今週のケータイ Watchの読み方 (2012年8月24日)


 

「docomo Wi-Fi」永年無料キャンペーン

 


 

 NTTドコモが、「docomo Wi-Fi」が永年無料になるというキャンペーンを発表した。新規ユーザーでも既存ユーザーでも、キャンペーン期間中に条件を満たし、その後も条件を満たしている限り、ずっと無料で利用できるというものだ。キャンペーン期間も2014年3月31日までと長く、「docomo Wi-Fi」を契約している、あるいはこれから契約するユーザーの大部分が無料で利用できることになるだろう。

 3キャリアが提供する公衆無線LANサービスではほかに、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンク Wi-Fiスポット」(26万スポット・6月時点)、KDDIの「au Wi-Fi SPOT」(10万スポット・3月時点)がある。「docomo Wi-Fi」は8月時点で約3万8000スポットで、スポット数では他社が先行する形だが、2013年3月までに最大で約15万スポットを目指すとしている。ドコモ以外の2社は、対象プランを契約していれば無料でそれぞれの公衆無線LANサービスを利用できるため、ドコモも料金面ではこうした流れに追随した格好となった。

 スポット数も関係してくるが、Wi-Fiという規格上、冷静に考えるべき部分もある。というのも、Wi-Fiは有線のLANケーブルを無線化し、パソコンなどでの利用を念頭に発展してきたため、“移動体”という概念が希薄だからだ。Wi-Fiには、携帯電話基地局と端末間のようなハンドオーバーの概念が無いため、例えば“接続を維持したまま隣のWi-Fiスポットに移動(接続)する”ことはできない。基本的に、ユーザーが静止している状態で利用するものだ。

 カフェで休息中といった、移動しない間なら問題にはならず、多くの場合は通信速度も速いので、積極的に活用したいところ。ところが、東京などの大都市部は公衆無線LANスポットで溢れかえっており、繁華街や駅周辺を歩いたり、都内を電車で移動したりしただけで、次々に公衆無線LANスポットを補足してしまう。移動中に補足してしまうと、接続の確立や認証待ちなどで、かえって通信できない時間が増えるほか、移動しているため接続してもすぐに圏外に出てしまい、結果として使い勝手を著しく低下させる要因になっている。また、自動接続の場合は1つの無線LANルーターにアクセスが集中し、通信速度が著しく低下するといったケースもある。KDDIはこうした問題に対し、地域を限定しWi-Fiで擬似的にハンドオーバーを実現する仕組みを実験しているが、普及という意味でまだまだこれからだ。

 ネットワークインフラを構築する事業者からは、公衆無線LANサービスはキャリアグレードの品質ではないという声も聞かれる。移動体通信のオフロードとして考えるならば、スポット数や料金面のほかにも、解決すべき課題が残されている。

 


ドコモ、「docomo Wi-Fi」が永年無料になるキャンペーン

 


 

 

ドコモ、Flash Playerアプリの提供終了を案内

 


 

 アドビ システムズやグーグルから度々示されてきたが、Android向け「Flash Player」の提供が終了されると、ドコモから改めて案内された。具体的には、「GALAXY NEXUS SC-04D」において、8月15日以降は新規にインストールができなくなるというもの。インストール済みの場合は継続して利用できるが、初期化、アンインストール、故障修理などを行うとインストールし直すことはできなくなる。

 Android向け「Flash Player」の提供が終わるのはドコモだけに限った話ではなく、業界全体の話題だ。日本ではまだ搭載端末は登場していないが、最新の「Android 4.1」搭載端末はFlash Playerに非対応で、Google Playで検索しても表示されない。アドビも、Android 4.1以降の端末向けには「Flash Player」を開発しないと表明している。代替技術で有力なのはHTML5で、スマートフォン向けに限らず、HTML5で構築されたWebサイトはすでに広がりつつある。

 現在のところ、最も大きな影響を受けそうなのは動画サイトだろうか。例えば「ニコニコ動画」はスマートフォン向けWebサイトでもFlashを利用しているが、端末に「Flash Player」がインストールされていないと、一切の動画を再生できない。もっとも、Flash Playerの開発終了を受け、「新しいAndroid向けニコニコ動画プレーヤーを開発中」と案内しており、遠からず対応されそうだ。よく利用するWebサイトやサービスのFlash対応状況、および今後の展開は、改めて確認しておく必要があるだろう。

 


ドコモ、Flash Playerアプリの提供終了を案内

 


 

 

ニューモデルの発表・新情報

 



“ボス電”がソフトバンクから登場、サントリーとコラボ

ジョジョスマホ「L-06D JOJO」、8月30日に発売

ドコモの「AQUOS PHONE sv SH-10D」、8月24日より予約受付

ドコモ、「キッズケータイ HW-01D」の事前予約受付

ドコモ、「ARROWS Me F-11D」を発売

KDDI、インマルサット対応の衛星携帯電話「IsatPhone Pro」

7インチタブレット「edenTAB」、SIMカード同梱版が登場

 




(太田 亮三)

2012/8/24 17:47