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【BREW 2006 Conference】
Rob Chandhok氏、MediaFLOの仕組みを語る
クアルコム Vice President, Engineering & Market DevelopmentのRob Chandhok氏
クアルコムでは、携帯電話向けの放送型サービスが展開できる技術「MediaFLO」の開発を推進している。説明会には、同社Vice President, Engineering & Market DevelopmentのRob Chandhok氏が登場し、2006年内にも米国でシステムが完成予定のMediaFLOについてその仕組みが語られた。
MediaFLOは、携帯電話の3Gネットワークと放送波を組み合わせて、放送型コンテンツが提供できる技術。クアルコムでは、米国で700MHz帯のライセンスを買い取り、携帯電話事業者へMediaFLOのサービスを供給する会社「MediaFLO USA」を設立。まず米国にて放送サービスの一歩を踏み出す。
システムは2006年内にも完成する予定で、すでに商用化を決定している米ベライゾンが、システム完成以降にサービスインする予定。このほかスプリントもトライアルを行なっている。端末メーカーもイベントなどでMediaFLOの試作機を紹介している。
米国でのサービスは、700MHz帯を利用して、ケーブルテレビのような多チャンネルの放送が携帯電話で楽しめるものだ。MediaFLOのチップで放送波を受信し、3G携帯電話のネットワークを組み合わせて、携帯電話事業者が独自のサービスとして展開できる。なお、放送サービスは、MediaFLO USAがオペレーターとなるが、クアルコムがユーザーと関わることはなく、あくまで携帯電話会社のサービスとして展開される。
同社では、FLOのネットーワークを管理する施設として、サンディエゴにNetwork Operations Center(NOC)を敷いた。コンテンツプロバイダが保有する映像コンテンツは、インターネットや衛星を使ってNOCに送信され、コンテンツを加工した後に各地域のLocal Operations Center(LOC)に渡される。LOCでは地域毎に特化したコンテンツなども収集され、これらがFLOのトランスミッター経由で放送波としてユーザーの端末に届く。
クアルコムのFLOネットワークと、携帯電話事業者の3Gネットワークで、事業者は独自の放送サービスを展開できる
コンテンツが送信されるまでの工程
米国版MediaFLOでは、チャンネルの変更が2秒以内、端末は標準で4時間以上番組が閲覧できることが定められている。送信される番組は、映像コンテンツがH.264+形式(QVGAサイズ、30fps)で20チャンネル、音声コンテンツがAAC+形式で10チャンネル程度となる見込み。
ただし、この数値は6MHz幅を使って提供される米国版のもの。Rob Chandhok氏は、米国以外にもMediaFLOを普及させるとし、日本でKDDIとジョイントベンチャー「メディアフロージャパン企画」を設立したことなどを説明した。
また、クアルコムでは、ワンセグとMediaFLOをワンチップで実現するチップを発表しており、海外向けのこのチップでは、対応する周波数帯などが大きく拡張されている。日本では携帯電話向けの地上デジタル放送「ワンセグ」がサービスインしているため、商用化される場合は米国版ではなく、第2世代以降のチップが採用されると見られる。
このほか、無料で楽しめるワンセグとは異なり、MediaFLOは基本的に有料サービスとなる見込み。Rob Chandhok氏は、「(無料放送は)技術的には可能。携帯電話事業者が広告モデルなどを作って、無料で展開することも考えらえるが基本的には有料コンテンツではないか」と語った。コンテンツを保存できる点もMediaFLOの特徴だ。
同氏は、「従来は携帯電話会社がインフラを整備していたが、MediaFLOがインフラを作る」と語り、MediaFLOが従来のクアルコムのビジネスとは異なる点を示した。欧州のDVB-Hと比較すると、インフラコストは2倍近く安く展開できるという。
なお、BREW 2006 Conferenceでは、報道関係者向けにNOCも公開される予定。こちらの様子は後日レポートする。
MediaFLO技術の概要
DVB-Hと比較するとインフラコストはトータルで2倍近く安くなるという
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URL
BREW 2006 Conference(英文)
http://brew.qualcomm.com/brew/brew_2006/
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(津田 啓夢)
2006/05/31 18:32
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