iidaのArt Editionはインスタレーションのコンセプト展示


PixCell via PRISMOID

 7月13日、iidaのArt Editionとして、現代アーティストによる2つのアート作品が発表された。

 iidaのArt Editionは、昨年、世界的な現代アーティスト草間彌生を起用し、携帯電話を使った芸術作品を販売した。今回、Art Editionとして、彫刻家・名和晃平を起用した「PixCell via PRISMOID」、フラワーアーティストの東信氏を起用した「BOTANICA(ボタニカ)」をコンセプトモデルとして発表する。KDDIでは、この2つの作品はコンセプト作品としており、商品化は未定としている。

 彫刻家・名和晃平は、透明な球体「Cell」を使った「BEADS」シリーズを展開している。今回、名和は、携帯電話「PRISMOID」を使って、空間に取り巻く無数の情報をCellによって視覚化することに取り組んだ。

 作品はCellが付着したモニターとセットになっており、端末で撮影したデジタルの写真を赤外線通信でテレビモニター側に送信できる。デジタル化された情報をモニターに表示することで、デジタル情報の再アナログ化を試みている。なお、作品は空間自体をアート作品と捉えるインスタレーションの形式となっている。ユーザーが情報をモニター表示させるという行為その全体が作品としての体をなす。


作品はモニターとセット赤外線通信で自分の端末にある画像をモニターに表示できる。「豚のピリ辛炒め」のデジタル画像が再アナログ化された

 「BOTANICA」は、エキゾチックをテーマに、携帯電話と色部を組み合わせるというアプローチを試みたインスタレーション作品。携帯電話と携帯電話を収納するベース(置き台)にジオラマの素材のような約40種類の植物模型が植えることができる。ラフレシアやバオバブ、ゴヨウマツ、ヤマザクラの模型が用意される。

 また、東信氏のアレンジが作品となるが、作品コンセプトとしてはユーザー自身が植物のパーツを自分で植えて、植物図鑑のように眺められるといった楽しみ方も想定されている。担当者は商品化は難しいとしていたが、「もしこんな携帯電話があったら……」などと想像して楽しめる。

 なお、これら作品は13日17時~、表参道ヒルズB3Fのスペース オーで一般公開される。

BOTANICAのインスタレーション写真中央のボックスに携帯電話が収納されている

 

(津田 啓夢)

2010/7/13 11:00