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シャープ携帯事業説明会、V字回復目指してシェア30%に挑戦

シャープの大畠氏
 シャープは27日、携帯電話事業の説明会を開催した。

 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクに対し、夏モデル12機種を供給するシャープ。説明会では、国内向け最新モデルのポイントや、通信事業の今後の戦略などが語られた。シャープの執行役員で、4月に通信システム事業本部 本部長に就いた大畠昌巳氏は、4月1日から携帯電話事業の同社組織体制が刷新されたことを報告した。

 新体制では、シャープの代表取締役 兼 副社長執行役員 商品事業担当の松本雅史氏を筆頭に、国内向け携帯電話事業を大畠氏、海外向け携帯電話と通信融合端末事業をパーソナルソリューション事業推進本部 本部長の今矢明彦氏がそれぞれ担当する。国内と海外を切り分けたことで、各市場への対応スピードを加速できるという。大畠氏は3年前までNTTドコモの国内向けモデルを担当しており、昨年は中国向け端末などに携わっていたため、国内外の事情に明るい。

 「金融不況をきっかけに、主要国のGDP(国内総生産)がマイナス成長となった。携帯電話事業も2008年度はブレーキがかかり、2009年度も引き続き厳しい状況が続くだろう」――大畠氏は冒頭、携帯事業を取り巻く市場の状況についてそう語り、世界的な景気後退の影響が携帯電話業界にも影を落としていることを説明した。

 だが、その一方で国内の個人消費については回復の兆しがあるとし、定額給付金やエコポイントといった政治主導の景気回復策を例に挙げて、「景況の悪化は下げ止まりつつある」とした。

 シャープでは、海外向け携帯電話事業において、2008年から中国市場へ本格参入を果たし、AQUOSケータイなどを投入している。2009年5月までに6モデルを投入し、2008年の10大携帯電話に選ばれるなど、ハイエンド市場で認知度を高めているという。シャープでは今後、ハイエンド市場でのポジションを維持しながら、ボリュームゾーンとなるミッドティア、ローティア市場にも端末を展開していく方針だ。


厳しい時こそ驚きのある新しい商品を

 また、国内携帯市場において、シャープは2008年度に23%を獲得した。4年連続シェアトップとなる中、大畠氏は、景気の影響や販売手法の変更などによって、販売台数が落ち込んでいるとした。

 景気の悪化が商品企画自体に影響し、悪循環に落ち込んでしまうことに懸念を示して、「厳しい時こそ驚きのある新しい商品が必要だ」と述べた。4月に発表されたノートパソコン「Mebius」は、光センサーパッドを搭載したユニークなモデルだ。大畠氏はMebiusについて「驚きのある商品と自負している」と語った。

 夏モデルでは、KDDIとソフトバンク向けにソーラーパネルを搭載した携帯電話「SOLAR PHONE SH002」「936SH」を投入する。大畠氏は「環境先進企業として、ソーラー技術を活かした新たな需要を創造する。シャープは46年の長きに渡ってソーラー事業をやっており、これをLSIのパッケージ技術と組み合わせ、モバイル機器に最適なソーラーモジュールを提供する」と述べた。ソーラーパネルのエネルギー効率は13%、理論上は20%台まで向上させられるとのこと。

 なお、ソーラーモジュールの担当者は、「ソーラー充電」をさまざまな携帯機器に搭載できるとアピールしていた。ただし、過度な期待は禁物、携帯電話としては従来モデルと同様の使い方で、端末の耐久性も従来レベルとなる。締め切った車のダッシュボードの上など、通常携帯電話が通常置かれないような場所で充電しようとすれば、高温になりすぎてバッテリーなどに異常が発生する可能性もあるという。担当者は十分に周知して提供したいと語っていた。

 シャープでは、ソーラーモデルを筆頭に、国内外で製品を展開、通信事業のV字回復の狙う。大畠氏は、2009年度はシェア30%に挑戦し、販売高4900億円、販売台数1230万台を目指すことを明らかにした。総販売数の内訳は、国内830万台、海外400万台となる。このほか、2009年度の携帯電話総販売数を3300万台と予測した。

 また大畠氏は、ユーザーニーズが変化してきていることに言及し、従来のハイエンド中心の市場から、販売手法の転換による端末価格の上昇で、ミッドティア、ローティアへ市場がシフトしつつあるとした。ミッド/ロー向けの商品といっても数年前のハイエンドモデルを超える性能となっていることも要因という。

 また、2009年度の方針としてシャープの特長や強みに磨きをかけ、ハイエンドのシェアさらに獲得していく一方で、リーズナブルな端末でも、競争力のあるワンポイントを搭載し、市場に活気を取り戻す商品を展開するとした。

 説明会ではタッチ&トライコーナーも用意された。シャープのブルーレイディスクレコーダーと携帯電話の動画連携や、カーナビゲーションと携帯電話のナビ連携なども紹介された。

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URL
  ニュースリリース
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/090527-a.html

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(津田 啓夢)
2009/05/27 18:58


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