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スマホがニコ生配信のマイクになる、ドワンゴ×NTTが実験
H.265/HEVCで「ニコラジ」生配信も
(2016/2/18 17:17)
ドワンゴとNTTは、映像技術開発の取り組みのひとつとして、「ニコニコ生放送」でAndroidアプリを使った実証実験を実施する。実験内容は、複数の音源を集約する技術を用いた配信用マイクアプリと、動画圧縮技術「H.265/HEVC」を用いたリアルタイム映像配信の2種類。
スマホをワイヤレスマイクにする「拡張マイク集音技術」アプリ
配信用マイクアプリの実験では、スマートフォンをパソコンの拡張マイクとして使える「スマホ拡張マイクアプリ(実験)」がGoogle Playで提供される。期間は2月18日~3月22日。アプリを利用して撮影した動画や生放送に専用のタグ「スマホ拡張マイク」をつけて投稿すると、実験に参加できる。
パソコン用のプラグインソフトウェアとアプリをペアリングすると、Wi-Fi接続した最大5台までのスマートフォンを追加のマイクとして使える。複数人の動画で、全員の声がクリアに入れることができる。また、「抑圧機能」では、テレビの音や“お母さんの声”といった配信中に聞かれたくない生活音が鳴る場所の近くにスマホを置くことで、聞かれたくない音を抑えることができる。
スマホ拡張マイクアプリは、NTTの「振幅スペクトルビームフォーマ技術」を応用したもの。通常、離れた場所の音源をそのまま拡張マイクとしてつなぐと、音が二重に聞こえたり音質が劣化したりするが、この技術では音源のうち、遅延の影響を受けづらい成分のみを利用することでクリアに聞こえる音声を合成できる。
「ニコラジ」を高圧縮でスマホにリアルタイム配信
リアルタイム映像配信実験では、ニコニコ生放送の公式番組「ニコラジ」を次世代の動画圧縮技術「H.265/HEVC」で圧縮し、Androidスマートフォンに配信するというもの。
実験期間は2月18日~3月1日で、期間中の平日19:00~20:00に放送される「ニコラジ」全9回が対象。Google Playで配信されている実験専用アプリ「niconico 生放送高圧縮配信実験用」でニコラジを視聴することで実験に参加できる。
「H.265/HEVC」は、現在主流となっている「H.264/MPEG-4 AVC」の半分のデータ量まで圧縮可能な技術。従来技術と同じデータ転送量で、より高画質な映像が期待できる。「H.265/HEVC」で圧縮した動画は、これまでNTTドコモの「dアニメストア」などで実験的に配信されてきた。スマートフォン向けの大規模な同時配信について両社は、「世界でも初の試み」としている。