|
KDDIの小野寺氏
|
KDDIは28日、2008年春モデル発表会を開催した。
冒頭、挨拶を行なった同社代表取締役社長兼会長の小野寺 正氏は、「発売済みのW61SHや、冬モデルとして発表したW54SA、W54S、W56T、今回の春モデルと全14機種で春商戦を戦っていきたい。auのラインナップは、国内初、あるいは世界初というものがあり、リッチでユニークなコンテンツやメリットある料金をさらに進化させて、総合的に満足してもらえるよう努める」と述べた。
■ Bluetoothで“ワイヤレスミュージック”
|
KDDIの高橋氏
|
2008年春モデルの概要や新サービスは、同社取締役執行役員常務でコンシューマ事業統轄本部長の高橋 誠氏から説明が行なわれた。
同氏は、今回の春モデルにおいて「ワイヤレスミュージック」「au Smart Sports」「有機ELディスプレイ」の3つを特徴として紹介した。
「ワイヤレスミュージック」とは、au端末で音楽を再生し、Bluetooth機能を使ってヘッドセットやスピーカーなどをワイヤレスで繋ぐ、という利用シーンを提案するものだ。高橋氏は「これまでもBluetooth搭載の携帯電話は存在し、ワイヤレスで音楽を楽しむことはできたが、『Bluetooth』という言葉は難しく、日本ではまだ浸透していない。欧州では普及しており、日本で流行しないはずがない。社内で検討を重ねた結果、『ワイヤレスミュージック』は、心に落ちる言葉と判断した。わかりやすいので今後広げていきたい」と述べ、音楽再生をBluetoothの用途の中心に据えて、アピールしていく考えを示した。
展示会場でもBluetooth対応のヘッドセットなどが紹介されていた。
このほか、音質面でも改善を施し、ビクターと協力して、高音質化技術「net K2」を搭載するとし、「携帯電話の音楽再生は音質が劣るという先入観があるかもしれないが、音質向上への取り組みを強化する」(高橋氏)ことが明らかにされた。
|
|
Bluetoothの普及を図るため「ワイヤレスミュージック」としてアピール
|
会場内にもBluetooth関連機器が展示されていた
|
|
|
ソニーから発売予定のBluetoothアダプタ。マイクを搭載し、ヘッドホンが接続できる
|
春モデルのうち、W61SA、W61T、W61Sには、高音質化技術「net K2」が搭載される
|
■ もっと音楽が楽しくなる方法「au Smart Sports」
春モデルの発表にあわせ、目玉サービスとなるのが「au Smart Sports」だ。スポーツする際に携帯電話がデータ管理などをサポートするというもので、第1弾としてランニングなどに利用できる「Run&Walk」が発表された。
高橋氏は「音楽の利用シーンを追求してきたが、もっと先を想像してみた。その結果、“音楽を聴きながらスポーツする”という利用シーンに結びついた」と述べた。
|
|
第1弾サービスは「Run&Walk」
|
Run&Walk向けに音楽配信サイトと協力して、ランニングに適した曲を紹介する
|
■ 有機ELを活かすサービス
3つ目のポイントとして紹介された「有機ELディスプレイ」は、映像面をアピールする狙いで、au端末では積極的に搭載されている。
映像再生を楽しむサービスとして、今回紹介された「LISMO Video」は、正式発表が後日あらためて行なわれるとのことで、詳細は明らかにされなかったが、高橋氏は「auは映像や動画にこだわり続けてきた。携帯で映画だって楽しむ時代。私も電車通勤中に音楽や映像を楽しんでいる。別途発表会を行なうが、今春のサービスとして期待して欲しい」と述べた。
■ その他の新サービス
|
マルチプレイウィンドウは91通りの組み合わせ
|
既に発表済みのサービス「au one ガジェット」は、対応機種が2月1日に登場することが決定したことで、今回あらためて紹介された。
高橋氏は「プリセットで9種類、ダウンロードで8種類のコンテンツを用意する。また、コンテンツプロバイダとも話をしていて、au one ガジェットの世界を広げようと考えている。携帯電話の利用は多様化しており、ポータルにこだわる時代ではなく、ユーザーの好みにあわせて、トップ画面を変える時代だ。コンテンツプロバイダにも開放して取り組む」と述べた。
また、マルチプレイウィンドウについても触れ、「全部で91通りの組み合わせがある。ワンセグを見ながら検索やメールができる」と述べ、携帯の操作において自由度が高くなる点をアピールした。
GSM対応端末「W62S」の投入にあわせ、国際ローミングサービスの名称を変更し、通話料などなどが値下げされることになったが、高橋氏は「ドコモに対して、頭を抱えていた部分が解決された」との認識を示した。また小野寺氏は「GSM対応は特殊端末ではなく、今後ラインナップを揃えていく」とコメントした。
このほか、今春からの広告展開において、人気アーティストのEXILEとコラボし、「LISXILE(リスザイル、LISMOとEXILEのコラボキャラ)」が登場し、オリジナルコンテンツの配信が明らかにされた。
高橋氏は「auは、単なるケータイキャリアから、ライフスタイルを豊かにするためのサービスが登場するようなプラットフォームを提供する。そこで、今回『auの庭で。』というフレーズでPRすることにした。また、新スローガンとして“Create it”を掲げる」と述べ、新広告キャラクターに嵐を起用し、引き続き“ガーデナー(庭師)”というキャラクターで仲間由紀恵が登場することを紹介した。
|
|
「auの庭で。」というコピーでアピール
|
新スローガンは「Create it!」
|
■ KCP+対応の発表済3機種、発売の遅れを陳謝
2007年冬モデルとして発表された機種のうち、W54SA、W54S、W56Tの3機種は1月28日時点で未発売となっている。この点について、小野寺氏は「この3機種を待っていたユーザーをはじめ、代理店など関係者にご迷惑をおかけした」と述べた。高橋氏も「遅れて申し訳ない」と謝罪した。
なお、春モデルのうち、「W61SA」「W61T」「W61S」の3機種はハイエンドモデルとされ、いずれもKCP+を採用する。発売時期は「W61T」が3月以降、「W61SA」と「W61S」が4月以降となっている。また発売が遅れている2007年冬モデル3機種のうち、W56TとW54Sは2月1日に発売されることが確定したが、W54SAは未定となっている。この点について、質疑応答で尋ねられた高橋氏は「1週間程度の遅れになるだろう」とした。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
■ 関連記事
・ au、国内初の電子ペーパー搭載端末など春モデル発表
・ au、「W56T」「W54S」「W61CA」を2月1日発売
(関口 聖)
2008/01/28 20:59
|