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ケータイ映画祭「ポケットフィルム・フェスティバル」開幕

携帯電話で撮影した映像を大きなスクリーンで上映
 12月7日~9日にかけて、横浜においてケータイ映画祭「ポケットフィルム・フェスティバル」が開催されている。会場は東京藝術大学横浜キャンパス。入場料は無料。

 「ポケットフィルム・フェスティバル」は、携帯電話で撮影した映像による作品を上映する映画祭。東京藝術大学大学院映像研究科長の藤幡正樹氏が実行委員長となり、同大学大学院映像研究科とソフトバンクグループ、電通などが主催した。

 作品は、撮影したものを映画館のような大きなスクリーンで上映する部門と、携帯電話のディスプレイで閲覧する部門とに分けられ、コンペティション部門では、11月5日まで一般公募で作品を受け付けていた。この優秀者を決定する「コンペプログラム」のほかに、映画監督や映像作家、写真家、落語家など、さまざまなクリエイターが作った作品を上映する「テーマプログラム」や、フランスで過去3回に渡って行なわれたフェスティバルの優秀作品なども上映する。

 さらに、イベント開催に先だって小学校で行なわれたワークショップのメイキングや、参加児童らの作品なども上映。このほか、シンポジウムも開催される。


報道関係者向けに開幕前に公開された クリエイター作品のコーナー

写真家サイモン・ヨハン氏の罠にはまったネズミが登場する作品 その隣には中原昌也氏の作品「猫」が並んでいた

実行委員長の藤幡氏にインタビュー

藤幡氏
――いよいよ始まりますね。

 大学と企業、特に芸術系の大学が企業と組んでこうした産学協同の取り組みを行なうのは非常に珍しいことです。どういう風にやればよいか我々も手探りの部分がありました。

――どんな作品が集まりましたか?

 映像のプロに依頼した「テーマプログラム」には、さすがというべきか、携帯電話を使って面白いことをやっている作品が集まりました。上映中にQRコードが現われ、作品が最終的にその場では作品が完結しないものなど、いろいろ考えてもらえたようです。

 創造していた範囲を大きく超えたのが、一般から募集した作品でしたね。主婦の方なんて、自分がこれまで撮りためていた何気ない動画だけを使って作品を作ってくれました。うれしいじゃないですか、撮り貯めていただけで、こうした機会でもなければ2度と見返すこともないような映像をうまく作品にまとめていました。

 また、中学生の兄弟が互いに携帯電話を持ってケンカしているというのも非常に笑わせてもらいました。当人たちが本気になってケンカしている映像というのは、映像なのに全く客観がないんですよ。ほかにも、バンドマンの弟がノリノリで歌を歌い、興奮して服を脱いだと思ったらそのまま風呂に向かうという一部始終を、実は家族がこっそり撮影していたという作品もケータイならではのノンフィクションでしたね。

――フランスの映画祭とは作風は違うのですか?

 そうですね、フランスで行なわれたフェスティバルとは作風がやっぱり違いました。日本の作品はより身近で文化的に幅広いものが登場したようです。フランスではカメラを搭載した携帯電話がまだ高級機種だけということもあるのかもしれません。フランスのスタッフも今回興味深く作品を鑑賞していました。特に優れた作品はフランスの映画祭でも上映される予定です。

――小学生とのワークショップはいかがでしたか?

 やはり子供は面白いですよ、携帯電話を持たせたら、カメラをピョンピョンさせて、「バッタになります」「ちょうちょになります」とやるんですから。

――「ポケットフィルム・フェスティバル」の開催までに何が一番大変でした?

 初めてなのでいろいろ大変なことはありましたが、やはり、作品の管理ですね。400本近い作品が集まって、そのうち150本に絞り込みましたから。今回の経験を次の「ポケットフィルム・フェスティバル」につなげていきたいですね。

――ありがとうございました。


一般公募作品のコーナー 複数の作品がループ上映される AQUOSケータイで上映

小学生のワークショップ作品 複数国のアーティストの映像を組み合わせた作品 左の画面で選んだ映像を右の画面で表示


URL
  ポケットフィルム・フェスティバル
  http://www.pocketfilms.jp/ja/

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(津田 啓夢)
2007/12/07 16:36

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