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12月3日、4日の2日間、東京・青山TEPIAにおいて、日本経営協会が主催するモバイル環境などを通じた映像配信やコミュニケーションに関するイベント「ビジュアル&Webコミュニケーションミーティング」が開催されている。3日の基調講演にNTTドコモのクロスメディアビジネス部部長 児玉 充氏が登場し、「FOMAを活用した新・映像サービス」と題した講演を行なった。
テレビ会議やPDAなどへの映像配信
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FOMA端末でのテレビ電話(画面はSH2101V)
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まず児玉氏は、目標が下方修正されたFOMA端末の売れ行きについて「現在は伸び悩んでいるが、これから新端末も出る」と、これまでのドコモ関係者と同様の発言を繰り返した後、「これからのコンテンツの目玉は映像系ではないかと考えている」とFOMAの強さがこれから発揮されるとの考えを明らかにした。
映像系とした具体的な例として、同氏は「これまで企業などで利用されてきたテレビ会議システムは、専用ルームが必要などの設備が必要だった」と述べ、比較的低コストで導入可能なFOMAのテレビ電話機能を利用したニーズが高まってくるとの予測を示した。
また、一般ユーザー向けコンテンツとして「人気テーマパークの駐車場や、道路の渋滞のほか、留守中の自宅や子どもを預けている託児所など目的のエリアを映像ストリーミングで配信する目的地情報への関心が高い」と語った。
そして同氏は「現在映像を手掛けるコンテンツプロバイダはどこも苦労している。ドコモとしては短い時間でいかに価値あるコンテンツを配信できるかが鍵と考えている」と述べた。
このほか、同氏は“M-stage Vライブ”や“M-stage ビジュアルネット”などを導入している企業の事業例などを紹介した。
テレビ電話の映像を保存する「MVLビジュアルサーバー」
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ビジュアルタイプのFOMA端末では、動画が最大4つまで同時再生できる。テレビ会議などでも同様に多人数の参加が可能
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続けて児玉氏は、「つい1カ月前にできあがった」という「MVL(Mobile Video Link)ビジュアルサーバー」を紹介。これは専用サーバーにテレビ電話発信して、映像を記録しておき、任意のユーザーが好きなときに閲覧できるようになるというもの。音声プロトコルとしては“H.323”をサポートしているほか、IPフォン用次世代音声プロトコルとして目されている“SIP”も対応予定という。
児玉氏は「いつでもどこでもカメラを使って動画を、というコンセプトで開発した」と語り、企業内や仲間内などユーザー自身が設定した限られたコミュニティ内で閲覧できる機能をサポートしていることなどが明らかにされた。また、「この技術で文字通りの“個人放送”が実現するのではないか」と述べた。
このほか、PDAやパソコンからも「MVLビジュアルサーバー」に保存された映像を閲覧できるようにゲートウェイサーバーを設置できるとして、児玉氏は「既存のメッセンジャーソフトやビデオチャットソフトと相互に発着信できるようにして、ビジュアルチャットを実現したい」と語った。
ユーザーが負担する価格などの理由から、現在は回線交換で行なっているテレビ電話機能について児玉氏は「課金プランなど考えるべきことはあるが、いずれは音声もパケット化したい」と述べたほか、「位置情報やショッピング機能なども組み合わせていければ」と語った。
基調講演の終了後、会場内で“M-stage Vライブ”などを案内していたドコモブースの担当者に、今回明らかにされた「MVLビジュアルサーバー」について訊ねてみたところ、「テレビ電話機能をもっと活用してもらおう、と生み出されたのがMVLビジュアルサーバー」と語った。また、同システム経由で動画をメールでやり取りできるのかと質問を投げかけると「敢えて言えば、それはiモード側からの切り口。MVLビジュアルサーバーは誕生したばかりで、いつサービスインできるか分からないが、(動画メールという)iモード側からのサービスは、もうまもなくではないか」と動画をメールによって送受信できる新サービスの提供が近い将来に提供されるとの見通しを明らかにした。
・ NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
・ ビジュアル&Webコミュニケーションミーティング
http://cybs.noma.or.jp/v_web_com/
(関口 聖)
2002/12/03 14:37
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