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シャープ、ザウルスなどのソフト開発環境にJavaを全面採用
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シャープ取締役 坂井氏と米サン(Javaの開発元)のExecutive Vice Presidentのスルツ氏
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シャープは都内で記者会見を開き、今後の通信端末のソフトウェア実行環境としてJavaを大々的に採用していくと発表した。その第1弾として、同社のPDA「ザウルス」向けのJava実行環境を製品化する。
シャープが今回製品化するのは、同社のPDA「ザウルス」シリーズの最新機種「MI-E1」向けのJava実行環境「Zaurus用ソフト実行環境(for PersonalJava)」。4月4日より、シャープが運営するインターネット総合サービス「シャープスペースタウン」上で開発者向けのネット通販が開始される。価格は3000円。
同ソフトは、MI-E1上でJavaによるプログラムを実行させるソフト。ザウルス用の追加プログラム「MOREソフト」として動作し、「Personal Java 1.2」という種類のJavaに対応する。Personal Javaはパソコンに搭載されているJavaに近く、携帯電話などに採用されているKB単位のデータを扱う小規模なJava「KVM」よりも高度な表現力・処理能力を実現している。このため、パソコン向けのPersonal Javaで開発されたソフトでも、多少の変更でザウルス上で動作させられるという。また、ザウルスが標準で搭載している日本語手書き認識機能や通信機能などをJavaプログラムが利用することができる。
ザウルス向けのJava実行環境には英Taoによる高速Java実行技術「intent」が採用されている。通常のJavaの実行環境では、プログラムを部分単位で翻訳しながら実行する「インタプリタ」方式が使われているが、intentではプログラム全体を一気に翻訳して実行する「Just in time compiler(JIT)」を採用している。シャープによると、これにより通常のインタプリタ方式に比べて10倍の処理速度を実現できたという。
シャープは、ザウルスの大きなカラー液晶や手書き認識技術などのハードウェア的な魅力に加え、一般のJava開発環境でそのままザウルス向けのプログラムが開発できるという簡便さを武器に開発者の取り込みを行ない、ユーザー利益を向上させる。シャープでは1年で1万本のJavaプログラムが登場することを見込んでいる。
さらにシャープでは、Javaソフトの拡充を見て一般向けにJava実行環境を提供し、今後1年以内にJavaを標準搭載するザウルスを国内で発売し、今秋には米国でマルチメディア指向のPDAを、欧州ではワイヤレス通信機能内蔵のPDAを発売する。海外向けのPDAにはOSとしてLinuxが搭載され、ザウルスブランドではなくなる。このため、従来のザウルス用ソフトは海外のPDAでは動作しなくなるが、Javaソフトは国内・海外で同じソフトが使えるようになる見込み。
海外で発売されるLinux搭載のPDAについては詳細は決まっておらず、シャープでは各国の市場にあわせた製品を発売するとしているが、欧州ではGSMの携帯電話機能を搭載したPDAを発売する。
さらにシャープではザウルスなどのPDAに限らず、将来的にはFAX端末などにもJavaを搭載するとしている。これにより、たとえばFAXでプリントをするなど、FAXやパソコンと携帯端末を融合させた機能を実現できるという。
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ザウルス上で動作しているJava実行環境(発表会会場での展示機による)。左の写真は起動画面。画面モードを横にするか縦にするかを起動前に選択する。右の写真は実際に動作させている様子。起動時は壁紙のみが表示されていて、画面をタップするとメニューが開く。そこでプログラムを選んで起動させると、新しいウィンドウが開く。写真では2個のプログラムを同時に起動させた。さすがに複数のプログラムが同時に起動すると処理速度が落ちてしまうが、単体で起動すればシューティングゲームくらいならば問題なく動作する
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パソコン上で動作するJava実行環境。ザウルス向けのものとまったく同じソフトを同じ操作で使える
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Java搭載後も、海外ではLinuxネイティブ、国内ではザウルスネイティブの開発環境が残される(左)。将来的にはAV機器や家電にJavaを搭載されるという(右)
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・ シャープスペースタウン上のザウルス用Javaフォーラム
http://more.sbc.co.jp/pjzaurus/pjzaurus.asp
・ シャープ、ザウルスにJavaを導入してソフト開発を手軽に
・ Tao、ジャスト、アスキー、携帯向けの日本語Java環境を共同開発
(白根 雅彦)
2001/03/23 15:51
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