「グローバル・ハウス」や一部企業パビリオンでは、カード型や小型の情報端末を来場者に貸し出し、館内の見学をより深く楽しんでもらおうという試みがなされている。本稿では、グローバル・ハウスと日立グループ館の取り組みを紹介する。
■ 日立は燃料電池にμ-chipリーダー、小型HDD搭載の端末
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「日立グループ館」。滝のモニュメントが印象的
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長久手会場の北側、企業パビリオンゾーンBの「日立グループ館」では、「Nature Viewer」と呼ばれる情報端末を来場者に貸し出している。これは、同パビリオンのメインとなる希少動物達と最先端の映像でふれあうアトラクションの前に、現在絶滅の危機に瀕してる動物たちの情報を集めるというコーナーで使用されるもの。端末にはμ-chipリーダーが内蔵されており、館内に設置されたポイントで情報を読み取ると、動物の情報が画像や動画で紹介される。
端末はリチウムイオン充電池に加え、日立が開発中のメタノール水溶液を燃料とする燃料電池を併用。リチウムイオン充電池をフル充電した状態で、メタノール水溶液を交換しながら約13時間の動作が可能という。なお、メタノール水溶液を納めたカートリッジは一般客が外せない仕様となっている。
現場で端末の解説をして頂いた日立製作所 トータルソリューション事業部 プロジェクト統括本部 社会フロンティアプロジェクト部 技師の赤羽 誠一によれば、この端末における燃料電池は「リチウムイオン充電池を延命させるといった感覚」だという。また内部には動物の画像や動画を収録した小型のHDD「iVDR」を内蔵。すでに発売されているもので、容量は20GBのものが搭載されているとのこと。
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来場者に貸し出される「Nature Viewer」。2種類のボタンが装備されたシンプルな端末
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館内のポイントに端末をかざしたところ。動画で動いている様子を確認出来る場合もある
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クリアパーツを使用したモック。内蔵された「iVDR」が確認できる
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裏側。ディスプレイの裏側、赤い部分がμ-chipリーダー
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■ 「グローバル・ハウス」ではカード型の音声受信端末
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「グローバル・ハウス」。冷凍マンモスの頭部やスーパーハイビジョンなど、展示物の話題に事欠かないパビリオンだ
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長久手会場の中心、センターゾーンにある「グローバル・ハウス」では、来場者に「Aimulet GH(アイミュレットGH)」と呼ばれるカード型の端末が貸し出される。これは赤外線で送られてくる情報を太陽電池パネルで電気信号に変えて情報を音声で伝えるというもので、電池の要らない薄型のカード型となっている。カードの隅には小型スピーカーが搭載されており、ここを耳にあて、太陽電池パネルを音声情報の発信装置に向けると音声が流れ始める。また、無線ICタグを内蔵しており、来場者の位置や足取りなども把握できるという。
館内にの展示物があるスペースにはそれぞれに、上方に赤く光る音声情報の発信装置が設置されており、展示を見たり解説を読むだけでなく、音声による解説も受けられる仕組みだ。
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薄いカード型の「アイミュレットGH」
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上方に取り付けられた音声情報の発信装置
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使用する様子。発信装置は館内の様々な場所に設置されている
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■ URL
日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
アイミュレットGH
http://www.aist.go.jp/pr/expo/contents/aimuletgh/aimuletgh.html
2005年日本国際博覧会協会
http://www.expo2005.or.jp/
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