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子どもの“本物志向”を叶える、JS向けスマホ「Fairisia」

Android 4.2、専用SIM搭載、1GBで月額2390円

 バンダイナムコグループのメガハウスは、専用SIMカードを搭載したティーンズ向けのAndroidスマートフォン「Fairisia (フェアリシア)」を7月下旬に発売する。IP電話、メール、インターネットができるほか、チャット、辞書などオリジナルアプリを含む30コンテンツがプリインストールされている。またGoogle Playからアプリを追加することも可能。端末価格は2万2990円、1GBの通信量込みで月額2390円。トイザらスなどの玩具量販店またはオンラインショップでの販売を予定している。

「Fairisia」ラベンダー/ホワイト

 「Fairisia」は、Android 4.2搭載のスマートフォン。専用SIMカードで毎月1GBの3G通信が利用できる。IP電話番号が割り当てられ、通話ができる。Fairisiaのユーザー同士であれば無料通話が可能。メインターゲットは10歳~13歳としている。

親子のニーズに応えるスマホ

 Fairisiaには、流行に敏感な女子に好まれるオリジナルアプリが多数搭載されている。専用のチャットアプリ「tete(ティティ)」や作成したイラストでスタンプが作れる「スタンプメーカー」、落書き機能が充実した「デコカメラ」、音楽再生用の「LUX3D」などお楽しみ機能が豊富に揃う。そのほか、学習に役立つ辞書アプリなども用意されている。

 メガハウスによると、子供向けのおもちゃではなく「本物のスマートフォンを持ちたい」という女の子のニーズに応えるため、通話やメールに加え、Google Playからアプリの追加を可能にしたという(保護者のアカウントを使用)。デザインもおもちゃっぽくない本物のスマートフォンに近いシンプルなデザインに仕上がっている。カラーはラベンダーとホワイトの2色。“女子ならピンクでしょ”という考えは大人の発想で、「イマドキの女子小学生は大人っぽい色を好む」のだとか。

 子どもが本物志向である一方で、スマホを持たせる親にとってはさまざまな懸念があるが、Fairisiaにはペアレンタルコントロール機能を搭載している。利用するアプリや、使用時間の制限が設定できるほか、遠隔操作により、子どもがダウンロードしたアプリを親が確認できるといった機能を備えている。ただ利用を制限するのではなく、各家庭で話し合って決められた利用ルールや、子どもの成長によって柔軟に変更することができる。

 「本物を持ちたい」と考える子どもと、「スマホを持たせるのはまだ早い」と考える親のどちらのニーズも応え、端末・ソフト・通信・料金において携帯キャリアとは違う付加価値を提供し、顧客をつくるねらいだ。

主な仕様

 Fairisiaはコヴィア製のAndroidスマートフォン。4.0インチ(WVGA)のディスプレイ、OSはAndroid 4.2、チップセットはMT6572デュアルコア1.0GHz駆動 CortexA7を搭載している。メモリーは512MB、ストレージは4GB。カメラはメインカメラが200万画素、フロントカメラが30万画素。バッテリーはリチウムイオン電池1350mAh(取り外し可)、32GB対応のmicroSDカードスロット、標準サイズのデュアルSIM(専用SIMのみ対応)、外部インターフェイスはmicroUSB。Bluetooth4.0に対応。本体サイズは62.5×9.7×127.7mm、重さは126g。

 登録手数料は3000円。基本料金とデータ通信(1GB)とIP電話や遠隔ロック機能、セキュリティアプリ、ブルーライト削減アプリを含む「安心パック」込みで月額2390円。ドコモの通信網が利用できるIIJの専用SIMカードがパッケージされている。なお、初月の利用料金は無料。通話料金は、固定電話宛は8円/3分、携帯電話宛は16円/1分、Fairisia宛は無料、その他の050番号宛は8円/3分。購入後にクレジットカード決済の登録、SIMカードのアクティベートが必要となる。

 SIMロックは解除できない。7カ月以内に解約する場合、契約解除料(最大1万1950円)がかかる。

※価格はすべて税別

専用ケース
ストラップホールは本体にはないが、ケースについている

子ども向けのモバイル事業を新設

 メガハウスによると、同製品のメインターゲットは10歳~13歳。子ども向けに、いわゆるおもちゃとしてのスマホは玩具メーカーからさまざまな種類が販売されているが、本物のスマートフォンを、子ども向けに玩具メーカーが手がけるのは今回が初めてだという。

ルービックキューブやオセロを手がける玩具メーカー
「tap me」は日本おもちゃ大賞2013イノベイティブ・トイ部門優秀賞に輝いた

 メガハウスといえば、ルービックキューブやオセロなどを手がける玩具メーカーだが、昨年7月には子供向けタブレット「tap me(タップミー)」を発売、2014年3月にはその後継機となる「tap me+」を発売した。tap meシリーズはWi-Fi通信機能を備えている製品だが、今回販売することになったFairisiaは通信サービス(SIMカード)を含む製品展開で、新たな試みとなる。同社では新規事業として「子供向けモバイルサービス事業」を設立、モバイル通信事業者として総務省への申請も完了したという。

 今後は、男の子向けや、違った年齢層をターゲットにした製品展開も検討しているという。ケータイ売場での扱いではなく、おもちゃ売場となる現状の販路には大きな課題が残るとしている。2015年3月末までの販売台数目標は5万台、売上目標は20億円を掲げている。

川崎 絵美