日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は、BREW 3.1に対応した携帯電話向けユーザーインターフェイス構築ツール「anyWarp for BREW」を開発した。国内外の通信事業者や携帯電話メーカー向けに来年1月より出荷される。
今回発表された「anyWarp for BREW」は、KDDIなどで採用されているアプリケーションプラットフォームの最新バージョン「BREW 3.1」に対応した開発ツール。現在、「BREW」はゲームなどのコンテンツに用いられるケースが主流だが、今回の「anyWarp for BREW」は、ゲーム開発も可能なものの、主に携帯電話のメニュー画面、ユーザーインターフェイスの開発を支援するツールになるという。
BREWアプリケーションを開発するために、米クアルコムから開発キットやユーザーインターフェイス作成キットなどが携帯電話メーカー向けに提供されており、「anyWarp for BREW」では、それらのソフトウェアと組み合わせて使用することになる。
また、「anyWarp for BREW」では、「VSF(Visual Screen Flow)技術」が採用されている。同技術は、画面遷移を先に製作して「紙芝居のようなものをあらかじめ作ってしまう手法」(同社)とのことで、端末メーカーが新機種を開発する際に、早期段階でキャリアに対して携帯電話のユーザーインターフェイスの骨組みを披露できる。同社は、「たとえばキャリアから新機種の画面遷移を確認したいといった要望を受けたり、急な変更を求められたりした場合、開発を一時ストップして対応する必要があるだろう。しかし本ツールを利用すれば、手軽に変更できるため対応しやすい」と開発者にとってのメリットを説明している。
「anyWarp for BREW」ではVSF技術を採用
VSF技術により、効率的な開発が可能になるという
「anyWarp for BREW」投入による日立ソフトの戦略について、プレゼンテーションを行なった営業技術本部の橋本 隆司氏は、「CDMAで圧倒的な技術力を持つクアルコムは世界規模で顧客を持っており、現在はBREWに注力している。W-CDMA方式にもBREW普及を進める考えを明らかにしており、ソリューション展開のために技術力あるパートナーを求めている。一方、当社はBREWに早期から取り組んでおり、組込系のソフト開発にも実績がある」と述べ、日立ソフト・クアルコム双方にとってメリットがあると判断し、協力関係を築けたと説明。今後は、「anyWarp for BREW」の提供に加えて技術面でのコンサルティングなど総合的な展開を目指していくという。