Googleマップが7周年、開発中のサービスなど紹介


 グーグルは7日、「Googleマップの進化と未来」と題して7周年を迎えたGoogleマップの発表会を開催した。

 同社ソフトウェアエンジニアの後藤正徳氏よれば、地図サービス「Googleマップ」は、現在、利用の半数以上がモバイルからだという。ナビ機能におけるユーザーの移動距離を合計すると200億kmにのぼり、渋滞情報の提供や屋内地図(インドアGoogleマップ)など拡充を続けている。

 なお、米Googleは、地図データを保存して利用するオフライン利用が可能なGoogleマップの新サービスを発表している。しかし、今のところ日本ではこの機能は使えない。このサービスは、Googleが独自に作成した地図データをキャッシュできるというもので、他社から地図データのライセンスを受けてサービス展開しているエリアでは利用できない。グーグルでは日本での展開について「話せる段階にない」とコメントしている。発表会の中で後藤氏は、「海外とは異なり、日本ではほとんどの場所で電波が入る。海外旅行に行った先で出発前にキャッシュしておいて現地で使う」などと利用方法を説明していた。



 グーグルのプロダクトパートナーシップ本部マネージャーの村井氏は、現在開発中のモバイル向けGoogle Earthの最新動向を発表。「グーグルは、3D化することで地図は高度化すると信じている」と語り、新たな3Dモデリング技術を取り入れたGoogle Earthを紹介した。

 これまでのGoogle Earthは、クオータービューの画面上に3Dオブジェクトとして建物を設置して、地図に高さのデータを導入してきた。これに加え、新技術では立体をさまざまな角度から見る、つまり、写真をさまざまな角度から貼り付けてポリゴン化し、より細かい3D表現を実現するというものだ。これによって、建物だけでなく地形全体を3D化でき、航空写真を見ているかのように見えるという。年内にも米国でモバイル向けのサービスが開始され、日本での対応も予定されている。



 グーグルのプロジェクトマネージャーである村上陽祐氏は、Googleマップを生活の中での利用方法を具体的な形で紹介した。SNS「Google+」を利用して、地域と食べたいものを検索し、外食情報に詳しいユーザーが「Google Place」に掲載した店舗レビューをチェック。そこからさらに、レストランガイド「Zagat」の情報があれば、「Google+」で合わせて確認でき、店内の雰囲気をストリートビューでチェックできるという。

 このほか、ストリートビュー関連では、これまでの自動車や自転車、手押し車を使った撮影に、新たにリュックサック型のカメラを導入したことが明らかにされた。山道など、これまで車が入れなかった場所もストリートビューで確認できるようになる見込みだ。



 

(津田 啓夢)

2012/6/7 16:01