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携帯電話キャリアを変更しても、同じ電話番号が継続利用できるようにする「番号ポータビリティ(MNP:Mobile Number Portability)」に関する「携帯電話の番号ポータビリティの在り方に関する研究会(第7回)」が27日、総務省で開催された。研究会は今回で最後となり、近日正式な報告書が提出される予定。
これまで開催された研究会を通して、MNP利用者および非利用者の便益が導入コストを上回るとの試算などを踏まえて、「携帯電話の番号ポータビリティは、2006年半ばを目標に導入するべき」という報告書案が4月2日に総務省より公開されていた。今回の研究会では、報告書案に対して寄せられた企業・個人からの意見に対して、どのような回答をすべきかという点を中心に進められた。
寄せられた意見の多くは、「MNP導入に賛成」となっていたが、一部には「なぜ導入するのかわからない」という意見もあった。これに対して研究会からは「事業者間の競争促進や、ユーザーの選択の自由を拡げること、諸外国の動向などメリットや目的をきちんを記すべき」と指摘があり、報告書に盛り込まれることになった。
また「PHSやメールアドレスもポータビリティの対象にすべきではないか?」という意見もあったが、PHSについては携帯電話とは基本的なシステムが異なることなど、一方のメールアドレスについてはアンケート結果で見られる利用意向の低さや、ドメイン名を引き継ぐことは現状のインターネットサービスでは困難であること、転送サービスなどで代替できることなど、どちらも対象外とすることが改めて確認された。
個人情報の取り扱いを厳格に行なうべきとする意見については、来年5月から完全施行される個人情報保護法や、1998年に総務省が定めた「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」を遵守すべきという内容で報告書に盛り込まれる。また、出席した委員からは「番号から個人を特定する恐れがあるのでは?」という指摘もあったが、基本的にユーザー自身が「同じ電話番号を使い続けるかどうか」を選択することになるため、報告書には法律・ガイドラインの遵守を求める文言を盛り込むに留め、別途「MNPとはどういうものか」という啓蒙・広報活動を行なっていくとした。
MNPを利用したユーザーに電話をかけるとどのように繋ぐのか、その方式など詳細な仕様や、利用時の手続きなどは今後各キャリア間で検討される予定。通話では、携帯電話だけではなく、固定電話やIP電話からの発信もあるため、MNPの仕様策定にあたっては、携帯電話事業者だけではなく、固定・IP電話サービスを提供する事業者も参加する見込み。
座長を務めた東京大学名誉教授の齋藤 忠夫氏は、「さまざまな意見があったが、報告書を前向きにまとめることができた。ユーザーには、安心して使えるサービスと認識してもらうことが大事。円滑に導入されるよう期待する」と述べ、研究会は終了した。
■ URL
総務省
http://www.soumu.go.jp/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
KDDI
http://www.kddi.com/
ボーダフォン
http://www.vodafone.jp/
ツーカーグループ
http://www.tu-ka.co.jp/
■ 関連記事
・ 総務省、「番号ポータビリティ」報告書案への意見募集
・ 番号ポータビリティ、2006年半ば導入を目標に
(関口 聖)
2004/04/27 13:22
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