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ドコモ永田氏、「ハイエンドユーザーを獲得する」

左から富士通の伊藤氏、ドコモの永田氏、HTCの周氏

左から富士通の伊藤氏、ドコモの永田氏、HTCの周氏
 NTTドコモは30日、Windows Mobile搭載のスマートフォン2機種の発表に合わせ、都内で記者会見を開催した。プレゼンテーションは同社執行役員でプロダクト&サービス本部プロダクト部長の永田 清人氏が行なったほか、メーカーの富士通経営執行役 上席常務の伊藤公久氏、HTC CEOの周 永明氏(Peter Chou、ピーター・チョウ)氏が挨拶した。


永田氏が語るスマートフォン投入の狙い

コンシューマー市場への意気込みを語った永田氏

コンシューマー市場への意気込みを語った永田氏
 永田氏は、「日本でのPDA市場は、一度相当落ち込んで20万~30万規模になっていた。これに法人向けシステムとの親和性やカスタマイズの容易さを持つ端末が“スマートフォン”として、市場が回復してきた。ドコモは、戦略的な端末を投入し、これまでスマートフォンユーザーからの声に応える製品、コンシューマーに受け入れてもらえるものを提供することになった」と述べた。

 これまでドコモがリリースしてきたM1000やBlackBerry、hTc Zは法人中心の展開だったが、同社では今回のスマートフォン開発にあたり、ユーザーからの声を分析した。その結果、用途の中でも音声通話が2番目にランクインし、一般的な携帯電話に近い使い勝手が必要と判断。そのため、両機種ともにWindows Mobileの標準待受画面ではなく、専用待受画面を用意することにしたという。また、形状もテンキーを備えた形にして、日本での携帯文化に配慮し、法人ユーザーに加えて、ハイエンドのコンシューマーの獲得、そしてコンシューマー向けスマートフォン市場の拡大を目標としている。

 同氏は、質疑応答に際に「日本でスマートフォンがこれまで普及しなかったのは、iモードなどネット接続が早くから実現し、PDAなしでもさまざまなことができたのが大きな要因と考えている」と説明したが、現在では法人市場などでPDAの位置付けが変わったとの見方も示した。ドコモとして、過去に発売した機種でスマートフォン市場に取り組んできた一方、「ビジネス的には成功していない」とし、今回の機種で法人市場からスタートしてコンシューマー市場も獲得するという戦略を描いた。


PDA市場は落ち込んだが、スマートフォンによって回復基調にある ドコモはコンシューマー市場を目指す
PDA市場は落ち込んだが、スマートフォンによって回復基調にある ドコモはコンシューマー市場を目指す

ドコモが分析したスマートフォンのニーズ 1100シリーズの特徴
ドコモが分析したスマートフォンのニーズ 1100シリーズの特徴

 ドコモでは今回の2機種を「1100シリーズ」としている。この型番はスマートフォン向けに設けられたもので、永田氏は「将来的に90Xiと同じになるかもしれないが、当面は併存することになるだろう」とした。

 一般ユーザー向けにも販売される予定の1100シリーズだが、販路については、まずドコモショップで取り扱われる。順調に行けば、家電量販店などでの販売も検討される見込み。一般的な携帯電話と比べ、窓口が限られることになりそうだが、永田氏は「M1000発売時に全てに広げてやってみたが、サポートがうまくいかなかった。今回はそういうわけにはいかない。きちっと考えたい。詳細は詰めているところで、発売時にあらためて案内できるだろう」と説明した。

 発売時期が2007年度第4四半期とされながら、この時期に発表したことについては「90Xi、70Xiでは最も早く発売される機種にあわせて発表しているが、スマートフォンの場合、企業での利用を考えると、“今日発売しました、すぐ使ってください”と言っても採用されない。意識的・戦略的にいち早く発表した」と語った。


メーカーの考え

富士通の伊藤氏

富士通の伊藤氏

HTCの周氏

HTCの周氏
 富士通の伊藤氏は「Windows Mobileを採用したことで、Windowsと同じ環境でアプリ開発ができる。たとえば営業先で納期を確認してオーダーを受け付ける、といったアプリが開発できるだろう。スケジュールや文書管理も簡単にできる。また、指紋認証やmicroSDカードへの暗号化書き込みなどセキュリティに配慮し、企業での利用を意識した富士通ならではの製品になった。富士通もキーコンポーネント製品として販売していきたい」と述べ、F1100を活用した法人営業に注力する考えを示した。

 日本市場で積極的に展開するHTCの周氏は、「10年前に台湾で設立された当社は、現在50以上のオペレーターと協力している。今回のHT1100は、6月に発表した『HTC Touch』という端末をベースに、プロセッサーも早くHSDPAを搭載したバージョンになる。独特の操作体系であるTouchFLOは簡単な操作方法を実現しており、コンパクトな端末サイズとあいまって、一般ユーザーにとっても魅力的に仕上げたつもり」と自信を見せた。

 海外でも提供されているモデルがベースとのことだが、HT1100では、マナーモードなど日本の事情に合わせた機能が用意されている。



URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/070830_00.html

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(関口 聖)
2007/08/30 20:37

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