MS、Windows Phoneの最新動向と今後の取り組みを解説


 日本マイクロソフトは、Windows Phoneの取り組みを解説する記者向けの説明会を開催した。

 ソフトウェアプラットフォームとしてWindows Phoneを搭載した端末は、8月25日に「Windows Phone 7.5」を搭載した東芝製の端末「Windows Phone IS12T」がKDDIから発売されている。マイクロソフトではその際にもWindows Phoneの特徴などを解説しているが、今回の説明会では、新たに利用できるようになった機能やサービス、今後提供される機能などが解説された。

日本マイクロソフトの石川氏

 日本マイクロソフト コミュニケーションズ パートナー統括本部 エグゼクティブプロダクトマネージャの石川大路氏はまず、Windows Phoneの基本として、Windows Liveとの連携によるPeopleハブやPictureハブを説明し、同社の無料のオンラインストレージサービス「SkyDrive」と連携して提供されている点が説明された。

 「windowsphone.com」が新たに提供されており、ここでは端末ユーザー向けにポータルサービス「My Windows Phone」が提供されていることを解説した。「My Windows Phone」はパソコンのブラウザからアクセスでき、クラウド連携サービスへのアクセスのほか、端末の位置を探すために音を鳴らしたり、端末をロックしたり、データを削除したりといった機能も提供されている。また、アプリ購入履歴などアカウント情報も管理できる。

 エンターテイメント系サービスでは、「Zune ビデオ」として動画を端末向けに提供しているほか、Xbox Liveと連携してアバターの利用や実績の確認、友人とのコミュニケーションが可能。今後、Windows Phone 7.5向けアプリ「Xbox コンパニオン」が提供される予定となっており、このアプリでは同じIDでサインインしているXbox 360本体のコントローラー操作、動画再生の操作が行える。

 このほか、OSとしてパソコン向けに提供されている「Windows Home Server 2011」を拡張する機能として「Windows Phone Connector」が提供されており、Windows PhoneからWindows Home Serverにリモートアクセスでき、保存された写真が動画といったコンテンツを表示できるようになっている。

 また、キャリアメール(IS12Tの場合なら ~@ezweb.ne.jp のメール)をメールアプリで利用できるようにするアップデートにも触れられ、「開発は順調に進んでいる。もう間もなく、端末上で使えるようになる」(石川氏)と、近々提供される見込みであることを明らかにした。同氏はデモも披露し、絵文字を利用してメールを送受信する様子を公開した。

提供予定の「Xbox コンパニオン」キャリアメール対応は「もう間もなく」と案内された

 日本マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 Office製品マーケティンググループ エグゼクティブプロダクトマネージャの松田誠氏からは、「Office」の一製品として提供されている「OneNote 2010」とWindows Phoneが連携できるデモが披露された。電子メモとしてさまざまな情報を集約できるOneNoteの情報を、Windows Phone端末からも利用できる様子が解説された。

日本マイクロソフトの松田氏OneNoteがWindows Phone端末から利用できる様子を披露

 日本マイクロソフト コミュニケーションズ パートナー統括本部 エグゼクティブプロダクトマネージャの中島憲彦氏からは、Windows Phone Marketplaceの展開について触れられた。おすすめアプリや季節に合わせた特集などが検討されているほか、店頭で配布する冊子や、メールマガジンを通じて情報を配信中。

 中島氏によれば、現在ワールドワイドで3万件のアプリが配信されており、このうち1万件のアプリが日本の端末から利用できるという。ワールドワイドのうち15~20%が日本のデベロッパーとのこと。またワールドワイドでは1日に150~200件のアプリが、日本から利用できるアプリも1日に30~50件が追加されているとのことで、「アプリが少ないと思われがちだが、良いアプリが揃ってきている。カテゴリもさまざまで、日常生活で使っていく分には困らない。端末発売前に開発を表明していただいたデベロッパーも、ほとんどがアプリを開発しリリースしている。もうそろそろ、アプリが無いとは言っていただきたくない」とアプリの充実ぶりをアピールした。アプリ関連では、今後もアプリ選手権や開発者向けイベントなどが予定されている。

日本マイクロソフトの中島氏ジャンルもさまざまな1万件以上のアプリが配信されている

日本マイクロソフトの横井氏

 日本マイクロソフト コミュニケーションズ パートナー統括本部長 業務執行役員の横井伸好氏は、「Windows Phoneは新しいモノで、ポンと渡されてもなかなか良さは伝わりにくい。ユーザーをどんどん増やさないと」と、大きな流れを生み出すことが重要とし、「腰を据えて、しかも速やかにやっていかなければならない。そのためにはユーザーに直接説明できる機会が重要で、取り組みは継続していく」と、ユーザー向けイベントを継続していく方針を示す。

 金曜日にマイクロソフト社内に50~100名を招待してさまざまなテーマで解説する「Friday Lounge」は既に回数を重ねており、「反応のいいテーマはリピートも考えられる」としたほか、直近の施策としては、10月末から開催されるキャンペーンイベントを2つの“Lounge”として展開する予定。10月25日~31日に品川駅構内で「Station Lounge」を開設し、タッチアンドトライやステージイベントを開催するほか、auショップ品川でWindows Phone端末を購入したユーザーには最大5000円分のプリンスチケットがプレゼントされる。

 10月28日~11月6日には、赤坂サカスでカフェ形態の「Special Lounge」をオープンし、タッチアンドトライなどのほか、タレントを呼んだスペシャルステージなども実施される予定となっている。

マイクロソフトで開催される「Friday Lounge」10月末から品川駅と赤坂サカスで開催されるイベント

プレゼンテーション

 




(太田 亮三)

2011/10/24 19:15