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イー・アクセスは、9月30日に総務省より明らかにされた1.7GHz帯の再編方針をうけ、周波数分割複信方式(FDD)方式による1.7GHz帯での免許取得に向け検討を開始した。
総務省は、9月30日に発表した「携帯電話用周波数の確保に向けた取組」の中で、1.7GHz帯の分配に関して新規事業者の参入に向けた免許方針案を検討すると明らかにしていた。同社はこれをうけ、FDD方式により1.7GHz帯への参入を検討を開始したと発表、すでに実験を開始している2GHz帯でのTD-SCDMA(MC)とあわせ、積極的に実証実験を進めていくとしている。
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イー・アクセス代表取締役兼CEO 千本 倖生氏
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既存事業者の関係会社は対象外にすべきと主張
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14日には都内で記者向けに説明会が行なわれ、1.7GHz帯への参入と、実験中の2GHz帯のTD-SCDMA(MC)の進捗状況が説明された。
説明を行なったイー・アクセス代表取締役兼CEOの千本 倖生氏はまず、「1.7GHz帯を新規事業者に向けて再編することは大歓迎」と述べ、「我々はモバイル・ブロードバンド・データサービスに最大の関心がある。すでに社内でチームを作り、活動を開始している」と積極的な姿勢を明らかにした。同氏はまた、「既存の3社で巨大な市場を占有しているのは問題」と携帯電話市場の問題点を挙げ、「我々が参入できれば、固定のブロードバンドの市場で起こった競争をモバイルの市場でもできる」と同社の姿勢をアピール。「この点ではソフトバンクの考え方をサポートできる」としながらも、同社においては新規参入が認められる予定の2GHz帯、1.7GHz帯で免許取得に向けて活動していくとした。
同氏は新規事業者の定義についても言及。新規事業者の選定は「明確にわかるプロセスで公正にやってもらうべき」と強調したほか、「新規事業者は、既存事業者の関係会社は対象外とするべき。2GHz帯ではNTTドコモの関連会社が手を挙げているが、こういったことには徹底的に反対していく」とし、「新規参入事業者とは、野球でいう楽天やライブドアのような全く新しいプレイヤーであるべき」と述べ、新規参入事業者の選定に透明性を求める考えを明らかにした。また同氏は、同社の財務体質の健全性や、2GHz帯のTD-SCDMA(MC)の実験結果を開示していることをアピール。同社が新規参入事業者の「有資格者ではないか」と自信を見せた。
同社と同じ立場ともいえるソフトバンクBBが、800MHz帯の再編をめぐって総務省を相手に訴訟を起こしている件に関しては、同氏は「正しいやり方とは思わない」とソフトバンクの対応を牽制。携帯電話市場を実質的に3社が占有していることについてはソフトバンクの考え方に理解を示したものの、「800MHz帯については、総務省から新規参入枠は無いと聞いている。であれば、我々は2GHz帯や今回の1.7GHz帯で免許を取得すべく活動をしていく。何でも訴訟を起こすことが正しいやり方とは思わない」と述べ、新規参入に向けた活動を1.7GHz帯と2GHz帯を中心に行なっていくとした。
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TDD方式における音声通信を解説
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実験中の2GHz帯のTD-SCDMA(MC)の進捗状況については、新規事業企画本部長の諸橋 知雄氏が最新の実験結果など基に説明を行なった。同氏はまず、時分割複信方式(TDD)に対して「データ通信のみに強いという誤解があるようだが」と切り出し、「TDD自体はデータのみにフォーカスした方式でない。PHSは実際にTDD方式で運用を行なっており、高音質なことでも有名」と述べ、TD-SCDMA(MC)においては音声優先制御の機能や上りに十分な帯域を確保できるなどの機能をアピール。「TDD方式がデータ通信のみに強いというのは、機器実装上の問題」とした。
TD-SCDMA(MC)の実験結果を基にした報告では、新たにセクタ間ハンドオーバー、セル間ハンドオーバーの実験結果が公開されたほか、隣の基地局からの電波が干渉した状況下での実験も公開。干渉状況下でのスループットの差分は8%で、「想定していた通りの数字」と実験結果が良好であることを示した。また、開発が順調に進んでいる例として、フリップタイプの小型の端末を写真で公開、「プロトタイプまで開発は完了している」とし、サービス開始後の投入を想定した端末ではないとしながらも、実験が順調に進んでいることをアピールした。
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干渉状況下での実験
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干渉状況下でもFTPのスループットは8%減にとどまったという
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新たに設置された2つのセルを利用したハンドオーバーの実験ルート
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実験の様子。基地局ID(BTS Id)が変わっても下の動画ストリーミングは途切れず再生された
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公開された試作の端末。画面はハメコミ合成
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■ URL
ニュースリリース
http://www.eaccess.net/company/press/2004/041014.html
■ 関連記事
・ 総務省、携帯電話新規事業者の参入向けた研究会開設
・ イー・アクセス、TD-SCDMA(MC)の実験概要を紹介
(太田 亮三)
2004/10/14 19:55
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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