「らくらくスマートフォン」20日予約開始、大竹しのぶがミニスカ登場


らくらくスマートフォン
55歳の誕生日を迎えた大竹「若ぶるってことも大事」

 NTTドコモは、Androidベースのシニア向け携帯電話「らくらくスマートフォン F-12D」を8月上旬に発売する。これに伴って7月20日より事前予約を開始する。17日、富士通は「らくらくスマートフォン」のテレビCM発表会を開催した。

 「らくらくスマートフォン」は、タッチインターフェイスを採用したシニア向け携帯電話。Android 4.0をベースに独自のユーザーインターフェイスを採用したモデルだが、基本的にGoogle Playは利用できず、その代わりプリセットのアプリが充実している。シニア向けのdメニューが用意されるほか、24時間監視付きのシニア向けコミュニティサービス「らくらくコミュニティ」に対応する。

 ディスプレイは4インチ、480×800ドットのTFT液晶。カメラは約810万画素と約32万画素のCMOSセンサーを搭載する。CPUは1.4GHzシングルコアのクアルコム製「MSM8255」を採用する。

 防水仕様で、おサイフケータイやワンセグ、赤外線通信、Bluetoothなどに対応する。通信は、下り最大14Mbps、上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードやWi-Fiに対応。Xiはサポートしない。バッテリー容量は1800mAh。大きさは130×64×10.9mmで、重さは約139g。

「らくらくスマートフォン」では100万台目指す

 1999年に第1弾が登場したらくらくホン。富士通としては、2001年に第1号機を投入し累計2000万台を超えるセールスを記録しており、現在、年間で200万台程度が出荷されている。そのユーザー数は1000万ユーザーとも言われる。富士通では年間800万台を目標に製品展開しており、「らくらくスマートフォン」では100万台を目指すという。

 富士通の代表取締役副社長の佐相秀幸氏は、らくらくホンシリーズについて「見た目は何の変哲もないケータイだが、外見とは裏腹に富士通グループの最先端技術の集大成だ」と話す。同社がらくらくホンで培った音声技術などは富士通のほかの携帯電話などに横展開され、スマートフォンでもそれは引き継がれている。

 富士通は2011年度、国内出荷数のシェアトップに立った。佐相氏は「ARROWSシリーズにらくらくスマートフォンを加えて首位を堅持する」と語った。


写真右から、大谷氏、佐相氏、大竹しのぶ、富士通執行役員の高田克美氏 

55歳以上の42.6%、スマートフォンを使いたい

ドコモの丸山氏

 NTTドコモのプロダクト部長である丸山誠二氏は、らくらくホンシリーズとしては約2100万台、これまでに18モデルを投入していると説明。55歳以上の42.6%がスマートフォンを使ってみたいと回答したというアンケート結果を紹介した。らくらくホンはこれまでiモードブラウザに対応していたが、より大きな画面でネットを利用したい需要があるとした。

 ドコモでは、「親切、簡単、見やすい、安心」といったこれまでのらくらくホンシリーズのキーワードを踏襲し、スタンダード、ベーシックのらくらくホンラインにスマートフォンを加えて拡充を図る。



らくらくスマートフォンでシニアに感動を

 富士通の執行役員常務の大谷信雄氏は、「らくらくスマートフォン」について、「シニアに感動や喜びを与え続けるスマートフォンを目指す」と語った。富士通は、「らくらくスマートフォン」の開発にあたって、18カ月前からシニア層約3000人を対象に調査を実施し、2カ月間に渡りシニア100名にスマートフォンを貸し出してさまざまな意見を得た。しかし大谷氏は「スマートフォンへの期待がある一方、たくさんの課題が出た」と話す。

 シニア向けのスマートフォンを開発する上で、通常のユーザーインターフェスにシニア向けのインターフェイスをかぶせただけでは課題を解決できないと判断し、富士通はハードウェアなどのキーデバイスを開発し、Android OSをカスタマイズ、ハードからソフトウェアをカスタマイズすることを決めた。

 ユーザーインターフェイスは、1000万ユーザーとも言われる既存のらくらくホン利用者を意識して、携帯電話版とほぼ同じインターフェイスを用意した。さらに、スマートフォンらしく、かつシニアが簡単に操作できるよう縦スクロール型の新インターフェイスも選べるようにした。

 大谷氏は「Googleのアカウントをとってアプリをダウンロードする必要はない」と述べた。「らくらくスマートフォン」では、アプリを自由にダウンロードして利用することはできないが、プリセットのアプリを多数用意することで、シニアの需要に応えたい考えだ。

 このほか、コミュニティサービス「らくらくコミュニティ」が7月25日からスマートフォンでも利用できるようになる。無料の会員サービスとなり、話題を投稿すると、運営側で投稿をチェックした上で投稿される。24時間のサポート体制を組んでおり、電話番号や住所、写真(孫の裸など)などに問題があれば掲載されることはないとのこと。シニアのコミュニティ利用を促進し、まずは慣れてもらうことを目的としているという。

 また、「らくらくスマートフォン」の海外展開も視野にいれており、今年2月の展示会「Mobile World Congress」では、世界の通信事業者に紹介したという。世界のスマートフォン市場ではシニア向けのアプローチは珍しく、「らくらくスマートフォン」で存在感を示していきたい考えだ。



大竹しのぶ登場

 発表会には、テレビCMに出演する大竹しのぶが登場した。大胆なミニスカート姿を進行役に指摘された大竹は、「らくらくスマートフォン」について、「年齢を重ねて、新しいことがちょっとおっくうだなという人にもお勧め。若ぶるってことも大事、楽しい」などと話した。

 また、この日は大竹の55回目の誕生日ということもあって誕生日ケーキが用意された。「新しいこと、楽しいことをして、人生を豊かにしていきたい」と語っていた。




 




(津田 啓夢)

2012/7/17 14:13