3月の携帯・PHS契約数が明らかに、2010年度の動向も

　電気通信事業者協会（TCA）は、2011年3月末時点での携帯電話・PHS契約数を発表した。あわせて2010年度全体の動向も明らかにされている。

■3月の状況

　純増数が多かった順で見ると、ソフトバンクモバイルが49万8100件（ダブルナンバーは400件減）、NTTドコモが48万2900件（2in1は3100件減）、auは26万1600件、イー・モバイルは5万8000件となった。PHSサービスのウィルコムは全国で純増を記録し、7万4800件の増加となった。またワイヤレスブロードバンドサービス（BWA）のUQコミュニケーションズは13万1000件の増加で、累計契約数が80万6600件となり、2010年度末の目標としていた80万契約を突破した。

　携帯電話番号ポータビリティ（MNP）の利用動向としては、NTTドコモが3万7900件の転出超過、auが3万5500件の転出超過、イー・モバイルが200件の転出超過と、マイナスを記録する一方、ソフトバンクモバイルは7万3400件の転入超過となり、一人勝ちと言える状況となった。

　通信方式別では、W-CDMA方式のうちNTTドコモが61万9400件、ソフトバンクモバイルが49万8100件、イー・モバイルが5万8000件、CDMA2000 1x方式のauが26万5900件の増加となった。NTTドコモのLTEサービスについては1万3800件の増加で、累計契約数は2万5600件となった。

　プリペイド契約数では、ソフトバンクモバイルが1万3400件、イー・モバイルが3000件の純増とした。一方、NTTドコモが1700件、auが5500件の純減となっている。通信モジュールでは、ソフトバンクモバイルが12万5600件、NTTドコモが5万3800件、auが4万4700件の純増。

　インターネット接続サービスでは、iモード/spモードが45万4900件、Yahoo!ケータイ（iPhone含む）が32万9200件、EZweb/IS NETが19万2500件の純増で、イー・モバイルのEMnetは300件の純減となっている。

　ドコモのspモードは純増数が51万5400件で、累計契約数は209万4600件となり、200万契約を超えた。また、同社では、2010年度末までにスマートフォン販売数を250万台にするとの目標を掲げていたが、この目標は達成したとのこと。ただし、具体的な数値については、別途、決算会見で明らかにされる見込み。

■震災の影響は

　例年、3月は春商戦として契約数が最も伸長する時期とされる。しかし今回は、東日本大震災が発生し、経済活動への影響も懸念されている。

　短期的な結果となる3月の動向について、NTTドコモでは、震災が発生した週は、東北地方の販売は前週と比べ5割程度に落ち込んだと説明。関東地方でも若干の落ち込みが見られた。翌週からはゆるやかに回復してきたとのことで、関東地方に限れば、震災以前の状況に戻ってきたとのこと。

　KDDIも、震災で営業そのものができないショップもあり、影響はあったとしながらも、具体的な影響の度合いは明らかにしていない。ソフトバンクモバイルは、被害が大きかった東北地方はもちろん、関東地方でも販売状況に落ち込みが見られた一方、3月後半は学生向け割引サービスも伸び、3月らしい動向になったとしている。

■2010年度の動向

　2010年度（2010年4月～2011年3月）における携帯電話・PHSの契約数は、前年度から699万1800件増加し、累計で1億2328万7200件に達している。純増が600万件を超えたのは2002年度以来のこと。

　このうち携帯電話契約の純増数は、735万2500件で、700万件以上となるのは2001年度以来。累計契約数は1億1953万5400件となった。純増数を事業者別に見ると、ドコモは192万7700件、auは112万6600件、ソフトバンクモバイルは353万2100件、イー・モバイルは76万6100件となっており、純増数の半数近くをソフトバンクモバイルが占めている。

　PHSは、36万700件の純減となった。累計契約数は375万1800件で、TCAが明らかにしている1996年度以降では、最も少ない契約数となった。

　UQのみサービス展開するBWAは、前年度から65万6300件増加している。