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三菱、研究開発成果披露会で携帯向け基礎技術を紹介

三菱電機 代表取締役社長 野間口 有氏
 三菱電機は、13日神奈川県鎌倉市に位置する同社研究所で、報道関係者向け説明会を開催し、携帯電話や家電など、通信やインターフェイス、マルチメディア関連における開発中の技術を披露した。

 まず同社 代表取締役社長の野間口 有氏から、「開発途中のものではあるが、事業の展望が開けたもの、あるいは既に事業へ貢献しはじめているものを展示している。これらは、数年後には三菱電機を支えるものになる」と挨拶の言葉が述べられた。


テレビ電話機能を応用したMVLビジュアルサーバー

 デジタル画像の伝送技術の展示ブースでは、NTTドコモのFOMA向けサービス「M-stage ビジュアルネット」に用いられている技術が披露されていた。

 「M-stage ビジュアルネット」は、2002年10月より正式にサービス開始された多人数の参加が可能なテレビ電話システムで、複数の地点にいるユーザーの状態を管理し、スムーズな映像通信を実現する「モバイルマルチメディア多地点通信」など同社とNTTドコモが共同開発した技術が利用されている。

 このほか、テレビ電話機能を使ってユーザーが一時的にサーバーに映像を記録しておき、それを他のユーザーに閲覧できるようにするMVL(Mobile multimedia Video Link)ビジュアルサーバーも展示。iモードから専用サイトにアクセスして、サーバーへ保存されている映像を閲覧したり、実際にその場で記録したりするデモンストレーションが行なわれていた。


MVLビジュアルサーバーに保存されている映像を閲覧。テレビ電話機能を用いているので、通常のテレビ電話と同じ画面表示 MVLビジュアルサーバーへは回線交換でテレビ電話を発信して接続する

手にした端末から実際に映像を記録 記録が終わると、ファイル名を指定して保存

保存後、ファイルを誰に公開するか指定する。「オープン公開」にすれば、不特定多数のユーザーから閲覧できる状態になる 記録した映像を閲覧

乱数表を用いた携帯電話向けパスワード入力法

 情報セキュリティ関連技術を展示していたブースでは、携帯電話からセキュアなパスワード入力を可能にするデモンストレーションも行なわれていた。この技術はiアプリで携帯電話からサーバーへアクセスし、まず乱数表をダウンロード。パスワード入力時に乱数表に沿ったキー入力を行なうことで、認証される。

 イントラネットへのアクセスやショッピングサイトの利用などが想定されており、キーに刻印してあるアルファベットや文字とは関係なくパスワード入力を行なうことに加え、1文字入力するごとに乱数表が切り替わる。このため、近くの人にパスワード入力時のキー操作を見られていても、乱数表そのものが次回から切り替わり、パスワードを知らない限り、ログインすることはまず不可能とのことで、高い安全性が確保されるという。

 また、一度認証に成功すると、携帯電話上でサーバーへ再度アクセスすることなく、新たな乱数表を用いて認証が行なえるようになる。パスワードは端末に記録されないため、万が一紛失しても、漏えいの心配はないという。携帯電話のみならずPDAやノートパソコン向けにも同技術をベースにした開発を続けていくとのことだが、担当者は「入力法が制限された携帯電話での利用を考えて開発しており、やはり携帯電話向けサービスとしてスタートさせたい」としている。


乱数表を用いたパスワード入力。「KTAI」というパスワードならば、上記画面では、まず“0”キーを押す 1文字入力すると、乱数表が更新される。次は“2”キーを押す

一定時間操作していないとロックされる機能も搭載

従来比2倍の高速化、20%の省電力化が図られた3D描画チップ

 このほか、携帯電話やPDAなどの小型機器向けに開発された新型3DグラフィックLSIコア「Z3D2」も展示されていた。従来タイプの「Z3D」よりも描画速度が約2倍と高性能化されたにも関わらず、約21%の省電力化が図られている。担当者によれば「いかに休ませるかがポイント」とのことで、動作時の監視効率の向上によって、高速化されても省電力化に成功しているようだ。

 「Z3D」でも光の計算を行ない、陰影をつけたり、テクスチャマッピングなどの描画機能が採用されていたが、新たに部分的に彩度を落として霧の中のように見せる“フォグ”やテクスチャ表面を鏡のように反射させる“スペキュラー”などの新たなエフェクトも可能になっている。


新型3Dグラフィックチップ「Z3D2」の機能を説明したパネル 写真では分からないが、従来タイプよりも格段に処理能力が上がり、サーキットを疾走するレーシングカーの迫力を見事に再現

レンズ付きフィルムはカメラ付き携帯に駆逐される?

めるってプリ専用端末
 三菱電機と55ステーションが共同で現在テストサービスを行なっているキオスク端末を利用した携帯電話向けプリントサービス「めるってプリ」の実機デモも行なわれていた。テストサービスは渋谷周辺の55ステーション店舗で実施されており、女子高生層を中心に利用されているという。女子高生など若いユーザー層は、特に係員に操作方法を尋ねることなく、スムーズに利用しているとのことで、4月からの正式サービスを前に確かな手応えを感じているようだ。

 担当者に話を聞いたところ、「女子高生はカメラ付き携帯電話のほかに、レンズ付きフィルムも持ち歩いている。プリクラと写真とでは、明らかに別のニーズがあるようだ」と語った。また「今後200万画素のカメラを搭載した携帯電話が市場に出れば、そのデータはL判に堪えうるものとなる。その時には、レンズ付きフィルムの市場はカメラ付き携帯電話に吸収され、“めるってプリ”のようなサービスが一層活用されていくのではないか」と確信を持った表情で将来の見通しを語った。


ユーザビリティテストの模様も

被験者を演じたスタッフのいる部屋からこちら側は見えない
 展示物のほかにも、新製品の開発には欠かせないユーザビリティテストを行なう施設も公開された。この施設では、携帯電話や家電機器のほか、従来モデルとは異なる位置に操作ボタンが配されたエレベーターなどについて、一般ユーザーを招いたテストが行なわれているという。

 被験者となる一般ユーザーがテストを行なっている部屋の隣には、その様子を見守る部屋が設けられている。2つの部屋はハーフミラーで仕切られており、開発部門や営業部門など開発製品に関わる複数の部署から参加したスタッフがテスト結果を見ることができるようになっていた。



URL
  三菱電機
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/

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(関口 聖)
2003/02/13 21:21

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