携帯各社、地震被災地に向けた特別措置や支援措置


 東北地方太平洋沖地震や長野県北部の地震を受け、携帯電話・PHS各社では被災地の通信状況改善に取り組む一方、特別措置や支援措置も実施する。17日までの状況をまとめた。

 各社共通の施策としては、主に、請求書払いのユーザーを対象にした支払期限の延長、修理代金の減額など。対象となるのは、災害救助法適用地域のユーザーとなる。

 

NTTドコモ

 料金支払い期限は、3月請求分(2月利用分)について1カ月延長となる。口座振替・クレジットカード払いは対象外。

 端末故障の修理代金は半額とするほか、通常、成功時の利用料が5250円となる「水濡れケータイデータ復旧サービス」は無料となる。携帯電話を購入する際は最大1万500円割引する。FOMAカードの再発行手数料も無料となる。いずれも4月11日まで災害救助法適用地域のドコモショップで受け付ける。

 

KDDI

 auの携帯電話の利用料で、請求書払いであれば3月請求分(2月利用分)の期限が1カ月延長される。口座振替・クレジットカード払いは対象外。

 4月30日まで災害救助法適用地域内のauショップ・PiPitでは、震災で破損したり故障したりした携帯電話機の修理費用を一部、軽減する。

 

ソフトバンクモバイル

 請求書払いについては、2月および3月利用分の支払期限を1カ月延長する。

 また災害により、壊れたり紛失したりした場合、携帯電話の交換や修理にかかる費用が一部減免される。岩手県、宮城県、福島県、茨城県、青森県、長野県、新潟県、栃木県、千葉県の災害救助法適用地域内にある「ソフトバンクショップ」で対応する。

 13日の発表当初と比べ、千葉県内などの災害救助法適用地域が対象に追加されている。

 

ウィルコム

 請求書払いでは、支払期日が3月中の場合は2カ月、4月中の場合は1カ月、期限を延長する。対象は東北地方および長野県、新潟県の災害救助法適用地域内のユーザー。

 

イー・モバイル

 請求書払いでは、2月および3月利用分の支払期限を1カ月延長する。

 震災で破損したり故障したりした携帯電話やデータカードについては、修理代金は一部減免されるほか、利用できない状態になった日から代替機/修理済み端末を渡す日まで、電話サービスとデータ通信サービスの基本使用料を減免する。受付は4月30日まで。

 このほか、4月請求分(3月利用分)の国内宛音声通話料およびSMS送信料が最大2000円(税込)減額される。基本使用料、パケット通信料、国際電話の通話料などは対象外。自動的に適用され、事前の申込は必要ない。

 セットサービスの「ADSLサービス」、あるいは「EMOBILE HomeAccess」のユーザーで、震災によりADSLサービスが利用できなければ、4月請求分(3月利用分)と5月請求分(4月利用分)のADSL利用料を最大2カ月無料とする。「無期限セット割キャンペーン」が適用されているユーザーはタイプ1の場合は減免対象外で、タイプ2であれば1500円の減免となる。4月30日まで受け付ける。

 災害救助法適用地域のユーザーが対象となる。なお、通話料およびSMS送信料の減額は、岩手県、宮城県、福島県、青森県、茨城県、長野県、新潟県、栃木県、千葉県の県全域のユーザーが対象とのこと。

 

UQコミュニケーションズ

 請求書払いでは支払期限が1カ月延長される。

 試用サービス「Try WiMAX」では、端末レンタル期間を当面延長する。さらに震災で故障・紛失したWiMAX機器代金は請求しない方針となった。

 対象となるのは、青森県、岩手県、宮城県、福島県、長野県、新潟県、千葉県、栃木県、茨城県の災害救助法適用地域内のユーザー。

 



(関口 聖)

2011/3/17 15:00