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昨年マクロメディアの買収・合併が完了し、携帯電話向けにはFlash LiteとAdobe Reader LEの2つのプラットフォームを提供しているアドビ。同社の第1四半期は、過去最高の売上高を達成し、前年同期比39％増の6億5,550万ドルとなった。しかし、営業利益は前年同期比24％減の1億3,000万ドル、純利益は前年同期31％減の1億510万ドルといずれも赤字。 チゼン氏は、その理由を「米国市場の上場企業として、政府の規定により厳しいGAAP（ギャップ、Generally accepted accounting principles：財務会計原則）による会計報告が定められている。ノンGAAPであれば前年同期比48％増となり、非常に大成功を納めた四半期だった」と説明した。なお、日本法人個別の業績は発表されていないが、売上高に占めるアジア市場の割合は20％となっている。 同社の事業分野の中で、もっとも大きな割合の占めるのがクリエイティブ系のソフトだ。2006年第1四半期もこの割合に大きな変化はなく、クリエイティブ系ソフト事業、ナレッジワーカーソリューション事業、エンタープライズソリューション事業、に次ぐ4つ目の事業としてモバイルソリューションが位置づけられている。なお、売上に占めるモバイル事業の比率は1％と小さいものとなったが、チゼン氏は「数字が小さい理由は、マクロメディアを統合した際の会計処理の関係」と説明した。 日本市場では、携帯電話向けのFlashが普及拡大している状況だ。グローバルな視点からモバイル市場についてコメントを求められたチゼン氏は、「モバイル市場はアドビにとって非常に重要。今後、情報の利用方法が多様化し、企業や政府機関でも紙やパソコンではなく、9億台もあるモバイルに届けるようになるだろう」と語った。同社は、端末メーカーや携帯キャリアと協力して、Flash LiteやAdobe Reader LEの実装を今後さらに進めていく方針。今後、パソコン向けのWebサイトなどで見られるインタラクティブ性の高いFlashも携帯電話から閲覧できるようになるという。 このほか、日本市場については、「モバイル戦略にとってとても重要。モバイルインフラの点で欧米は発展途上と言って差し支えないだろう。世界のモバイル市場のリーダーである、ドコモ、ボーダフォン、KDDIと提携し、プラットフォームを拡大していく。日本ではiチャネルなどでFlashCastが採用されており、今後もエキサイティングなサービスが提供されるだろう」とした。 同社では、2006年末にもFlashとPDFを融合した製品を投入するとしている。モバイル向けについては未定だが、今年2月の会見ではパソコンでの環境が整ってから、モバイル向けが提供されるとの見方が示された。
■ ＵＲＬ アドビシステムズ http://www.adobe.co.jp/ ■ 関連記事 ・ アドビ、今後は携帯向けFlashプレーヤーとAdobe Readerの融合も ・ アドビ、Flash Lite 2の概要を紹介 ・ 第256回：Flash Lite とは （津田 啓夢） 2006/04/21 13:43 | ||||||
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