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NFCでスマホをキャッシュカードに、日立が金融機関向けサービス

 日立製作所は、キャッシュカードの情報をスマートフォンのNFCに格納してカードレスでの取引を可能にする「日立モバイル型キャッシュカードサービス」の提供を開始した。金融機関向けの新サービスとして提供され、同社では、金融とテクノロジーを組み合わせた“FinTech(フィンテック)”サービスの第1弾と位置付けている。

 「日立モバイル型キャッシュカードサービス」は、スマートフォンのNFCチップに口座番号などの情報を格納して、キャッシュカード代わりにするというもの。口座番号などの情報は、スマートフォン内の安全性の高い領域で管理される。

 金融機関が同サービスを導入すれば、ユーザーが金融機関のアプリ上で「現金引き出し」などの操作を事前に登録し、窓口やATMでスマートフォンをかざすだけで取引できるようになる。店頭やATMには読取端末の設置といった改修も行われる。日立では、伝票の記入や印鑑などが不要になるとアピール。また通常のキャッシュカードであれば、申し込み~カード到着まで1週間程度かかるが、本サービスでは利用申請→専用アプリのダウンロード/設定ですぐ利用を開始できるとのことで、ユーザーの利便性向上に繋がるとしている。

 まずは基本的な機能が提供され、2016年度上期に、店舗向けサービスやATM向けのサービスが、2016年度下半期にはネットバンキング向けサービスが提供される。

関口 聖