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「SPAJAM2014」本選スタート、二徹でアプリ開発
(2014/7/5 01:06)
モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が主催する、スマートフォン向けアプリのアイデアや開発スキルを競うイベント「SPAJAM(スマートフォンアプリジャム)2014」の本選が7月4日~6日に開催されている。
本選を争うのは、ハッカソン部門が11チーム49名(うち女性8名)、企画部門が3チーム6名(同1名)の計55名。参加者の年齢は18歳~36歳。
7月4日夜、参加者が夕食をとりながら開催された前夜祭では、実際に本選で開発するアプリのテーマが発表された。今回のテーマは「日本文化を好きになる」。その後、審査員や関係者も加わりアイデアソンが実施され、その模様はニコニコ生放送でも中継された。
アイデアソン終了後、同日22時より本選がスタート。5日午後の中間プレゼン、6日朝の最終プレゼン、6日昼の審査委員会での審査を経て各部門の受賞者が決まる。表彰式(受賞者の発表)は7月15日に行われる。
同イベントの中では、5日14時半からは大会の実行委員長でガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長CEOの森下一喜氏とコロプラの柳澤康弘氏による対談も予定されており、この模様はニコニコ生放送でも中継される。
女子マネによるラジオ体操で目覚まし【7/5 9:00】
本選2日目となる7月5日の朝9時。本選会場では眠気を吹き飛ばすべく、ドワンゴの“女子マネージャー”(参考)によるラジオ体操が行われた。えんじ色のジャージに身を包んだ女子マネ3人によるハイテンションな挨拶に始まり、本選参加者や審査員を巻き込み、全員でラジオ体操第一で体をほぐし、リフレッシュ。ラジオ体操の終了後には、SPAJAM2014のファイナリストの証とされるステッカーが女子マネより配布された。
中間プレゼン&パネルディスカッション【7/5 13:00】
7月5日午後、本選会場のステージ上でインタビュー形式による各チームの中間プレゼンが行われた。
各チーム、進捗は20%程度というところが多いが、中にはまだ内容が決まっていないというチームもあった。最終プレゼンまで時間が限られる中、前夜からの睡眠時間は3時間程度という参加者も多く、体力勝負の様相を呈してきている。
中間プレゼンの終了後には、同ステージ上でガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜氏とコロプラの柳澤康弘氏によるパネルディスカッションが行われた。
「企画・仕様をどれくらい作り込んでから開発に着手するのか」などのテーマに対し、両氏が笑いを交えつつ回答していった。森下氏は「最初の企画書はペライチで構わないが、画面のビジュアルをイメージが直観的に共有できることが大事」とアドバイス。柳澤氏は「まずは手ざわり。ゲームのコアになる部分を実際に作って試してもらって反応を見ると発見がたくさんある」とコメントした。
ともにゲーム好きの両氏とあって、互いにハマっているゲームの話で盛り上がるなど脱線しつつも、「スマホが出てきたことで、今までそんなにゲームをしなかった人にプレイしてもらえる機会が増えた。ゲーム専用機向けとは作り方を変えていく必要がある」(森下氏)と語るなど、スマートフォン向けに「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー)や「魔法使いと黒猫のウィズ」(コロプラ)といったヒット作を生み出した両社ならではの鋭い指摘も随所に盛り込まれたステージとなっていた。
最後の追い込み【7/6 6:00】
最終プレゼン資料の提出期限は7月6日朝8時。すでに3チームほど資料を提出したチームがあるとのことだが、それ以外の各チームは疲労が隠せない状況の下、最後の追い込みを行っている。
最終プレゼン【7/6 9:00】
6日午前9時、審査員を前にした最終プレゼンが始まった。企画部門の3チーム、ハッカソン部門の11チームの順に、各チーム5分+質疑応答2分という形式でアピールタイムが設けられた。
企画部門のテーマは「2020年のアプリ」。
ヘリコプター、スマートフォン、カメラを融合させ、声で撮影したり、アングルなどを自動的に判断して撮影したりできるという「HeliPhone Camera」、お金と時間がかかるネイルの問題を専用のフレキシブル液晶を搭載したネイル型チップを使い、アプリ上で色の変更やデコレーションなどが行えるという「簡単!着せ替えネイルアプリ」、SNS上の写真から遺影を自動作成したり、AI機能で故人と会話したりできるという「e-Yeah」の3作品について、コンセプトが披露された。
現在の技術では実現不可能だが、2020年には実現できるかもしれないという企画テーマなだけに、奇想天外な発想が随所に散りばめられている。また、現代社会が抱える課題を巧みに風刺するような側面もあり、アプリを動かす必要があるハッカソン部門とは異なる面白さがあった。
ハッカソン部門のテーマは「日本文化を好きになる」。
ダルマを投げてコケシを倒すゲーム「コケシボーリング」(アンチキラキラ女子チーム)、日本を訪れる外国人が自分に合うガイドを探せるアプリ「MotenashiMap」(進撃のDMTC~Attack on Hacker~)、日本の文化や歴史を時系列で楽しめるすごろくゲーム「じばんぐ双六」(株式会社グッドラックスリー)、コスプレ写真を投稿・評価できる「Cos Pad」(Circulation)、バーコードを読み取ってメンコを作成し、スマートフォンを振ってメンコ遊びを再現した「バトルメンコ!」(パイレーツ・オブ・イチミヤン~ポセイドンのめざめ~)、外国人が不思議に思うモノの使い方を質問できるアプリとクイズ形式でその質問に答えられる日本人向けのアプリの2つをサーバー上で連携させた「ナニコレ」(朝風呂ブラザーズ)、地球の危機を残業で救うタイピングゲーム「地球防衛会社 -残業課-」(俺たちアクワイア開発軍!)、端末を振ることでツッコミを入れられる「なんでやねん」(GONBE)、ビーコン内蔵の提灯を利用して観光情報と防災情報を配信できる「Pieces of Japan」(チームMizuki)、歩数や活動量などのライフログを日本の歴史や雑学を交えて紹介する「hinomoto」(ひとりっこりぃず)、飲み会の“コール”をアプリを振ることで再現できる「Call JAPAN!!」(Myxomycetes)の11作品のコンセプト紹介とデモが行われた。
各チーム、ほとんど寝ずに動くアプリを開発しながらも、しっかりとプレゼンのストーリーを組み立て、アプリの魅力をアピールしていた。5分という短時間でのプレゼンなだけに、デモの途中で時間切れになるチームもあった。
審査結果が発表されるのは、7月15日。これらの作品の中から実際にアプリマーケットでヒットするものが出てくるのかもしれない。