モバイル広告大賞、九州新幹線全線開通の「今日の西郷どーん」


 ディーツーコミュニケーションズ(D2C)は14日、モバイルを活用した広告・マーケティングの広告賞「第10回 モバイル広告大賞」の贈賞式を開催した。

 「第10回 モバイル広告大賞」は携帯電話やスマートフォンを活用したマーケティング活動のうち、優れたものを表彰するコンテスト。「マーケティング部門」「アプリケーション部門」「クリエーティブ部門」の3部門でそれぞれ入賞、優秀賞が選出されているほか、全ての部門で最も優れた取り組みはグランプリとして表彰される。

 今回、グランプリに選ばれたのは、JR九州の「九州新幹線全線開業カウントダウンプロジェクト『今日の西郷どーん』」となった。九州新幹線が3月12日に全線が開通することにあわせて実施されたもので、AR(拡張現実)や位置情報、ソーシャルメディアを活用するiPhoneアプリとなっている。鉄道会社で、新規の鉄道車両が導入される際には、カウントダウン企画は頻繁に行なわれるものの、今回は新規性を求めて実施したキャンペーンだったという。

 マーケティング部門優秀賞はアディダス ジャパンの「BE Originals campaign」、アプリケーション部門優秀賞はドミノ・ピザ ジャパンの「Domino's App」が選ばれた。なお、クリエーティブ部門の優秀賞は該当作品なしとなっている。

D2Cの宝珠山氏

 冒頭、挨拶を行ったD2C代表取締役社長の宝珠山卓志氏は、「実は年初、社内に向けて『今年は大きな変革の年』と伝えていた」と語り、時代の節目を迎えていると指摘。3月に発生した東日本大震災では、メディアの重要性が見直され、テレビの信頼度が高まる一方、ネットメディアについても、ポータルサイトやソーシャルメディア、ニュースサイトの信頼度が上がった、という調査データを披露した。また、震災後の広告がACジャパンのコンテンツばかりになったことから、非常時の怖さだけではなく、広告コンテンツそのものの楽しさもあらためて認識されたとして、「マーケティング活動をすることは、震災以降、悪いイメージがあるかもしれないが、それをきちんとやることが、実は、世の中にゆとりをもたらすようなことに繋がるのではないか」と述べ、今後もモバイルマーケティングという分野に取り組み、さらなる普及を図るとした。

 




(関口 聖)

2011/7/14 16:18