NTTドコモは、2009年夏モデルの発表にあわせ、「iモードブラウザの拡張(バージョンアップ)」として、iモード関連の仕様拡充を発表した。今夏モデル以降が対象となるが、今回発表された機種のうち、L-04A、L-06A、P-10A、T-01A、HT-03Aは非対応となる。
■ 操作体系の変更
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Flashゲームも方向決定キーで操作可能に
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操作関連では、「i」ボタン(iモードボタン)を押した際の挙動が変更される。これまではiモードボタンを押すと、端末のiモード関連メニューが表示され、iメニューへのリンク、ブックマーク、ラストURL、iモード設定といった項目が表示された。しかし、今夏モデルからはiモードボタンを押すと、すぐiメニュー(iモード公式メニュー)へアクセスするようになる。
ブックマークや画面メモへは、サブメニューから利用する形となる。なお、iメニューのページにアクセスしている最中でも操作できるため、iメニューの表示完了を待たずに操作することもできる。
また、iモード閲覧時の左右キーの機能についても変更される。これまでは左で「戻る」、右で「進む」となっていた。しかし今回からは左右キーでページ内のフォーカスを移動できる。これによりページ遷移の「戻る」「進む」は、方向決定キーの周囲にあるソフトキーのうち、左下と右下のボタンで操作することになる。対象のサイトは全てのiモードサイトで、特定サイトに限定した変更ではない。
Flashで作成されたゲームでは、従来機種の場合、テンキーで左右上下、決定といった操作を行っていたが、今夏モデルでの操作体系の変更により、方向決定キーで操作できるようになる。
従来のiモード端末と比べ、操作の手順が大きく変わるが、同社では目的のリンクへアクセスする場合にクリック数を減らせるとしている。
■ iメニューにカスタマイズコーナー
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左が新しいiメニュー、右が従来型
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iメニューでは、「ニュース」「スポーツ」といったカテゴリーごとの情報が掲載されるほか、新たに「マイニュース」「マイリンク」という機能が用意される。
「マイニュース」は、ユーザーが好みのサイトのRSS/ATOMを最大10件まで登録でき、更新情報を確認できるというもの。iメニューへアクセスするたびに更新するため、RSSからリダイレクト処理するようなサイトは登録できない。またRSSで取得したリンクにアクセスする先のサイトがパソコン向けデザインであれば、iモードブラウザでは正常に表示・利用できない可能性もある。
もう一方の「マイリンク」は、好みのサイトへのリンクを登録できる機能となっている。いわばオンラインのブックマーク機能と言えるもの。「マイニュース」はiメニューにアクセスすると、情報配信サイトの最新の内容をチェックできるが、「マイリンク」はブックマーク機能とあってリンクするだけとなっている。
どちらも公式サイトだけではなく、一般サイトを登録できる。ドコモでは「これまでiモードのトップ画面はキャリアが提供するものだったが、今後は一般のコンテンツプロバイダによるサイトがトップ画面に加わることになる」として、「マイニュース」「マイリンク」はiモード上のプラットフォームの1つと位置付け、オープンな形で利用できるものとしている。
■ ブラウザの機能向上、JavaScriptやCookieに対応
iモードブラウザの機能拡充により新たにテキストコピーが利用できるようになる。たとえば住所の文字列をコピーすると地図アプリを起動してナビを使う、といった利用スタイルが可能になる。
また、NEC製端末でサポートされてきたタブブラウザが標準機能となり、マルチウィンドウでサイトを閲覧できるようになる。このほか、マルチセッション・リクエストパイプラインにも対応し、複数画像をまとめて取得し、従来よりもサイト表示速度が向上する。
さらにJavaScriptやCookie、Refererにも対応する。JavaScriptは携帯電話向けのサブセットになるとのことだが、これまでiモード端末に搭載されてきたフルブラウザと同等のJavaScriptが利用できるとのことで、文字入力支援機能やAJAXのようなサイトを作成できるという。Cookieの対応ではログインが簡略化され、Referer対応によりサイト遷移の情報収集ができるようになる。これは公式サイトだけではなく、一般サイトでも利用可能。なお、ポップアップウィンドウが無限に開く、といった悪質なスクリプトは動作しないようになっている。
詳細な仕様は、ドコモのiモードコンテンツ開発者向けサイトで案内される。
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ブラウザ上で見たAJAX型の地図ページ。方向決定キーで地図をスクロールし、数字キーで拡大・縮小できる
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iモード関連の仕様変更概要
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■ ページサイズの拡大
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Flashで構築したサイトで、さらにレイヤーを重ねてFlash動画を再生、といった演出も可能に
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これまでiモードブラウザでアクセスすると、最大100KBまでしか受信できなかったが、今夏モデルでは最大500KBに拡大される。また、ディスプレイの大型化にあわせて、VGAサイズのiモードサイトが作成できるようになった。
Flash関連では、新たにインライン動画(FLV)に対応し、ページ内に動画を埋め込めるようになる。サイトにアクセスして、手軽にプロモーション動画を観る、といった使い方ができるようになる。
このほか、iモード上でWMV形式の動画も扱えるようになる。
■ メール関連機能
2009年夏モデルのうち、N-06A、N-07A、N-08A、N-09A、SH-05A、SH-06A、SH-07Aでは、音声入力メールに対応する。これまではらくらくホンV、らくらくホンプレミアム、らくらくホンベーシックIIで利用できた機能だったが、対応機種が拡充し、メジャーラインナップに導入されることになる。
その名の通り、メールにしたい文章を携帯電話に聞かせるように声に出せば、テキストに変換してくれるという使い方になる。
月額210円の有料サービスとなり、申込は別途必要となる。なお、初回契約日から30日間は無料で利用できる。また音声認識時にはパケット通信が発生し、パケットパックなしの場合、5秒の入力で10.5円かかる。
音声入力関連では、「クイック検索」も音声入力に対応する。仕組みは「音声入力メール」と同じで、携帯電話に聞かせるようにキーワードを喋れば、特徴点をサーバーに送信して認識するという流れ。パケット通信は発生するが、検索は無料で利用できる。
このほか緊急地震速報などを配信する「エリアメール」では、新たにマナーモード中でもエリアメール受信の着信音を鳴らすよう設定できるようになる。このときの着信音を確認できる機能も用意される。ただし、L-04A、L-06A、P-10A、T-01A、HT-03Aでは利用できない。
■ フォトギャラリー
■ URL
プレスリリース(iモード機能拡充)
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/090519_00.html#p03
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(関口 聖)
2009/05/19 18:16
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