不具合の内容はどちらも「iモードのサイト接続時に、サイト側との連携が正常に行われず、正しく動作しない場合がある」というもので、原因についてドコモでは「iモードブラウザの機能拡充にあることは確か。高度化によってバグが発生した。ただし、原因となる部分は、N-06AとP-07Aで異なる」としている。
■ 報道発表前にソフト更新、未適用でiモード利用不可に
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P-07A
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ドコモの携帯電話では、ソフトウェア更新の自動処理機能が用意されている。28日の発表によれば、対象のN-06A、P-07A、計約1万8900台(28日15時時点)のうち、約1万6800台には既にソフトウェア更新が適用されている。N-06Aでは2回、P-07Aでは1回更新が行われたが、約2100台は更新されていない。
ソフトウェア更新が行われていると、iモードブラウザのJavaScript機能が強制的に無効化されており、ドコモでは今後準備が整い次第、有効化する考え。なお、RefererやCookieは有効のままという。またソフトウェア更新が適用されていない端末では、音声通話やテレビ電話は利用できるものの、メールやiチャネルなどiモードサービスは一切利用できなくなっている。そのため、iモードを使ったソフトウェア更新サービスも利用できず、アップデートするには最寄りのドコモショップへ持ち込む必要がある。
多機能化・高度化した携帯電話では、絶え間なくソフトウェアのバグが発見され、日々、修正のアップデートが提供されている。ドコモの携帯電話もその例外ではないが、バグ発見後に対応策が決定すれば、Webサイトなどを通じて外部に対して情報公開が行われている。しかし今回は、対象ユーザーのみにメッセージRなどで通知が行われ、報道発表など外部への情報公開は、後手に回る格好となった。この点について、ドコモでは「今回は、お客様への対応を優先していたため」と説明しており、今回の不具合は、早急な対応が求められる事態であったことが伺える。ソフトウェア更新未適用端末がiモードへ接続できないようにした背景として、ドコモでは「たとえばiモード公式の有料サイトへアクセスすると、課金登録をしていなくてもコンテンツを利用できる可能性があった」としている。
なお、JR東日本では、ドコモの不具合対応を受ける形で当該機種のモバイルSuicaユーザーに対し「ドコモ提供のソフトウェア更新をしなければ、28日16時以降、iモードへ接続できなくなり、モバイルSuicaアプリも利用できなくなる」と案内。JR東日本広報部では「ドコモ端末の不具合ということで、バージョンアップを行うよう案内した」と説明しており、コンテンツ利用にも影響が出ている。
10周年を迎えたiモードは、2009年夏モデルの発表にあわせ、JavaScriptやReferer、Cookieなどをサポートするなど、従来の仕様から大幅に拡張された。ドコモの開発者向けWebサイトでは、新仕様のiモードブラウザを「iモードブラウザ2.0」と案内している。iモードブラウザ2.0対応の夏モデルは全13機種で、未発売の機種についてドコモでは「本不具合の対策を講じた上で発売する」としており、影響はないとしている。
なお、N-06AとP-07Aの販売再開時期について、ドコモでは「今後、1~2週間を目処に」としている。
■ URL
ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/090528_00.html
作ろうiモードコンテンツ iモードブラウザ2.0 新機能一覧
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/browser/browser2/new_function/
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(関口 聖)
2009/05/28 18:12
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