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ドコモとパイオニア、対話型でクラウド活用の運転支援サービス
(2013/11/14 20:25)
NTTドコモとパイオニアは、クラウド上の渋滞情報や周辺情報を活用でき、スマートフォンに話しかけて利用する運転支援サービス「ドコモ ドライブネットインフォ」を開発したと発表した。ドコモのサービスとして、スマートフォンアプリの形で12月中旬より提供される。利用料は無料で、2013年冬モデル以降の一部のAndroid端末が対応する。iPhoneへの対応は検討中としている。
今回提供される「ドコモ ドライブネットインフォ」は、スマートフォンアプリで提供される運転支援サービス。しゃべってコンシェルの対話機能を、車の中での利用に最適化して搭載しており、周辺の渋滞情報、レストランなどの周辺検索、同じアプリを利用するほかのユーザーからの情報を活用する渋滞情報の投稿機能、通話の発信やSMSの送受信機能、スケジュールや天気、ニュースの読み上げ機能機能、音楽再生機能の操作などの機能を備えている。これらの機能の操作はユーザーがスマートフォンに話しかける対話型の操作で行える。
同サービスで提供される情報は、パイオニアが開発したクラウド基盤「モバイルテレマティクスセンター」が活用される。このセンターには運転状況把握エンジンが搭載され、ドコモの技術と組み合わせることでサービスとして提供される。
「ドコモ ドライブネットインフォ」の提供に合わせて、従来から提供されているカーナビゲーションアプリ「ドコモ ドライブネット」は、「ドコモ ドライブネットナビ」に名称が変更される。利用料は月額315円でこれまでと変わらず、「ドコモ ドライブネットインフォ」と組み合わせれば、ナビの進行方向の渋滞情報を確認することも可能。「ドコモ ドライブネットナビ」は12月1日よりiPhone向けアプリも提供される。
ドコモはこのほか、車載用のホルダーを改良した「スマートフォンホルダ01」と、「カーナビ用センサーユニット01」をそれぞれ12月中旬に発売する。「スマートフォンホルダ01」の価格は4830円、「カーナビ用センサーユニット01」の価格は8295円。
ホルダーにはNFCチップが内蔵されており、スマートフォンを設置するだけでアプリ「ドコモ ドライブネットインフォ」を自動的に起動できる。また、ホルダーにはハンドル用のリモコンが付属しており、アプリ「ドコモ ドライブネットインフォ」を利用中、音声操作の機能をワンボタンで呼び出すことが可能になっている。
14日には都内で記者向けに発表会が開催され、ドコモ、パイオニアの両社からサービスが説明された。NTTドコモ 代表取締役副社長の岩崎文夫氏は、スマートフォンの増加や、それにともなう同社のスマートライフのパートナーになるという方針を説明し、パイオニアとの協業はM2Mの分野での取り組みであると紹介した。
また、ドコモは、自動車向けのしゃべってコンシェルのエンジンなどをはじめたとしたドコモITSクラウドを構築し、今回のサービスのために技術や情報を提供したと解説され、音声での操作が「大きな目玉」と位置付けた。一連のサービスや機能は、コンシューマ向けだけでなくビジネス向けの提供も検討しているとし、自動車に関連した保険や、タイヤや機器などアフターサービスの市場向けにも展開していく方針。「パイオニアとともに、グローバルな展開も進めていく」と方針が打ち出された。
パイオニア 代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏は、今回のサービスに合わせて、ほかの企業のコンテンツを含めてサービス基盤となりうる、各種のエンジンを備えた「モバイルテレマティクスセンター」が稼動したことを紹介し、通信ネットワークの進化とともに、事業機会が拡大していくと解説。パイオニアとして、ネットワークに対応した開発を早期に進めていく方針を示した。