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MediaFLOは、携帯電話に放送を受信する機能を付け加えるためのプラットフォーム。「MediaFLO」の“FLO”は、“Forward Link Only”の略称で、サーバーにリクエストして、データをダウンロードするインターネット型のサービスではなく、一般家庭のテレビと同じように、携帯電話は電波を受信して動画を再生する放送型のプラットフォームとなる。 MediaFLOでは716～722MHzの6MHzを使用し、300kbps程度の動画を20チャンネル配信できる。チャンネル切り替えにかかる時間がおよそ1.5秒と一般のテレビ並みにしたほか、端末のバッテリが900mAhの場合、約3.8時間動画再生できる省電力性も大きな特徴。クリッピングとして放送の一部をファイルでダウンロードできる機能も備えている。また、帯域幅もDVB-HやS-DMBは20チャンネルの確保には12～20MHz程度が必要となるが、6MHz幅で可能な「省帯域」なのがウリだ。また、インターネット網との連携も特徴で、ユーザー認証や暗号キー配信など著作権管理系のやりとりがインターネット網を通じて行なわれる。なお、商用サービスではH.264、30fps、QVGAサイズの動画になる見込み。なお、MediaFLOでは、EPG（電子番組表）の表示なども可能。 ビジネスモデルは、同社の子会社であるMediaFLO USAが複数のコンテンツベンダーと契約。それらを集約し、通信事業者に環境ごと販売するホールセールモデルを取る。日本ではコンテンツの集約を通信事業者が中心になって環境作りを行なっているため、どういった形で日本で展開されるかが注目される。なお、日本ではまだ「試験用の周波数も割り当てられていない状態」とのことで、実現まではしばらくかかりそうだ。 デモンストレーションでは、同社の試験用端末でQVGAサイズ、15fps、H.264の動画が再生されていた。しかし、国内ではまだ実験ができないため、電波を受信して動画を再生するいわゆる放送ではなく、端末に保存された動画を再生する形となった。伊藤忠商事や松竹、三井物産、阪神タイガースなどがコンテンツを提供し、会場デモが行なわれている。 なお、会場には携帯電話向けチップセットのロードマップも展示されている。それによれば、来年にはコアが2つの「デュアルコア」仕様となる「MSM7200」を投入する。MSM7200は、HSUPAに対応。VGAサイズの動画や6メガピクセルカメラもサポートする見込み。
■ ＵＲＬ クアルコム http://www.qualcomm.co.jp/ ■ 関連記事 ・ 国内最大級のモバイル関連イベント開幕 ・ クアルコム、携帯向け動画配信技術「MediaFLO」の詳細を説明 ・ クアルコム本社でHSDPAやMediaFLOのデモ ・ クアルコム、会場で「MediaFLO」をデモ （伊藤 大地） 2005/07/14 19:19 | |||||||||
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